ショートコラム 区切りの勝利に想うこと
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

ショートコラム 区切りの勝利に想うこと

2017-05-08 20:00
    大井競馬に所属する、的場文男騎手地方競馬通算7000勝が間近に迫って来た。大井競馬場には“マトメーター”と題したカウントダウンボートが先日より掲示されており、いつ到達するかは競馬関係者のみならず、社会的な関心が寄せられるまでになっている。しかも今週の大井開催を残り5勝(5月7日現在)という状態で迎え、地元で達成できる可能性が高まったことで、今週の大井競馬場は普段と違う雰囲気が包んでいることだろう。


    もっとも7000勝という数字だけでいうなら、5日の船橋競馬3レースで生涯7000勝(地方6995勝、中央4勝、海外1勝)を達成している。ただこの記録について大きく取り上げたメディアは、意外と少なかった。私自身もこの事実は報道されたメディアを通じて知ったので偉そうなことは言えないが、競馬界の記録を主催者や団体などを基に分断していくことに、疑問を感じるのは確かだ。


    例えば野球界においては、イチロー選手の安打数について日米通算で論ずるのが適切かどうかなど、結論の出ない議論が続いている。この結論が出ない根底にあるのは、記録を見る視点(基準)が個人なのか組織なのかという違いがあること。と同時にその組織の宣伝とすることで、転じて組織の優位性につなげようとしているためと、私自身は考えている。


    騎手の勝利数についても生涯勝利数について論じられる機会がほとんどないのは、それと同じ構図があると考えている。だが個人が積み重ねた記録を論じる際に、トップアスリート同士による戦いであることが証明されていれば、その背景にある組織は本来関係ないはず。その意味でメディアが1番大きく取り上げるべきなのは、生涯記録において節目を達成した時ではないだろうか。だからといって今まで通りに記録を扱っていくことを全否定する必要はなく、それは個別の主催者や団体が、独自に称えればいいのだから。


    実は過去に競馬界でその議論を呼び起こすタイミングが、過去に1度あったと思っている。それは安藤勝己元騎手が中央所属となった直後に中央200勝を達成した時が、実は生涯3500勝(地方3299勝、中央200勝、海外1勝)だった。これをご本人が知っていて、祝福する声を遮って「3500勝だよ」と言ったなら、果たしてメディアはそれを伝えたのだろうか


    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。