「エンプレス杯(キヨフジ記念)」戦評-敗戦で持ち味を思い出したプリンシアコメータと、勝利で長所を見失ったビスカリア
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「エンプレス杯(キヨフジ記念)」戦評-敗戦で持ち味を思い出したプリンシアコメータと、勝利で長所を見失ったビスカリア

2019-02-28 22:00
    徹底先行型が揃い、スタートから激しい先行争いが繰り広げられた結果、最初の4コーナーまでの500mが29.4秒。今や開催日ごとに組まれている900m戦に匹敵するハイラップに、逃げたクレイジーアクセル2周目向正面で早くも一杯になってしまう。ここで2番手にいたプリンシアコメータは、先頭に立つと同時にピッチを上げ、後続を振り切るロングスパートを敢行。これで単騎逃げの形に変えると、中団から追い上げて2周目4コーナーで並びかけようとしたビスカリアを、最後の直線で突き離してそのままゴール。統一グレード3勝目を飾ることとなった。

    勝ったプリンシアコメータは、ハナを奪いに行った結果としての2番手。しかしその積極的な姿勢は、外へ張り気味のコース取りでサルサディオーネを前に出させなかったことに現れていた。そして先頭に立つと同時にペースを上げて後続を振り切った姿は、とにかく単騎先頭の形を創り出そうとした岩田康誠騎手の好判断。結果的に1ヶ月前に行われた川崎記念と0.3秒差の2分15秒3という、破格の時計で走り切る完勝だった。
    思えば近2走の惨敗は、3番手から抜け出したレディスプレリュードで、控える競馬が出来ると思ったことにある。ただしあの1戦は、手綱を取ったジョアン・モレイラ騎手だからこそできたもの。この呪縛から逃れるために高い授業料を払うことになったが、それでもこの強さは想像以上。今回のような強気な競馬に磨きをかければ、舞台や相手関係次第で牡馬相手でも戦えるのではないか・・・そんな可能性も感じる1戦だった。


    2着には中団から直線で追い込んだブランシェクールが入った。道中はビスカリアとほぼ同じ位置にいたが、勝負所から前を追いかけたビスカリアに対し、こちらはじっくり構えて直線勝負。ここで我慢したことが吉原寛人騎手の好騎乗で、最後の末脚はこれまでにない鋭さがあったこの1戦が引退レースということで、これから自身が手にできなかった統一グレードタイトルの夢を子供に託すことになるが、この1年統一グレード戦線を賑わせたことに対して拍手を送りたいと思う。

    最終的に1番人気となったビスカリアは、勝負所から自分で動いて勝負に出たが、最後の直線で伸びあぐねて3着止まり。元々自分から動ける馬ではなく、じっくり構えるからこそ切れ味鋭い末脚を発揮できた馬。それを活かせる展開にもなっていたが、前走TCK女王盃を勝ったことで欲が出て、その長所を見失ったことが今回の敗因。今回巻き返したプリンシアコメータのように、この反省を活かすことができるだろうか。

    ビスカリアと同じように2周目3コーナーから動いたミッシングリングも、直線で伸びず4着。ただしこちらは昨年8月以来の休み明けで、この厳しい流れを追いかけるのは苦しかった側面もある。使われた次走でどう変わって来るか、注意は必要だろう。

    地方勢では最も人気を集めたクロスウィンドは、自分の時計では走っているが、それで6着という結果は力負け。ただし地方馬同士で戦う中でもう1度力をつけていく時間は、明け4歳なので残されていると思いたい。

    7着だったサルサディオーネはプリンシアコメータに張られる形になり、ロスの多い競馬になったのが大きい。せめて2番手だったら違ったかも知れないが、自分の競馬が出来なかったの一言で十分だ。

    逃げたクレイジーアクセルは最後11着まで沈んだが、鞍上が変わったことで引く勇気を持てなかった印象もある。この1戦で評価を下げる必要はないだろう。

    (詳細なレース結果は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)


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