コラム 間もなくダービーシリーズ2020-各地の3歳路線の現状は?
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コラム 間もなくダービーシリーズ2020-各地の3歳路線の現状は?

2020-05-24 21:00
    全国各地でダービー馬が決まる“ダービーシリーズ”が、5月31日の九州ダービー栄城賞を皮切りにスタートします。新型ウイルスによって社会的活動が制限されている今、全てのダービーが無観客で行われる可能性が極めて高いのは残念ですが、それによってダービーの輝きが変わることはありません。そこで毎年このブロマガで紹介してきた、各地の3歳路線のダービーに向けた情勢を、今年も前哨戦の結果を交えながら、開催順に紹介することにします。

    おことわり・本コラムは、5月24日12時までに得た情報を基にしています。また現在は予想に関する活動を行っていないため、開催時に予想記事は掲載いたしません。ご了承ください。

    ・九州ダービー栄城賞(5月31日・佐賀2000m)

    佐賀生え抜きで地元戦では無敗を誇るミスカゴシマが、5月3日に行われた1冠目の九州皐月賞も制し、地元での連勝を10に伸ばした。無敗といってもその中にはヒヤリとするレースもあったが、それでも最後は勝ち切っており、逃げ馬ながら競っての強さを持っているのは大きな強みだ。これが地元無敗で戴冠できるかが最大の焦点で、その勝負強さを距離が延びても発揮できれば、現実のものとなるだろう。

    これを脅かす筆頭格であるトップレベルは、今年に入りミスカゴシマの2着が4回。いずれも差して届かずという内容だったが、ミスカゴシマ以外には今年負けておらず、また九州皐月賞でクビ差まで迫っている。これが力の差が詰まったことを意味していれば、距離延長を味方につけて、逆転する可能性もあるはずだ。

    またミスカゴシマが不在だった2歳重賞カペラ賞を制したリバイブが、同じ日に行われた古馬戦で戦列復帰。結果は出なかったが、この後の変わり身には注目したいところ。別路線組では、5月17日に行われたトライアルを制したアイノウィステリアが、中央未勝利から転入後、無傷の3連勝で出走権を手にした。この勢いでどこまで戦えるかにも注目したい。

    ・石川ダービー(6月2日・金沢2000m)

    5月4日に行われた1冠目の北日本新聞杯を制したのは、後方から鋭く追い込んできたフジヤマブシだった。今年に入って3戦連続2着と勝ち切れないレースが続いていたが、この勝利で改めてトップクラスの力があることを証明した。また2着だったストロングフーブスは連勝が4で止まったが、先行馬に苦しい流れを早目先頭で押し切ろうとした内容は秀逸。今期の充実度・順調度では、この2頭が一歩リードしている感がある。

    一方、2歳時に兼六園ジュニアCで前記2頭を破った後に休養していたハイタッチガールが、5月17日に復帰。ここでは反応が悪く2着に敗れたが、使われた上積みがあれば、当然本番でも勝負になるはず。そしてこれを破ったコードジェニックは、これが中央1勝からの転入初戦だった馬で、有力グループに突如割って入ったと考えている。

    同じ5月17日には牝馬限定のノトキリシマ賞が行われたが、4月デビューのハクサンアマゾネスが無傷の3連勝で制覇。年明けデビュー組には、北日本新聞杯当日に行われたA2戦を、これより0.3秒遅いだけのタイムで圧勝したトップロイヤルもいる。これらが一堂に会するなら、大混戦は必至といえるだろう。

    ・東京ダービー(6月3日・大井2000m)

    次から次へと有力馬が登場した今年の世代は、2月の雲取賞を制したゴールドホイヤーが4月29日に行われた1冠目の羽田盃も制し、実績面で一歩リードした。どちらもマイペースで逃げたファルコンウイングを、直線で楽に捉えて突き抜けており、落ち着いた流れになると一定のペースで走り切る持続力が活きてくる。同じような展開になれば、2冠達成というシーンも見えてくるだろう。

    一方で2着だったブラヴールは、前が止まらなかった流れを後方から鋭く追い込んで来た。先行勢が崩れた3月の京浜盃では差し切り勝ちを収めており、前が止まる流れなら自慢の末脚が本領を発揮する。その意味で流れが向かなくても結果を出した羽田盃の評価は高く、馬券的にはこちらが1番人気となる可能性が高そうである。

    別路線組では、ハイペースの乱戦となった4月15日のクラウンCで、4角先頭から押し切ったウタマロ。年明けから1戦ごとに力をつけている上、2着マンガンが5月6日の東京湾Cを制したことからもレベルは低くない。マイルまでしか経験していないが、距離延長を克服してどこまで迫れるかは興味深いところだ。

    この他にも重賞路線で差のない競馬をしているティーズダンクや、4月30日のトライアルを勝って権利を手にしたブリックオドーン。さらに4月28日に行われた東京プリンセス賞2着から参戦を目指すリヴェールブリスも地力は高く、ハイレベルの大混戦は間違いない。なお京浜盃2着のコバルトウィングは、昨年導入された新規定(中央在籍経験馬は、同期間に獲得した賞金額をカウントしない)により、出走できるか微妙。また昨年の全日本2歳優駿を制したヴァケーションは、年明け2戦とも着外に終わり、参戦を見送るという情報がある。

    ・東北優駿(6月7日・盛岡2000m)

    今年から1冠目に位置付けられたダイヤモンドCが5月3日に行われ、2歳王者グランコージーが、2着に9馬身差をつける逃げ切り勝ちを収めた。シーズンオフに移籍した南関東ではクラウンC6着の1戦だけで戻って来たが、パワーアップは明らか。2着フレッチャビアンカが今シーズン、奥州弥生賞スプリングCを連勝していたことを踏まえても、改めて抜けた存在であることを証明したといえそうだ。

    一方で昨年までのやまびこ賞に相当する、岩手の3歳世代にとって初めての1800m戦を5月17日に実施。ここを勝ったマイランコントルは、3月デビューから無傷の3連勝となり“ストップ・ザ・グランコージー”に名乗りを上げた。長い距離を経験できたことは強みだが、レース直前の雨で高速馬場になったことは留意しておきたい。タフさが求められない馬場状態だったからだ。

    この2頭を突き崩すとすれば、これと戦っていない存在が台頭するか、タフな馬場になって自滅するケース以外に考えにくい。特に今年はタフな盛岡コースに舞台が戻るので、有力馬も不安なく本番を迎えることは、なかなか難しい気がしている。

    ・東海ダービー(6月9日・名古屋1900m)

    近年1強ムードとなる傾向にあるが、今年ニュータウンガール1強ムードで迎えそうだ。5月1日に行われた1冠目の駿蹄賞で、2番手から余裕を持って抜け出し、これで重賞4連勝。絶対的なスピードを武器に無敗でこの舞台に立った一昨年のサムライドライブ(2着)、昨年のエムエスクイーン(1着)のような派手さはないが、好位から前を捉える戦い方は安定感抜群。乱戦に巻き込まれるようなことがなければ、勝利に最も近い存在だろう。

    その駿蹄賞で2着だったエイシンハルニレは、名古屋転入後4月2日の新緑賞まで、地元戦では4戦無敗だった馬。こちらはスピード能力の高さを武器にしており、駿蹄賞では捕まってしまったが、それを受けて今度はどういう逃げ方をしてくるか。それが上手く行けば、今度は逃げ切るシーンが見られるかもしれない。

    今年は劣勢気味の地元生え抜きでは、エムエスオープンに期待がかかる。今年に入り重賞2勝も、ニュータウンガールがいる舞台では3戦とも3着止まり。ただし末脚の破壊力は上位の存在で、前が崩れる展開になれば、大舞台での逆転もあるだろう。この他では4月21日の東海クイーンCを制したビックバレリーナ辺りで、気になる上がり馬は見当たらない。有力馬は絞られている印象がある。

    ・兵庫ダービー(6月11日・園田1870m)

    1冠目となる菊水賞は4月16日に行われ、それまで重賞3連勝中だったステラモナークが逃げ切り、1強ムードすら漂った。しかし確勝を期したはずの5月14日に行われた牝馬限定ののじぎく賞で、マイペースで逃げながらも5着に失速。馬体減や乾いた馬場に苦労したなどの敗因は見受けられるが、この敗戦によって混沌とした雰囲気が漂い始めたと思っている。

    そこで俄然注目を集めるのは、5月6日に行われた地元3冠2冠目の統一GⅡ兵庫チャンピオンシップで、地元最先着を争ったピスハンドとガミラスジャクソンだ。ピスハンドはいまだ1勝も、兵庫若駒賞と菊水賞で2着と重賞実績は豊富。兵庫チャンピオンシップでガミラスジャクソンとの競り合いを制したことで経験値を手にしていれば、檜舞台で頂点に立つ可能性は十分あるだろう。

    一方のガミラスジャクソンは、もまれ弱さがあって安定して結果を出せない馬。それでも1頭で走れる形になれば、1月に笠松に遠征したゴールドJrで最後方からの追い込みを決めたように、凄みを発揮する。極端な競馬しかできなくとも、力を発揮できる格好を作れれば、勝てる力はあると感じている。

    あと兵庫チャンピオンシップ未出走組では、2歳時に園田ジュニアCを制したイチライジン。菊水賞こそ4着に終わったが、この1戦で底を見せたとはいえず、巻き返しがあっておかしくない。なお2歳時に兵庫若駒賞を制したエキサイターは戦線離脱中で、本番までに戻って来る可能性は、ほぼないだろう。

    ・高知優駿(6月14日・高知1900m 地方全国交流)

    2歳時に金の鞍賞を制したレインズパワーが、5月3日に行われた1冠目の黒潮皐月賞でも2番手から抜け出し、1冠目を手にした。道営時代にフルールC2着にエーデルワイス賞7着と重賞でも上位を賑わせた経歴は、2歳時に高知へ転入した馬としては破格で、その素質は高知でも発揮している。転入後に唯一同世代に敗れた土佐春花賞3着も、流れに乗れなかっただけで力負けではない。遠征勢に対峙できる地力は、当然あると考えている。

    また5月23日に行われた、高知の3歳世代初の1800m戦となる準重賞は、マイネルヘルツアスが向正面からのロングスパートで制した。同馬は中央未勝利からの転入組で、転入後も好走を続けていたが、距離が延びて高い破壊力を披露した。昨年このレースを制したナンヨーオボロヅキは高知優駿も制しており、距離経験のアドバンテージは大きい。一躍逆転候補の筆頭に躍り出た。

    この準重賞で3着だったフルゴリラは、土佐春花賞と黒潮皐月賞でともに2着だった馬。距離にメドは立てたといえ、この経験を武器に逆転を目指す。一方でレインズパワーを土佐春花賞で破ったリワードアヴァロンは、準重賞で8着に敗れて株を下げた印象も、単騎逃げなら力を発揮するだけに警戒は怠れない。あと5月17日のマイル戦を好時計で制し、転入後2戦2勝としたアーヴィングが、間に合うようなら不気味な存在になる。

    ・北海優駿(6月18日・門別2000m 地方全国交流)

    7頭立てとやや寂しくなった1冠目の北斗盃は5月14日に行われたが、ハイペースの乱戦を唯一の牝馬レッドガードが、4角先頭から押し切った。2歳時に似たような乱戦模様となったブロッサムCで2着となったように、タフなレースになると台頭するタイプ。北海優駿前日に行われる古馬牝馬の重賞ヒダカソウCに向かうプランもあるようだが、出てくれば有力候補の1頭となるはずである。

    このレースで1番人気だったアベニンドリームは、2歳時に北海道2歳優駿2着と、今期残った北海道デビュー組では屈指の実績を誇る。今回はハナに行こうとして行き切れずに6着に惨敗したが、落ち着いた流れなら巻き返しを期待できるはずだ。また逃げて3着に粘ったシンボは、2歳秋以降は岩手の重賞戦線で好走を続けていた馬。以前は差す競馬が目立っていたが、これが持ち味を発揮する形なら、侮れないだろう。

    北斗盃に出なかった中では、今期が開幕した4月15日に行われたOP特別で、アベニンドリームに競り勝ったビービーガニアンが注目される。冬場に南関東で力をつけてきた馬で、この時の走りが本物なら、本番でも注目される1頭になる。ただし全体的な勢力図はおぼろげで、本番前の古馬戦で可能性を見せた馬が、いきなり素質を覚醒させる可能性も。地元の勢力図は固まらないまま、本番を迎えそうだ。


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