ショートコラム 佐賀の古豪・ウルトラカイザー引退で生まれつつある“アンタッチャブル・レコード”
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ショートコラム 佐賀の古豪・ウルトラカイザー引退で生まれつつある“アンタッチャブル・レコード”

2019-11-22 23:00

    24日の日曜日、佐賀デビューで長きにわたり地方競馬を沸かせてきたウルトラカイザーが、佐賀競馬場で引退式を行う。ホッカイドウ競馬在籍時に2014年の道営記念を制して一時代を築いたことが印象に強いだろうが、佐賀生え抜きの一般馬(九州産馬を除く)としては目下唯一となる中央勝利を果たした馬であり、昨年は3歳時に制していた中島記念を7年ぶりに制覇。佐賀に於いても記憶と記録に残る活躍をした功績に対し、称賛の声を送りたいが、実は日本記録を視野に入れつつあったことをご存知だろうか。


    その日本記録とは、サラブレッド系の平地競走最多勝利記録。現在この記録を持つのは2000年に引退したブライアンズロマンの(63戦)43勝だが、ウルトラカイザーは(65戦)37勝と、あと6勝まで迫っていた。今年も最後のレースとなった8月までに3勝を積み重ねており、現役を続けるのであれば、塗り替える可能性は十分あった。今となっては充実期になるはずの4~5歳時に4戦しか使えなかったのは痛かったが、実戦数自体はほぼ同じ。いかにブライアンズロマンの勝率が高かったかの裏返しでもある。


    そうなると気になるのは、現役の最多勝はどの馬なのかである。全ての馬を調べた訳ではないけれど、同じ佐賀所属のキョウワカイザーが、これまで(79戦)36勝。これがトップに立つと思われるが、同馬は昨年12月以来勝利がなく、今年も3戦していずれも大敗。現在ホッカイドウ競馬所属で(88戦)33勝のカツゲキライデンも今年は1勝だけで、どちらも記録更新が視野に入る状況にない。そのため今後、この記録に届く馬が出て来ない可能性が、現実味を帯びてきたのである。


    確かに1995年の“交流元年”をきっかけに、所属の垣根を越えて強い馬と戦うことが求められた競馬界は、閉鎖的な記録を積み重ねることが難しくなった塗り替えられないと思われる記録を“アンタッチャブル・レコード”と呼ぶ人が最近増えてきたが、ブライアンズロマンの最多勝記録が“アンタッチャブル・レコード”になりつつあるのは、そんな時代背景の変化と無関係ではない。そしてウルトラカイザーの引退は、その評価をより強固にする意味でも、大きな節目なのかもしれない。


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