「兵庫ゴールドトロフィー」戦評-壮絶なマテラスカイ包囲網。狙われた理由はどこにあったのか
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「兵庫ゴールドトロフィー」戦評-壮絶なマテラスカイ包囲網。狙われた理由はどこにあったのか

2019-01-07 12:00
    発走態勢が整おうとしていたところでサンライズメジャーがゲート内で暴れ、競走除外。発走前から波乱含みの雰囲気が漂っていたが、レースも逃げることが予想されたマテラスカイにサクセスエナジーが激しく抵抗する、予想外の展開。それに屈したマテラスカイは2番手から進めたが、勝手が違う競馬に勝負所で一杯になってしまう。最後の直線では逃げ切りを図ったサクセスエナジーに、終始その直後につけていたウインムートが一歩一歩差を詰めると、アタマ差捉えたところがゴール。ついに統一グレードホルダーの称号を手に入れた。

    <包囲網に屈したマテラスカイ。ターゲットは馬ではなかった?>

    まずはマテラスカイについて書かねばならない。予想の段階でも悪い条件が揃っていたことは指摘していたし、逃げ馬に弱点があるとわかれば、その弱点をライバルが突くのも当然だ。それでもハナを叩かれることまでは、想定できなかったのが本音だ。

    では抵抗したサクセスエナジーの松山弘平騎手が、ターゲットとしたのは何かと考えると、それは騎手だったのではないか。今回マテラスカイの手綱を取った吉村智洋騎手は、2018年の地方競馬全国リーディングを獲得したとはいえ、全国的な知名度はまだまだ。統一グレードで勝負になる馬に騎乗した経験もほとんどなく、いきなり本命馬に初コンビで臨むプレッシャーもあっただろう。その意味でライバルに余計な隙を与えたのは、間違いないと思っている。

    実際、サクセスエナジーがハナを主張したのは、マテラスカイが馬なりに近い形で先頭に立とうとして馬がインに寄って来てから。枠順の内外もあったが、引くと見せかけて主張することで、より鞍上にダメージを与えようとした印象がある。だから敢えて書くが、もしマテラスカイの鞍上が中央所属騎手だったら、こういう挑発的な騎乗はしなかったはず。結果的にマテラスカイは5着に敗れたわけだが、その責任は吉村智洋騎手を起用した側にある。ただしこれによって、馬自身が過大評価されていたこともハッキリした訳だが。

    この流れでサクセスエナジーもここで振り返るが、無理をしてハナを主張したために、最後の直線で脚が残っていなかった。その結果2着に敗れた訳だが、本来は好位差しの馬。マテラスカイを行かせる競馬なら、こちらが突き抜けていたと思われ、今回勝つためには作戦ミスだったと私は考える。しかしこの距離の統一グレードで逃げることが出来たことで、今後にプラスとなる可能性もある。いい意味で評価が難しくなったのではないだろうか。

    <絶好の展開を活かしたウインムート>

    勝ったウインムートはスタート直後に行き場を失うシーンもあったが、1コーナーではサクセスエナジーの直後となる3番手。この位置を4コーナーまで守り抜き、直線で外に持ち出してから追い出される理想的な競馬を出来たことが、勝利につながったのは言うまでもない。

    しかし裏を返すなら、これだけ理想的な競馬をしてもアタマ差しか勝てなかったともいえる。元々逃げた方がいい馬で、そのスピードで流れに乗れないと脆いところも見せていた馬。差して勝った事実は進歩と認めつつも、ライバルたちが勝手に転んだという要素も少なくなかった。だからこそ次走は試金石というより正念場。統一グレード戦線に於いてトップグループで戦い続けるためには、ここで見せ場を作れないと、恵まれたと評されて終わってしまうと思っている。


    <明暗分かれた地方勢。エイシンバランサーはレースの前に・・・>

    3着には後方から追い上げたキクノステラが喰い込んだ。園田コース11連勝のあと、重賞では勝てなかったので荷が重いとみていたが、51キロ軽ハンデも味方に息の長い末脚を披露した。個人的にはあまり評価してこなかった馬だが、この走りを見ると認めなければいけないと思うが、そのためにも早く重賞タイトルが欲しいところ。様々な選択肢の中で、どんな舞台を求めるか気になる。

    高知から参戦したサクラレグナムは、中央勢の直後を追走したが、そこから伸びず4着。パドックで馬っ気を出していたように集中力を欠いていて、位置取りも普段より前過ぎたのでは。それでこの結果なのだから、もっと戦えていた可能性はあったかもしれない。それでも地元で行われる黒船賞に向けて、目処は立てたといえる1戦だったとみている。

    地元で最も期待されたエイシンバランサーはゲート入りに手こずり、しかも競走除外発生後の入れ直しでも嫌がった。レースが始まる前に消耗してしまった印象で、3コーナーでは早くも後退する始末。9着という結果は参考外だが、今後もゲート入りがスムーズに出来ないなら、今後に悲観的な材料となってしまうだろう。

    最後に期待したアールプロセスに触れると、後方から動けずに7着。コース2度目で上積みがあると思ったが、先行力で見劣ったのは致命的。これでは前が総崩れにならないとチャンスはなく、初の統一グレードで通用しなかったと評するのが自然だと思う。

    (詳細なレース結果は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)


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