コラム JBC2歳優駿の可能性と、JBC当日のスケジュールと
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コラム JBC2歳優駿の可能性と、JBC当日のスケジュールと

2020-11-27 18:00

    20年目を迎えたJBC2020は、新たに2歳カテゴリーとしてJBC2歳優駿が加わり、4カテゴリーによる争いに進化。日本競馬における最高峰としての存在感を、さらに高めることになった。しかし新設されたJBC2歳優駿に関しては、昨年までの北海道2歳優駿の競走条件と格付けを引き継いだことから、2歳馬の頂点を争うという価値はまだない。そこで今回はその可能性など、JBC2歳優駿に関わる話を取り上げることにした。

    ・“中央勢優位の馬場”が、自滅を生んだ中央勢-JBC2歳優駿戦評

    その前に第1回JBC2歳優駿について振り返りたい。レース当日のツイッターでも触れたが、前半戦から速い時計の決着が続き、時計勝負を歓迎する中央勢が力を出しやすいコース状態だったと思う。とはいえ北海道2歳優駿として行われていた当時は、地元勢優位にあった1戦。その意味では、これで互角の戦いができる状況だったと感じている。

    ところがその馬場に気をよくしたか、中央勢のカズカポレイルーチェドーロが気分よく引っ張った結果、前半1000m60.5秒。同条件だった2008年以降の北海道2歳優駿でも記録されたことがない超ハイペースになり、結果中央勢は3着に踏ん張ったレイニーデイを除き、4角を迎えるまでに終戦。力を出せる馬場で自ら乱戦を演出し、自滅したのが中央勢の総評である。

    そんな中で勝ったラッキードリームは、好スタートを切りながら中団まで下げたのが好判断。3コーナーから内々を通って追い上げると、直線で外に持ち出して粘る先行勢を差し切ったのは、前走サッポロクラシックCでハナ差の叩き合いを制した勝負強さが垣間見えた。これで門別1700m以上では3戦無敗とタフな舞台で結果を出しており、2000m級の戦いになる、世代の頂点を争う来年に向けて大きな期待を寄せられる存在になった。

    2着に追い込んだトランセンデンスは、前走サンライズC5着で株を下げていたが、サッポロクラシックCではラッキードリームの2着だった馬。ここで通用して不思議がない実績は持っていて、最後方からの直線勝負がこの日の展開にマッチして好走につながった。勝ち味に遅いところがあるので、勝つ味を覚えることで一皮むける可能性は十分あるだろう。

    3着レイニーデイと4着ブライトフラッグは、厳しい流れを先行して最後まで踏ん張っており、レースの中身という意味では勝ち馬と同等以上の評価ができる。その一方、地元勢で最も評価されたシビックドライブは、4角先頭が勝ちパターンという戦い方。それをさせてくれない厳しいレースになって、結果を残せなかった。なお6着だったギガキングが、15日に盛岡で行われた南部駒賞を制覇。ホッカイドウ競馬の層の厚さ、JBC2歳優駿の質の高さを示す意味で、いい指標になったと思う。

    ・JBC2歳優駿単体では、発展に限界が

    ではJBC2歳優駿のステイタスが今後上がっていくために必要なことは何だろうか。実は1番ネックになると感じているのが、1800mという距離にある。というのもホッカイドウ競馬はマイルを超える距離の2歳戦が数多く組まれる一方、それ以外の地方競馬主催者ではほとんど行われていないからである。

    昨年までの実績では、岩手県と東海地区はマイルを超える2歳限定戦が実施されたことはなく、2歳新馬戦が復活した後の高知も1400mが最長。南関東でも年末の大井で行われる1800m戦だけという年が多く、毎年複数回実施しているのは、コース形態の関係でマイル戦が行えない園田と佐賀だけ。つまり地区レベル以外に、地方他地区の馬が参戦しにくい番組上の問題が横たわっているのである。

    ただしJBC2歳優駿創設を受け、大井は10月6日に「JBC2歳優駿チャレンジ」という1800m戦を組んだ。ここの出走馬は最終的に遠征しなかったが、結果次第で検討していた馬はいたという話は聞いたし、別にカイカセンゲンが実際に遠征(11着)したことからも、番組を作ったことで関係者の意識を変えたことは間違いないだろう。

    つまりJBC2歳優駿の発展には、それより前の時期に長い距離を使える番組を、全国的に用意することが必要ではないか。今回の大井のように既存の重賞競走とは別に長い距離の競走を用意すれば、翌春の地元のダービーに向けた路線の多様化というメリットもあるので、JBC2歳優駿の発展に協力するだけという意味にもならない。また馬資源の関係でそれが難しいなら、地区交流戦の導入や距離限定で古馬編入(注)させるという選択肢もある。それらが噛み合った先にJBC2歳優駿のステイタス向上だけでなく、地方競馬全体のレベルアップも果たせると、私は考えている。

    (注)極端な斤量差をつけないとレースが成立しない恐れがある力量差がある場合、その馬に過度な負担を与えてしまう。しかし2歳馬なら古馬と一緒に走らせることで、その負担を与えずに済むため、今も一部の主催者で2歳馬の古馬編入ルールがある。実際に古馬相手に走る2歳馬はほとんど見られなくなっているが、近年でも2018年12月11日の笠松競馬で、2歳馬のリードメロディーが古馬B級1組特別に出走(3着)したケースがある。

    ・タイムテーブルが悩ましい、昼開催時のJBC

    ところで来年2021年、JBC2歳優駿を除く統一GⅠ3競走は金沢競馬場で行われるが、ここはナイターを行っていない競馬場だ。今年の大井のようにナイター開催場であれば、3競走の合間にJBC2歳優駿を組み込むことも容易だったが、昼開催時はJBC2歳優駿をどのタイミングで組むのが良いのだろうか

    前回金沢競馬場でJBCを開催した2013年は、最終競走の発走時刻が16時25分。当時は地元の重賞を最終レースとしたが、ここをJBCクラシックにすることは可能だろう。これを基準として前後を考えると、今年と同様にJBC2歳優駿をJBCクラシックの前に行うとなれば、開幕戦になるJBCレディスクラシックの発走時刻は14時過ぎか。14時台前半で行われたことは過去にもあるが、もう少し何とかならないかという感覚もある。

    そこでJBC2歳優駿を、JBCクラシックの後に行うという選択肢が出てくる。これならJBCレディスクラシックを15時近くまで遅くできるし、つなげるとすれば、その発走時刻は17時頃。これでも金沢競馬場に東京や大阪から来た人はその日のうちに帰れるので、魅力的なスケジュールに映る。

    その際に気になるのは、門別単独のタイムテーブルが、JBC2歳優駿の前に2時間以上もレースが行われない空白が生まれることだ。今年でも1時間45分の間隔があったが、これだけの時間があればゲリラ豪雨のような極端なものでなくとも、天候の変化によって馬場状態が直前の競走と激変する可能性が十分ある。そういった変化がファンに情報としては伝わっても、視覚的に理解できるとは限らない。どうしても統一GⅠに意識が集中する時間帯に、門別の状況をどうやって伝えるかは、絶えず課題になるような気がしている。

    ・いつか見たい、門別単独開催

    なおJBC2歳優駿は“当面の間”門別で固定するとなっており、将来は他場で開催する可能性に含みを持たせている。ただこの競走に関しては、個人的には持ち回りにしてほしくない。それは開催場によっては既に統一GⅠとして行われている、全日本2歳優駿と条件が重なる可能性もあるから。JBC2歳優駿のステイタス向上の代償として、全日本2歳優駿の価値を毀損する必要はなく、そのためには門別1800mという条件を維持することが肝要と考えているからだ。

    むしろ私は、いつかJBCの全4カテゴリーが門別競馬場で集中開催される日が来ることを望んでいる。国内最大の馬産地である日高地方にある門別で行われることは、JBCの理念を具現化するうえで、最もふさわしい舞台のはずだ。もちろんその場合、ホッカイドウ競馬にとって特別な1戦である道営記念をどうするかという問題はある。それでも北の大地に日本の頂点を争う特別な1日が訪れることを、私を含む多くの人たちが待っていると思っている。


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