主役は譲れない! 新コンビに導かれ、ダノンレジェンド6馬身差の圧勝-「クラスターカップ」戦評
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主役は譲れない! 新コンビに導かれ、ダノンレジェンド6馬身差の圧勝-「クラスターカップ」戦評

2015-08-23 23:00

    <レース概況>

    スタートは外枠勢の良さが目立ったが、内枠から押して出たサマリーズが外枠勢を抑えて先頭に立つ。前走出遅れたダノンレジェンドはまずまずのスタートから、二の脚がついて外から2番手に。さらに外からエーシンビートロンラブバレットも追走し、ルベーゼドランジェポアゾンブラックも差のない位置から追走。ここまでが先行集団で、後続はこの段階で水をあけられる形なった。

    短距離戦にしては、道中の先行勢はゆったりした走り。先行勢は最後の直線に向けてゴーサインを出すタイミングを窺っていたが、ダノンレジェンドは抜群の手応えで、仕掛けるまでもなく逃げるサマリーズを4コーナー手前で交わして先頭に立とうとする。この抜群の手応えに他の先行勢もゴーサインを出すが、ルベーゼドランジェはここで後退。代わって後方にいたジョーメテオが、先行集団に追いつくところまで追い上げてきた。

    だが最後の直線に向くと、先頭に立ったダノンレジェンドはここでゴーサインを出して後続を一気に引き離す。その勢いを保ったまま、最終的に2着に6馬身差をつけ、前走北海道スプリントC敗戦を払拭する圧勝劇を飾った。2着争いは先行集団の内々で我慢していたポアゾンブラックが坂を上がったところで抜け出し、2着を確保。さらに4馬身差離された3着には、粘るサマリーズをゴール前で交わしたラブバレットが入っている。

    <各馬の戦評>

    勝ったダノンレジェンドは、非の打ちどころのないレースぶり。あっさり2番手につけて、4コーナー手前で馬なりのまま逃げ馬を交わすのだから、他馬はひとたまりもない。2着に6馬身差という圧勝はスプリント重賞としては珍しいが、初の統一グレードタイトルとなったカペラSでも2着に5馬身差をつけているように、まともに走れば千切ってしまうだけの力がある馬と考えていいだろう。
    この勝利でJBCスプリントまで、スプリント路線の中心に位置することが確定したと言えるが、それを持って勝ち続けることが出来るかどうかは別問題。未対決の新興勢力が台頭するケースも考えられるし、東京スプリントは当日の馬場状態が強く影響していただけに、このレースの敗戦組は巻き返せる可能性を持つ馬はいるだろう。

    2着のポアゾンブラックは、今まで逃げ粘る競馬で結果を出していた印象があっただけに、前走のグランシャリオ門別スプリント同様、好位から抜け出す競馬で結果を出したことに驚かされた。立て直しただけでなく、脚質転換まで成功したのなら、今後の活躍も保障されたと言えそうだが、それでも今回の6馬身差は絶望的な差。これをスプリント戦で逆転するには、相当なことがないと厳しいかもしれない。それでも3着争いに4馬身差をつけたように、いずれ統一グレードタイトル獲得のチャンスはあるだろう。なお関係者からマイルチャンピオンシップ南部杯を意識する発言があったが、ここでもメンバー次第では昨年以上のチャンスもあるのではないだろうか。

    3着争いを制したラブバレットは、外枠からスムーズに流れに乗れたとはいえ大健闘といえる走り。予想の際にも触れたように、盛岡開催では地方生え抜きがほとんど通用しておらず、馬券の対象となったのはこれが3頭目(あとはラブミーチャンに、第4回で3着のバンチャンプ)。そんな中央勢優位の舞台で結果を出したことは大きく、しかも3歳時をほぼ棒に振っている4歳馬で成長の余地を感じるだけに、こちらも統一グレード級での活躍を期待せずにはいられない。ただ目先を考えると、岩手所属なだけに目先の目標をどこに置くのか悩ましい。舞台としては4着と健闘したさきたま杯と同じオーバルスプリントが魅力的だし、そこに向かいたいと示唆する発言もあったようだが、マイルチャンピオンシップ南部杯でその雄姿を見たい気持ちもある。

    連覇を狙ったサマリーズは楽に逃げられたものの、早目にダノンレジェンドに来られてしまい、結局4着。ダノンレジェンドが強すぎた影響を一番受けたといえる結果で、同馬不在であれば2着はあったか。展開に左右されるとはいえ、すんなり逃げられれば勝てるだけのスピードがあることは示した1戦だった。

    ただ1頭後方から追い上げたジョーメテオは、3着争いを追い詰めるところまでは来たが、交わすまでに至らず5着止まり。序盤の位置取りが後方過ぎたし、仕掛けるタイミングも早目だったために、差しというよりまくりに近い追い上げ方。最後の直線で伸び切れなかったのは、その辺りにも原因があると思うが、統一グレードにおける1200m戦は少し短いというのが改めて示されたと言えそうだ。

    実績馬のエーシンビートロンは好位から伸びきれず、6着に終わったが、取り消しを挟んだ休み明けという事もあったか、精彩を欠いた走り。この1戦で動きが変わってくればまだ見切れないが、年齢的な衰えを意識する必要もあるか。どちらにしても次走の走りは注目してほしい。

    最後に注目していたデュアルスウォードにも触れると、先行集団から離された後方グループの先頭に位置していたが、徐々に後退して12着。転入後、1戦ごとに馬体が絞れて動きが良くなっていたとはいえ、当日の468キロはさすがに減り過ぎの感があった。馬体の回復による立て直しが求められそうだ。

    <ダノンレジェンドの乗り替り。私はこう見る>

    ダノンレジェンドが今回、丸田恭介騎手からミルコ・デムーロ騎手にスイッチしたことに対し、私は“背水の陣”という言葉を用いた。これは個人的に、筋の通った乗り替りだったのか、理解に苦しむが故に使った言葉でもある。

    というのも戦歴上、大目標であるJBCスプリントまで、使えたいレースを使えないということは考えられない。とするならば、北海道スプリントC敗戦の次走に前哨戦である東京盃であれば、万全を期す意味でスイッチすることは筋が通る。だがクラスターCはそこまで位置づけられる競走ではない。ここを使うのなら、もう1戦同じコンビで行く方が勝っているというのが私の考えだ。

    結果的に今回制したとはいえ、スイッチした今回に敗れていたら、関係者に次なる手段があったのかという想いもある。その意味でスッキリしないところはあるし、勝ったことで次走に予定されている東京盃も負けられない1戦になった。そんなプレッシャーを関係者自身でかけてしまった事に、気が付いているのだろうか。

    (詳細なレース結果は地方競馬全国協会のオフィシャルサイト等で確認してください)


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