ダービーシリーズ特集@戦評 九州ダービー栄城賞-自滅と混乱を招いた、リンノゲレイロが失った矜持
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ダービーシリーズ特集@戦評 九州ダービー栄城賞-自滅と混乱を招いた、リンノゲレイロが失った矜持

2018-06-08 07:00
    世代を牽引してきたリンノゲレイロベルセルクの2頭が核となった1戦だったが、リンノゲレイロが鞍上に桑村真明騎手を迎えたことで、波風が立つ中で発走を迎えた。レースは2周目3コーナーでそのリンノゲレイロが失速し、これを交わして先頭に立ったベルセルクも引き離すことが出来ない。そこに後方でジッと我慢していたスーパージェットが、大まくりを決めて4コーナーで先頭に。ゴール前ではハーキマーダイヤも襲ってきたが、これを半馬身振り切って、ダービー馬の称号を手にすることになった。

    まず取り上げないといけないのは、リンノゲレイロの乗り替わりである。昨年末からコンビを組んだ岡村健司騎手の手綱で結果を残し、前哨戦の佐賀皐月賞も制していた。しかし彼は減量騎手を卒業したばかりで、それが乗り替わりを考える理由だったことは想像がつく。だが冷静に考えて、1冠目を制した主戦騎手をアクシデントなしに変える姿は、強者が持つべき矜持を感じない。そこには負けても納得できる理由を、見つけられないからである。

    それが影響したか、リンノゲレイロは持ち前の逃げ脚を披露せず、先頭に立ったのは前がバテた2周目2コーナー。このタイミングでベルセルクらの後続が襲い掛かると、アッサリ潰されて8着に終わってしまった。乗り替ったことで戦い方が崩れたのは明らかで、間違いなく1番の敗因はそこだ。乗り替わりがなかったら勝ったとはいわないが、動いてはいけない状況で動いて自滅した姿に、納得できた人はどれだけいたのだろうか。

    だが一方で、2強のもう一角を占めたベルセルクは、そこに落とし穴があった。リンノゲレイロが先頭に立ったタイミングで攻めたのは、結果として早仕掛け。レースのアヤといえばそれまでだが、相手はいつもの競馬ではなかったので、もう少しじっくり構えても良かったか。だがそれができずに3着に敗れたのは、ライバルの乗り替わりを評価したこともあるだろう。一番強い競馬をしながらチャンスを逃したのは、鞍上のネームヴァリューに振り回されたためと考えている。

    さて、勝ったスーパージェットである。スタートの出遅れから序盤は最後方に近い位置で進めたが、2周目向正面からの大まくりがピタリと嵌った。前がやり合ってくれたことに加え、出遅れたことで序盤に無理しなかったことが奏功したもの。ただし園田から転入後、古馬B級編入で差のない競馬をしていたように、底力があったのは確か。私自身は評価を下げてしまったが、フロックで手にした勝利では決してないだろう。

    今後に関しては、古馬B級戦で勝っている訳ではないので、古馬OP級と戦えるイメージは今のところない。勝ちタイムだけを見れば昨年制したスーパーマックスとほぼ同じだが、同等の世代レベルがあるとは思えない。次走に高知優駿への遠征を考えていると聞くが、厳しい戦いになると考えている。

    最後に2着に入ったハーキマーダイヤに触れると、動いたのはスーパージェットに来られてからだったが、捲られてもしぶとくついていけたのが大きかった。それがゴール寸前でベルセルクを捉えたことにつながったが、混戦になって生まれたチャンスを最大限に活かし切った戦い方。それが出来るだけの状態の良さはあったにしても、今後主役を張れるような存在にはならないと感じている。

    (詳細なレース結果は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)


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