「川崎記念」戦評-たたき上げの王者誕生! 3頭叩き合いの真ん中を突き破ったミツバが、7歳にして統一GⅠホースに
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「川崎記念」戦評-たたき上げの王者誕生! 3頭叩き合いの真ん中を突き破ったミツバが、7歳にして統一GⅠホースに

2019-02-01 19:00
    好スタートを切ったサルサディオーネがハナを主張し、そのままマイペースに持ち込もうとする。しかし1周目のホームストレッチで上昇したオールブラッシュが絡んでくると、息を入れることが出来なくなり、結局2周目3コーナーで一杯に。レースはそこで先頭に立ったオールブラッシュにケイティブレイブミツバが迫り、最後の直線は3頭横並びの激しい叩き合いになったが、そこから抜け出したのは3頭併せの真ん中に入ったミツバだった。2頭を弾き飛ばすようにして突き抜けると、2着に2馬身半の差をつけ、統一GⅠ6戦目にして統一GⅠホースの称号を得ることに成功した。

    勝ったミツバは好スタートから一瞬3番手につけるも、行きたい馬を行かせる形で位置を下げ、道中は中央勢の中では1番後ろ。しかし息の入らないタフな流れになったことから、この位置で我慢できたことが功を奏した。勝負所で内々を上昇する時の手応えは抜群で、一般的に不利とされる3頭併せの真ん中を突き抜けられたのは、そこまでほとんど脚を使っていなかったため。これ以上ない完璧なレースで制した1戦だったと思う。
    かつては乱暴なレースをしていたことをここで何度も記したが、一昨年のマーキュリーCを制してから徐々に解消。タイミングが合えば統一GⅠを勝つ可能性も感じさせていたが、この舞台でそれを実現させた。しかし今回はダート競馬界を席巻する明け4歳世代が不在で、いわば旧勢力による争い。自身も既にその世代に屈していることを踏まえれば、かえって明け4歳世代の凄さを証明したともいえる。ある意味、統一GⅠホースとなるラストチャンスを捉えたと勝利といえよう。


    ケイティブレイブは3~4番手の好位を追走し、勝負所から馬なりで上昇。最後はどこまで突き離すのかという手応えだったが、直線に向いて伸びず、2着争いを制するのがやっと。統一GⅠ3勝馬としての威厳を感じないレースぶりは、失望すら感じるものだった。鞍上からはレースに集中しなかった旨のコメントが出ていたが、改めて考えると徹底先行で結果を残してきたのは、それが集中力を保つ上で必要だったためか。それならもう1度、本来の徹底先行にこだわらないと、これで終わってしまうかもしれない。

    3着に終わったオールブラッシュはスタートで出遅れ、1周目のホームストレッチで巻き返す形。しかしサルサディオーネに抵抗され、先頭に立てなかったのが大きかった。もしハナを譲ってくれれば、そこでペースを落とすことでもっといい勝負が出来た可能性もあったが、これが警戒される立場で戦う難しさ。今後も人気薄での穴メーカーという立ち位置から、抜け出せないと感じる内容だった。

    これ以外で触れる価値があるのは、逃げたサルサディオーネだけ。ハナに立つまでは良かったが、一昨年のオールブラッシュが13.1~14.1秒、昨年のケイティブレイブが13.9~14.2秒に落とすことが出来た1~2コーナーで、今回は12.6~13.2秒。これで踏ん張れというのは無理な相談で、結果7着でも一定の評価は必要。落ち着いたペースで逃げられれば、いつでも統一グレードを制する力があることは示したと思っている。

    <統一GⅠ6戦目で制したミツバ。これより遅咲きの馬はいた?>

    ところでミツバが初めて統一GⅠに出走したのは、2年前の川崎記念。以来、6度目の出走となった今回で統一GⅠホルダーに上り詰めたが、これはダート競馬の歴史的にはかなり遅い記録である。

    その理由は芝と比べてGⅠレースが少ないことと、地方主催の統一GⅠに出走する中央所属馬は、既に統一GⅠを勝っているケースが多いため。しかも力関係が固定化しやすいことから、早い段階で壁を乗り越えられないと、跳ね返され続けてしまう傾向にあるためだ。

    実際、初制覇まで時間がかかったように映る馬でも、統一GⅠだけの出走歴(芝のJRAGⅠは含まない)でみると3~4戦目という馬ばかり。例えば2010年のJBCクラシックが初制覇だったスマートファルコンも、それまでに統一グレードを10勝していたが、統一GⅠ出走歴は4戦目だった。これを超えたケースはほとんどなく、これをタイムリミットと捉えて評価することを、考える必要がありそうだ。


    ちなみに今回のミツバより時間がかかった例として、2012年のJBCクラシックを制したワンダーアキュートの7戦目、そして2007年の帝王賞を制したボンネビルレコードの8戦目がある。ただどちらのケースも、時代を牽引した馬が衰えたり競馬場を去ったりしたことで、時代が変わる狭間に行われた印象があった。その意味では今回の川崎記念も、同じ位置づけのレースとして評価される可能性が高いと思っている。

    (詳細なレース結果は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)


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