JBCレディスクラシック概況-彗星のように現れたマルシュロレーヌは、女王の座も射止めるのか
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JBCレディスクラシック概況-彗星のように現れたマルシュロレーヌは、女王の座も射止めるのか

2020-10-13 22:30

    10月8日に行われたレディスプレリュードは、衝撃的な結果が待っていた。統一グレードタイトルを持つ中央勢3頭を、これがダート2戦目のマルシュロレーヌがまとめて差し切ってしまったからだ。ここしばらく絶対的な存在がいなかった牝馬戦線だったが、流れが変わる分水嶺になるのだろうか。

    <異次元の末脚で常連組をねじ伏せたマルシュロレーヌ>

    ここでもレースの振り返りから始めるが、絶対的な逃げ馬がいないメンバー構成の中、逃げたのは好スタートを切ったアッキー。これに乗る形でマドラスチェックプリンシアコメータが外から並びかけ、これらを見る格好になったレーヌブランシュも、先行グループに加わっていた。

    勝ったマルシュロレーヌは、その先行グループから少し離れた第2グループの先頭付近で進めると、3コーナー手前から差を詰めに行く。そして4コーナーで先行グループに追いつくと、逃げたアッキーを交わして先頭に立っていたマドラスチェックを、残り200mを切ったところで大外から一気に交わし、あとは突き放す一方。2着マドラスチェックに3馬身差をつける圧勝劇で、大舞台の切符をつかんだのである。

    とにかくこの1戦はマルシュロレーヌの末脚に尽きる。決して先行していた実績馬が止まった訳ではなかったが、ただ1頭上り3ハロン36.8秒という破格の末脚を繰り出した走りは、ただただ強烈。思えば初めてダート戦に登場した前走小倉1700m戦でも、上り3ハロン35.0秒という驚異的な数字をマーク。この切れ足を発揮できる展開なら、牡馬相手でも通用する次元かもしれない。

    これに敗れた実績組は、2着マドラスチェックは休み明けの前走から馬体が絞れたことで、動きが一変。マルシュロレーヌの切れ味に屈したものの、まともなら完勝といえる内容だった。3着プリンシアコメータは最後思ったほど伸びなかったが、この馬には1分52秒1という勝ちタイムは速すぎた嫌いも。これは4着に終わったレーヌブランシュにもいえそうだが、こちらは現状における力の差ともいえる。

    地方勢は再先着の5着にサラーブが入ったが、道中マルシュロレーヌと同じ位置にいて1.7秒差は、力の差といわざるを得ない。また8着に終わったマルカンセンサーは、笹川翼騎手へのスイッチがいい方に出なかったという印象。かろうじて中身を感じたのは、4角まで先頭を守った6着のアッキーだが、これも徹底先行型不在のメンバー構成に助けられたものである。

    <本番でカギを握る、レディスプレリュードで不在だったフロントランナー>

    浦和1400mで行われた昨年こそ、短距離路線を歩んだ2頭で決着したが、それまでは全てレディスプレリュード4着以内の馬から女王が誕生していた。ただし第4回以降は連勝した馬はおらず、必ずしも前哨戦通りにいかないのがJBCレディスクラシックの傾向である。

    その意味でカギを握るのは、レディスプレリュードでは不在だった徹底先行タイプだ。中でも今年のマリーンCを逃げ切ったサルサディオーネは、前走に牡馬相手の日本TV盃を選択。ところが中央勢が玉砕覚悟で競り潰しに来た結果、前半3ハロン33.8秒という猛ラップになって9着に沈んだが、脅威を与えるに十分な逃げ足だったと思っている。

    つまりケンカしにいけば自らも苦しくなってしまうし、さりとて楽に逃がすと捕まえるのが困難になる。またマルシュロレーヌについていえば、ダートの2戦で見事な切れ味を披露したとはいえ、どちらも前が止まらない流れでのもの。まだ経験値は低いだけに、今までと違う展開に戸惑い、過去2戦と同様の走りができない可能性も十分ある。それだけサルサディオーネの動向は、レースに大きな影響を及ぼすと考えている。

    この他、レディスプレリュードに出なかった中央勢では、スパーキングレディーCを連覇したファッショニスタだろう。距離的にギリギリ感はあるものの、一昨年のJBCレディスクラシック3着に、昨年のレディスプレリュード2着があるなら問題ない。休み明けでも仕上げてくれば、レディスプレリュード出走組と互角に戦えるはずだ。なおマリーンCとブリーダーズゴールドCで2着に入ったメモリーコウは、故障のため断念している。

    今年のJBCレディスクラシックは、マルシュロレーヌを巡る争いになるのは避けられそうもない。ただし前走のパフォーマンスだけを見て1強ムードを作る必要は、どこにもないだろう。ここに地方生え抜きで勝負になりそうな馬の参戦が望めないのが少々残念だが、白熱した戦いの末に手にした女王が、誰からも称賛される存在になってほしいと願っている。


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