4歳世代の1-2で世代交代を宣言! 勝ったモーニンはデビュー7戦目での古馬統一GⅠ制覇の偉業-「フェブラリーステークス」戦評
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4歳世代の1-2で世代交代を宣言! 勝ったモーニンはデビュー7戦目での古馬統一GⅠ制覇の偉業-「フェブラリーステークス」戦評

2016-02-23 18:00

    <レース概況>

    横一線のきれいなスタートから、いち早くコーリンベリーが抜け出し、そのまま先頭を奪う。これに乗る形で外からモンドクラッセスーザンジョイ、さらにタガノトネールも接近し、先行集団を形成する。コパノリッキーも五分のスタートを切ったが、ダートコースに入ってから勢いが付かず、先行集団の後位から。同じ位置にはロワジャルダンモーニンベストウォーリアらがつけ、その後位に付けたホワイトフーガなどを含め、6馬身ほどの集団に10頭以上がひしめく団子状態に。このグループから3馬身ほど離れた先頭にノンコノユメがつけ、ローマンレジェンドらとともに後方からレースを進めた。

    コーリンベリーの逃げは前半800mが46.1秒。しかし時計の速い馬場もあって、このラップでも後続勢は、ほとんど振るい落とされずについていく。大ケヤキの辺りでは順位を上げていくような馬はいなかったものの、コパノリッキーは内々で徐々に位置取りを下げていき、またノンコノユメは早くも鞍上の手が激しく動き出していた。ただしどの馬も勝負は直線に入ってからと、力を溜めながら4コーナーを迎えることになった。

    直線に向くと逃げたコーリンベリーが失速し、代わって4コーナーを3番手で回ったタガノトネールが、残り400m付近で先頭に立つ。これを目がけて後続勢もスパートをかけるが、最初に襲い掛かったのが、タガノトネールの直後でレースを進めていたモーニン。力強く前との差を詰めていくと、残り200m付近でタガノトネールを交わすと、その勢いで後続との差も一気に広げていった。結局その勢いのまま、モーニンコースレコードとなる1分34秒0のタイムでゴール板を駆け抜けた。

    2着争いは激しくなり、モーニンの外から迫ったロワジャルダンが1度は2番手に上がったが、ゴール直前で追い込み勢が強襲して形勢が一変。結局後方であえいでいたノンコノユメが大外から伸びて、一緒に伸びた3着アスカノロマンをゴール寸前でアタマ差交わして2着を確保。3連覇を狙ったコパノリッキーは、最後の直線でも伸び脚がなく、結局7着に終わっている。

    <各馬の戦評>

    1戦ごとに成長を感じさせる走りを見せていたとはいえ、モーニンがここまで強い競馬で勝つとは思わなかった。速い流れを余裕十分に追走すると、最後の直線で力強く抜け出し、早々と勝利を確定させる走り。これまで古馬統一GⅠ制覇までの最少キャリアは、アドマイヤドン(2002年JBCクラシック)とアジュディミツオー(2004年東京大賞典)のデビュー9戦目だったが、これを2戦短縮した偉業に値する、見事な勝ちっぷりだった。と同時に、予想の上で評価しきれなかった私は、素直に謝るしかない。
    今回の1戦だけで世代交代を果たしたと言うのは危険だが、その先頭に立ったのは間違いないだろう。また今までマイル以下を使って来たが、今回の走りは距離が延びても力を出せると期待させるに十分だった。早ければ帝王賞でチャンピオンディスタンスの頂点に臨むことになるが、その時が今から楽しみである。なおコースレコードとなった勝ちタイムに触れると、前日の降雨の影響もあって超のつく高速馬場。レース前に想定していた範囲内なので、レコードタイムという事実だけは、過度に評価しない方が良いだろう。

    2着に敗れたノンコノユメは、評価に迷う走りだった。確かに最後の直線は上がり3ハロン34.7秒の爆発的な脚で追い込んで来たものの、後方で追走に苦労する姿は前走のチャンピオンズCと変わらず。鞍上のクリストフ・ルメール騎手はレース間隔が開いたことをその理由としていたが、もしかしたら逃げ馬が残るような、ゆったりした流れを好む追い込み馬かもしれない。ただ武蔵野Sを勝った時と比較すると、走破タイムも上がり3ハロンも0.5秒詰めている。力を出せなかったとは言えないので、取りあえず今回は勝ったモーニンが強すぎたという形にしておきたい。

    3着には集団の後方から直線鋭く伸びたアスカノロマンが飛び込んできた。速い流れとなるマイル戦に対応できないと見ていただけに、今回のレースで1番驚かされた馬はこの馬だ。確かに高速戦になるとタフな競馬になり、実際の適性距離より短い距離でも対応できるケースはあるが、それでもあわやの場面を作ったのは今の充実ぶりを示したと言える。振り返れば昨年のダイオライト記念3着の時に楽しみな馬が出て来たと記したが、マイル戦でこれだけ走れれば、2000m級の舞台ではより楽しみ。上位2頭は現時点では2000m級に未知数なだけに、そこで力関係が逆転する可能性も秘めているのではないだろうか。

    この2着争いにはベストウォーリアとロワジャルダンも加わったが、どちらも戦いぶりが気になった。4着のベストウォーリアは、今までの先行する競馬ではマイル戦だと最後に詰めが甘くなっていた。そこで中団から末を活かす形を取ったと思われるが、最後まで甘くなることなく伸びていた点は良かったと思う。それでもノンコノユメらと比べると、切れ負けすることが見えた1戦。今後は早目に動く競馬でも最後まで甘くならない、マイル未満を主戦場にする手もあるだろう。

    逆に5着のロワジャルダンは、みやこSを制した時の直線勝負ではなく、東海Sで伸びあぐねた時と同じ前々での競馬。結果的に切れ味を削ぐ形になり、追い込み勢に喰われてしまった。この競馬を続けた上で結果を出せば成長と言えるが、まだ戦い方を変えようとするのは早いように感じてしまう。それでも初体験のマイル戦でこれだけ走れたのは、健闘ではあるのだが。

    さて、7着に終わった3連覇を狙ったコパノリッキーは、課題のスタートを決めてダートコースに入った時点では3番手。これならスムーズに流れに乗れると見ていたが、ここから徐々に位置取りを下げてしまった。意外と言える走りになった原因は、過去2年に制した時(前半800mが48.0秒と46.9秒)より速い流れに対応できなかったためか。しかも自身より前で競馬を進めたモーニンが制したことを考えれば、力負けでもある。ベストと言えるマイル戦でこの内容に終わったことで、今まで以上に勝負できる形が狭まったと言えそうだ。

    あと2頭のJBCチャンピオンにも触れておくと、ホワイトフーガは集団の後ろから伸びずに10着。流れ自体は向いたと言える中で伸びなかったのは、速さ負けと考えていいだろう。ただし、牡馬相手の統一グレードは今回初出走。今回の結果を糧にパワーアップして、雪辱する機会を待ちたい存在。もちろん、牝馬路線はこの馬が主役となって回るシーズンとなることは、間違いないだろう。

    逃げて15着に終わったコーリンベリーは、1200mの通過タイムはJBCスプリントを制した時よりも速かった。この走りを見れば、スプリント路線で中核を担う走りを今シーズンも見せてくれるだろう。今年のJBCスプリントは川崎の1400m戦だが、自身はこの距離でも結果を残しているだけに、動向を追いかけ続けたいと思う。

    (詳細なレース結果は日本中央競馬会のオフィシャルサイト等で確認してください)

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    JRA主催のダート統一グレード競走は、今後も統一GⅠのみ戦評記事を掲載します。


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