ショートコラム ナイター競馬の愛称から見えるもの
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ショートコラム ナイター競馬の愛称から見えるもの

2020-09-18 12:00

    9月19日の開催から一般入場を再開する佐賀競馬場(注)は、いよいよ10月3日からナイター競馬がスタートする。それに先立ち、ナイター競馬の愛称を一般公募していたが、これが“ほとめきナイター”に決まったと先日発表された。この由来は、心のこもったもてなしを意味する“歓待”の佐賀弁である「ほとめく」に「ときめき」を合わせた造語(一部、佐賀競馬公式サイトより引用)。これを機に多くのファンが、ナイター照明にきらめく競馬場に集ってほしいものである。

    ところでナイター競馬の実施場はこれで8場となるが、(ばんえい)帯広競馬場を除き、それぞれナイター競馬の愛称がつけられている。皆様には馴染みのある言葉だと思うが、並べてみると面白い傾向が見えてきた

    門別:グランシャリオナイター
    船橋:ハートビートナイター
    大井:トゥインクルレース
    川崎:スパーキングナイター
    園田:その金<そのきん>ナイター
    高知:夜さ来<よさこい>ナイター
    佐賀:ほとめきナイター

    もうお分かりだと思うが、横文字系の東日本と日本語を用いた西日本で、真っ二つに分かれているのだ。この理由を私なりに考えると、横文字系、とりわけ南関東3場に関しては、競馬に参加したことがない人に興味を持ってもらうことを意図しているためだろう。今や都心有数のナイトスポットとして社会的評価を得た大井競馬場の“トゥインクルレース”は、その象徴的な例として、競馬人口拡大にも長年寄与している存在である。

    一方で西日本の3場は、既存の競馬ファンへの認知度を高めることに、比重が置かれた印象がある。これはネット投票の拡大によって、どこに住んでいても参加できる環境になったことが大きい。そこで“どこでやっている競馬なのか”を知ってもらう意味で、その競馬場(土地)にちなんだ言葉をルーツにしやすい日本語が使われるのだろう。今回の“ほとめきナイター”も、由来を知ればその延長線上にあることがわかるというものだ。

    こうやって区分けをしたものの、適切なターゲットを位置づけてネーミングを考えるという意味では、どの競馬場(=主催者)にも共通している。一方でこういうドラスティックな変化がないと、競馬場のブランディングが進まない地方競馬の現状も垣間見せている。それだけにナイター競馬を導入していない主催者が、導入しないとブランディングできないという考えに陥っているなら、それは危険だ。各々の競馬場の環境に見合ったブランディングは、ナイター競馬がなくてもできるはずだからだ。

    (注)一般入場再開後、当面は場内滞留者3000人を上限とするため、場内の状況によっては入場できない場合もある。


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