コラム ハイレベルな3歳世代、序列はどうなのか-ダービーグランプリ戦評とともに
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コラム ハイレベルな3歳世代、序列はどうなのか-ダービーグランプリ戦評とともに

2018-12-18 00:00
    岩手競馬の開催自粛により、当初から3週間遅い12月10日に行われたダービーグランプリ。この日程変更で参戦をあきらめる馬が出るなどの大きな影響が出て、ダービーグランプリが世代の総決算としての価値が薄くなった印象もある。その一方、早い段階で3歳馬が対古馬戦で結果を出し、可能性を示す姿もみられている。そこでダービーグランプリを簡単に振り返るとともに、独断で地方生え抜きの3歳馬ランキングを作ることとした

    <地元の雄として、負けられない戦いを制したチャイヤプーン>

    まずはダービーグランプリを振り返りたい。スタートでチャイヤプーンが大きく出遅れ、不穏な空気が漂った。しかし逃げたクリノヒビキのペースはスローで、無理することなく中団まで追い上げると、2周目の3コーナーでは外から2番手まで上昇。後はどこで動くかという雰囲気になっていたが、最後の直線に向いて満を持してゴーサイン。アッサリ先頭に立つと、内にササる幼さを見せながらも追撃を振り切り、6年ぶりに地元にタイトルを取り戻すことになった

    結果的にスタートの出遅れも、ゴール前でササる姿も、チャイヤプーンの強さを引き立たせるものだった。実績最右翼であると同時に地元の雄としての責任を背負い、また前走不来方賞でサンエイキャピタルに敗れたことで、ここは負けられない戦いだった。その期待に違わぬ強さで、一時移籍した南関東で戸塚記念を制した素質が本物であることを証明した。常識にかからない所は満載だが、逆にいえばそれが解消された際の楽しみは大きいと思う。なお次走は桐花賞を予定しており、ここではエンパイアペガサスとの対戦が待っている。

    逃げたクリノヒビキは2着に粘った。秋を迎えて重賞を連勝した勢いと、強力な逃げ馬が不在のメンバー構成をみて、逃げる競馬に出た赤岡修次騎手の好判断がもたらした結果。しかしそれが出来るだけの成長を示したのは事実で、地元の古馬相手はもちろん、遠征競馬でも結果を残していける力はつけたと考えている。

    コーナスフロリダは3コーナーから上昇し、一旦は先頭に追い付いたが、最後の直線で突き離されて3着止まり。これまでも前が止まらない展開では苦戦が目立っていたが、それがこの舞台でも出た印象が。ただこういうタイプはレベルが上がり、ペースが上がって来ると覚醒するケースもあり、この敗戦を悲観的に捉えるべきではないだろう。

    4着以下では、4着のムゲンノカノウセイがコーナスフロリダと一緒に追い上げて、見せ場を作ったのが目立った程度。金沢で2冠を制したアルファーティハは、持ち味が活きる逃げの形を作れずに8着に終わったが、これが現状の力とみる。

    <南関東デビュー組を中心に、実力馬揃いの世代-3歳牡馬ランキング>

    1位 モジアナフレイバー(大井)
    2位 サンエイキャピタル(岩手県)

    3位 ヤマノファイト(船橋)
    4位 クリスタルシルバー(大井)
    5位 チャイヤプーン(岩手県)
    6位 ソイカウボーイ(北海道)
    7位 リコーワルサー(大井)
    8位 コーナスフロリダ(兵庫県)
    9位 スーパージェット(佐賀)
    10位 ハセノパイロ(船橋)
    次点 クルセイズスピリツ(大井)
    番外 ハッピーグリン(北海道)


    ※カッコ内は最終出走時の所属

    ここからは地方生え抜きの3歳馬を総括するため、独断と偏見も交えてランキング形式で紹介(ダービーグランプリ終了日時点)したいと思う。これは2年前にも似たような形で行わせていただいたが、今回は牡馬・牝馬別でランキングを作成した。またクリノヒビキ(兵庫県)やプロミストリープ(大井)のように、中央デビューの3歳馬は対象外とした他、地方デビューでも中央に移籍した馬も対象に加えていない。そのため中央に移籍後に地方に戻り、東海ダービーを制したビップレイジング(愛知県)も対象外になっている。

    まずは牡馬から取り上げるが、1位は初の古馬相手となった勝島王冠で、南関東のトップクラスを破ったモジアナフレイバーを置いた。春の3歳3冠路線は勝利に届かなかったが、当時からスケール感は南関東の中でも抜きん出ていて、ようやく覚醒した印象が。まだ粗削りな点が多く、完成品になった時にどんな馬になるのか、楽しみしか感じていない自分がいる。

    2位は不来方賞でチャイヤプーンを破ったサンエイキャピタルとした。順調に使われていない中、まだ素質だけで走っている印象もあるが、それでチャイヤプーンに土を付けた走りは相当なモノ。残念ながら不来方賞後に骨折し、長期休養に入ることになったが、復帰後も無敗の連勝街道を歩めるだろうか。

    3位のヤマノファイトと4位のクリスタルシルバーは、ともに完成度が高く、レースセンスにも優れている。逆にいえばこれからの成長度は大きくないかもしれないが、現時点で古馬トップクラスと戦えている点は評価しないといけない。その意味でいえば、ヤマノファイトは早く古馬相手に重賞を勝ちたいところである。

    チャイヤプーンの5位は少し低い印象もあるだろうが、今回名前を挙げた南関東勢は、全て戸塚記念に出ていなかった。不来方賞で敗れたことも含めてこの順位としたが、前述したように常識にかからない所が多い馬。叱咤激励の意味も多少は込めさせていただいた。

    6位以下にはスプリンターも入っているが、東京ダービーを制したハセノパイロは、あの走りが限界だったかも。ジャパンダートダービー大敗後に復帰していないが、早い段階で結果を残さないと消えてしまうと判断し、序列を下の方に置くことにした。

    そして中央の芝路線を中心に活躍したハッピーグリンも、今年の3歳世代を語る上で忘れてはならない。ダート競馬に特化したランキングなので、これに加えることはふさわしくないが、番外として紹介することでその活躍を称えたいと思う。

    なおモジアナフレイバー、クリスタルシルバー、リコーワルサーの3頭は東京大賞典に選定されている。ここでどれだけ戦えるかで、来年以降の期待は大きく変わることになるだろう。

    <粒ぞろいも、復帰待たれるグラヴィオーラ-3歳牝馬ランキング>

    1位 グラヴィオーラ(船橋)
    2位 クレイジーアクセル(大井)

    3位 クロスウィンド(船橋)
    4位 サムライドライブ(愛知県)
    5位 ゴールドパテック(川崎)
    次点 ウォーターループ(愛知県)


    ※カッコ内は最終出走時の所属

    牝馬は5位まで順位をつけた。1位のグラヴィオーラは、東京プリンセス賞で(浦和)桜花賞を制したプロミストリープに対して7馬身差の圧勝劇。この時の勝ちタイムが前日の羽田盃を制したヤマノファイトよりも速く、この評価は衆目一致だろう。次走に予定していた東京ダービーの調教中に骨折し、戦列を離れたのは残念だったが、復帰を心待ちにしているファンは多いはず。まだ時間がかかりそうだが、静かに待ちたいと思う。

    ダービーGPに相当する牝馬限定のロジータ記念出走組は、3着までの馬を全てランクインさせたが、最上位の2位には2着だったクレイジーアクセルとした。これは牡馬相手の東京湾Cでハイペースを踏んで逃げ切るなど、目標にされる立場にありながら強い競馬を続けたことを評価したもの。この戦いが古馬相手にも通用するようだと、面白い存在になるだろう。

    そのロジータ記念を制したクロスウィンドは3位も、ロジータ記念の内容は非常に強く、道営時代に3歳3冠の王冠賞を制した1戦も光る。戦法の幅があることをこの1戦で見せたことも大きく、今後も牝馬路線で存在感を放つことになるはずだ。

    逆に秋になって評価を下げたのが、4位のサムライドライブ。東海ダービーで初黒星を喫するまでは牡馬を含めた世代トップクラスを見られたと思うが、遠征競馬に古馬相手と、新たな課題を前に壁に当たった。しかしこのまま終わるには勿体ない存在で、個人的には休ませて立て直しを図ってほしいと考えているが。

    関東オークスで2着があるゴールドパテックは、現状では川崎コース専門の印象があるため、順位を下げたもの。次点には東海地区で重賞2勝のウォーターループを取り上げたが、先月古馬A2戦を勝った日に組まれた3歳限定のC級特別で、それより速いタイムで元中央未勝利馬が勝っていた。こういった馬が出世して立場が入れ替わる可能性があることは、意識する必要があるだろう。

    (詳細なレース結果は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)


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