【声劇用台本】ARMORED CORE for ANSWER~狂人革命家後編【6:2:1】
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【声劇用台本】ARMORED CORE for ANSWER~狂人革命家後編【6:2:1】

2014-06-03 15:52

    ~注意点~
    この台本はFROMSOFTWARE様のPS3用ゲームタイトル「アーマードコア4」「アーマードコア・フォーアンサー」を題材に声劇用にアレンジした台本です。実際のストーリーと異なる点やネタバレが大いに含まれます。以上を踏まえた上でお楽しみください。なお、他シリーズ台本とは時系列やその出来事に於いて直接的な繋がりはありません。それぞれ独立したストーリーとして解釈してください。
    ※大まかな世界観やストーリーの詳細についてはwikiを見ていただくと詳しく書いてあると思いますので、そちらを参考にしてください。「ACfA」「AC4」などで検索できると思います。


    ARMORED CORE for ANSWER~狂人革命家後編

    ~登場人物~

    (♂6:♀2:不問1)
    ♂オールドキング:四十代。常に落ち着いた物腰だが節々に狂気を帯びたベテランリンクス。搭乗するネクスト機は"リザ"

    ♂マクシミリアン・テルミドール:三十代。熱っぽい扇動家、諦観者、ロマンチストなどと評されるORCA旅団長。その辛辣とも流麗とも取れる語り口調は革命家を思わせる。機体は「アンサング」、"称えられない者"の意。

    ♂メルツェル:二十代。ORCA(オルカ)旅団の若き参謀。クールで冷静に物事を判断する。ネクストはチェスの定跡を意味する「オープニング」

    ♀ジュリアス・エメリー:三十代。ORCA(オルカ)旅団創設時の5人の内の一人。ORCA唯一の女性であり、冷静沈着で腕も一流。

    ♀セレン・ヘイズ:四十代。アスイの専属オペレーター。いつも冷静でリンクス戦争を経験した元リンクス。その腕は一流で、今でもひよっ子のリンクスには厳しい。以前自身が操っていたネクスト機は桜を意味する"シリエジオ"

    ♂ダリオ・エンピオ:三十代。野心家で陰のあるしゃべり方をするローゼンタール社ナンバー2。ジェラルドを一方的にライバル視している。 使用する機体は"トラセンド"

    ♂ジェラルド・ジェンドリン:三十代。リンクス戦争で優秀な戦果を挙げたレオハルトの後継人。ノブリス・オブリージュも彼から受け継いだ機体。企業の求める人材の中で最も理想的な人格と言われているローゼンタール社の看板リンクス。

    ♂ローディー:五十代。重量機を駆る古参リンクス。リンクスの指標を表すAMS適正こそ低いが、経験とテクニックで補い、今やGA社の最高戦力とまで言われている実力派リンクス。年長者として良きまとめ役のような落ち着いた性格も兼ね備えている。

    ♂アスイ:十代半ば。後半で豹変する演じ分けの難しいキャラクターといえる。アスイのネクスト機"ストレイド"はグレーだが、覚醒後のネクスト機"ジエンド"のカラーリングは赤に代わる。

    Nナレーション:空気の淀みすら表現しましょう


    ~簡易配役表~

    ♂オールドキング:
    ♂テルミドール:
    ♂メルツェル:
    ♀ジュリアス:
    ♂アスイ:
    ♀セレン:
    ♂ジェラルド:
    ♂ダリオ+ローディー:
    Nナレーション:


    ~本編~

    ---BGM Welcome to the Earth

    ローディー
    「所属不明部隊の活動が頻発しているようだ。やつら、何が目的なのかわからんが、上等な フレームのネクスト、優秀な戦闘能力。凡人の集まりでないことは確かだ。」

    ジェラルド
    「何者にせよ、オーメルグループは彼らを生かしておくつもりはない。オッツダルヴァの行方がわからない今、我々ローゼンタールが奴らを始末するしか無いな。」

    ローディー
    「ふむ、不在の者の穴埋めをしている暇はない。現状の戦力でこれに当たる他ないということか。それで対応できるやつらならいいのだがな。」

    ---間

    テルミドール
    「マクシミリアン・テルミドールだ。クローズプランを開始。主要アルテリア施設に対し、ネクストによる同時攻撃をかける。ジュリアス、君には、アルテリア・カーパルスへ向かってほしい。施設防衛の要、ノブリス・オブリージュを撃破してくれ。施設には多数の防衛設備、及びノーマルが展開している。ノブリスの到着前にこれを撃破することを薦める。以上だ。最悪の反動勢力、ORCA(オルカ)旅団のお披露目だ。諸君、派手に行こう。」

    ナレーション
    「海上アルテリア施設カーパルスにて。 ジュリアス・エメリーの駆るネクスト、アステリズムによって、防衛部隊は壊滅状態にあった。」

    ---間

    ジュリアス
    「こいつで防衛部隊は最後か・・・」

    ---BGM Cosmos

    ジェラルド
    「作戦領域に到着。これは・・・防衛部隊が全滅・・・ 20秒足らずでか・・・!?こちらローゼンタール戦術部隊ノブリス・オブリージュ、青いイレギュラーを排除する。」

    アスイ
    「こちらストレイド。リンクス、アスイだ。同じく作戦行動を開始する!」

    ジェラルド
    「カラードの傭兵か。赤いネクスト、協力を感謝する。」

    セレン
    「オペレーター。セレン・ヘイズだ。ミッション開始。覚悟はいいな。アスイ。」

    アスイ
    「覚悟・・・?カラード以外に僕の居場所はない。今更"覚悟はいいな"なんて聞くのかい?」

    セレン
    「ふっ、そうだな。敵はネクスト一機。こちらは二機だ。確実に仕留めろ。」

    ジュリアス
    「たった二機か・・・警告はしたはずだが、侮られたものだな、私とアステリズムも。」

    アスイ
    「二対一だぞ…?動じないのか…只者じゃないな…」

    ジェラルド
    「おい、そこのイレギュラー。空き巣とは、なんとも情けない。匪賊には、誇りもないのか?生き易いものだな、羨ましいよ。」

    ナレーション
    「ジェラルド・ジェンドリンのノブリスオブリージュ、アスイのストレイド、ネクスト二機を相手でも、全く怯む様子を見せず、むしろ圧倒するジュリアス・エメリー。その機体の名はアステリズム、星の輝きを意味する。永遠の輝きを名乗る、ジュリアス・エメリーの実力は、リンクス戦争で活躍した二人の戦士の一人、ジョシュア・オブライエンと同等の戦闘力を誇るという。」

    ジェラルド
    「ネクスト一機で何をする気だ…大胆に過ぎたな、イレギュラー!」

    ジュリアス
    「フッ、ローゼンタールの飼い犬相手なら、私一人で十分よ。」

    セレン
    「待て・・・!敵ネクスト反応。後方か!?」

    ジェラルド
    「なに…増援か!?」

    ジュリアス
    「オールドキングか、お前の担当はどうした?この程度、私一人で十分だと言ったろう。」

    オールドキング
    「メルツェルの指示だ。仕方ないだろう。」

    ジュリアス
    「メルツェルが?馬鹿な、あの男が私の実力を信用していないというのか。」

    オールドキング
    「いや、くれぐれもお前の邪魔をするなと言われている。むしろ信用されていないのは俺のようだ。その二機には手を出さねえよ。」

    ジュリアス
    「どういうことだ。じゃあお前は何をしにきたのだ。」

    ジェラルド
    「二対二か。これ以上敵の増援が到着されては不利だ。・・・仕方がないな。先に一機だけでも落す!加勢頼む、ダリオ・エンピオ。」

    ダリオ
    「・・・ふう、ここぞというタイミングを狙っていたが・・・仕方がないな。ローゼンタール社、ダリオ・エンピオだ。ネクスト、トラセンド始動。予定より早いが作戦を開始、これより僚機を援護する。」

    ジュリアス
    「・・・!?ネクスト反応・・・なるほど、そういうことか。恐ろしい男だ。これを見越していたのか…メルツェルの先見も凄まじい。ではオールドキング。指示通り、あのネクストの相手を頼む。」

    セレン
    「来るぞ、混戦になる、敵の識別をしっかりしておけ。傭兵が誤射なんてしてみろ、洒落にならんぞ。」

    ジェラルド
    「ノブリス・オブリージュの力、思い知れ!」

    ジュリアス
    「おっと…ふっ、三連装のハイレーザー。強力だがお前には過ぎた代物だ。やはりその機体、私が受け継ぐべきだった…」

    ジェラルド
    「なに!?うっ、速い…このノブリス・オブリージュが…圧倒…されているだと!?」

    ナレーション
    「ORCA(オルカ)勢力のネクスト二機と、企業側のネクスト三機の戦闘は激化していく。圧倒しているとは言え、数的には不利なジュリアスも、徐々にダメージを蓄積していく。やがて…戦況は動いた。」

    ---BGM Remember

    ジェラルド
    「…緊急入電!?なっ、アルテリア・ウルナ他、主要アルテリア施設が同時攻撃をうけているだと!?……はっ、しまった!見失った!?どこだ…」

    アスイ
    「上だ、ジェラルド!」

    ジュリアス
    「遅すぎる!」

    ジェラルド
    「がっ!ぐはあっ!」

    ジュリアス
    「リンクス養成施設以来か…鈍ったものだな、ジェラルド・ジェンドリン。」

    ジェラルド
    「・・・!?その声は・・・!まさか…なぜ君が・・・ジュリアス・エメリー・・・」

    セレン
    「ノブリス・オブリージュ、急に動きが悪くなったな。どういうことだ?」

    ジュリアス
    「レオハルトの後継として役割を果たしているつもりか。だが彼には程遠い。レオハルトの眼も節穴と見える。・・・そこだ!」

    ジェラルド
    「ぐぅ!くっ・・・ローゼンタールの英雄たる彼を・・・侮辱することは・・・・・・いくら君でも許せない!」

    ジュリアス
    「ふん、そういう忠誠の姿勢と正義感を買われたのか。ローゼンタールは昔から象徴だのバランスだの、くだらないことにこだわるものだ。」

    ジェラルド
    「黙れ!」

    ジュリアス
    「おっと、怒ったか?君も変わらないな。感情的になるなと、あれほど教えただろう。リンクス・・・失格だっ!」

    ジェラルド
    「ぐあっ!何だ・・・装甲が一瞬でこんなに・・・」

    セレン
    「ハイレーザーだ!注意しろ!」

    ジュリアス
    「結局お前はあの頃から何も変わっていない…いや…あの頃より弱くなったのか…」

    ジェラルド
    「くっ…君は…どうしてこんなことをして…」

    ジュリアス
    「ふん、今のお前がその理由を物語っているではないか。」

    ジェラルド
    「なに!?」

    ジュリアス
    「私はひたすら強くあろうとした。そのためにネクストは必要だった。」

    ジェラルド
    「だが、その力はこんなことのために使う力ではないはずだ!」

    ジュリアス
    「何を勘違いしている?私が強くあろうとしたのは、企業をこの手で葬るため。父を道具として利用し、殺したも同然の企業を…!」

    ジェラルド
    「愚かな…。そんな企み…私が止めてみせる!」

    ジュリアス
    「ぐっ!少しはやるな…だが、あの時の力の差は依然、開いたままのようだな。」

    ジェラルド
    「なっ!速い…まだ加速するのか!?」

    ジュリアス
    「当たらない…」

    ジェラルド
    「がはっ!機体ダメージ・・・負荷限界・・・突破だと!?まだだ!・・・まだ・・・!私は勤めを果たしていな・・・ぐあっ!」

    ---搭乗部に火災

    ジェラルド
    「ジュリアス、考えなおすんだ。私と君で…秩序を…守るんだ…!今ならまだ…」

    ジュリアス
    「ジェラルド・ジェンドリン。諦めろ。既に私たちの歩む道は・・・違えている。」

    ジェラルド
    「言ってもだめか・・・ならば・・・その道を正すまでだ!」

    ジュリアス
    「やってみるがいい。」

    ジェラルド
    「はあ!」

    オールドキング
    「おっと!」

    ジェラルド
    「ぐあああ!…くっ…貴様…いつの間に…」

    ジュリアス
    「オールドキング!…余計な手出しを…!」

    オールドキング
    「あんまり物足りなさ過ぎて、思わず欲張っちまった…悪いな。」

    ダリオ
    「なんだと…!」

    ジェラルド
    「…し、信じられん・・・ノブリス・オブリージュがこうまで抑えられんとは・・・」

    セレン
    「ノブリス・オブリージュ、戦闘不能。馬鹿な・・・ローゼンタールの主力だぞ・・・?こんなにあっさりと・・・やつら・・・何者だ・・・」

    ダリオ
    「へっ・・・やはり敗れたか、ジェラルド・ジェンドリン。『貴族の務め』など、大層な御託の割りに・・・ククク。ノブリス・オブリージュを継ぐのは俺が最適だったのだ。ローゼンタールも人選を見誤ったな。まあいい、俺が尻拭いをしてやるとするか。」

    ジュリアス
    「次はお前だ、傭兵。」

    アスイ
    「こい!ジェラルドの仇を取ってやる!」

    ダリオ
    「おい、傭兵。あんたらでも名声は大事だろう?あんまり早々にやられてくれるなよ。」

    ジュリアス
    「こっちが先に終わってしまうぞ、オールドキング。」

    オールドキング
    「ふん・・・」

    ダリオ
    「ちょいと出世の踏み台にさせてもらうぜ。テロリスト共。」

    アスイ
    「気をつけろ!こいつら、その辺のネクストとは訳が違う・・・」

    ダリオ
    「ふん、所詮は愚者の群れだろうが。」

    ジュリアス
    「その男を甘く見ないほうがいいぞ。トラセンド。」

    ダリオ
    「ぐっ!なに!?機体に深刻なダメージだと・・・いつの間にプライマルアーマーが削られて・・・おい赤いの、援護しろ!」

    アスイ
    「こっちも手一杯だよ!こいつら、強すぎる・・・!そっちは任せた!」

    セレン
    「そういうことだ。自分の身は自分で守れ。ダリオ・エンピオ。」

    ダリオ
    「チィ・・・いい加点になると思ったが・・・間違いだったな。これほどとは・・・」

    ジュリアス
    「ローゼンタールも落ちたものだ。この程度がトップランクとは・・・。」

    アスイ
    「くそっ!当たらない!」

    オールドキング
    「これじゃあ俺一人でよかったなあ。殺すなら一人でも多くってな。」

    ジュリアス
    「・・・はあ・・・」

    オールドキング
    「ふっふっふ。」

    ダリオ
    「ぐっ、強い。これがイレギュラーだと!?カラードのトップランカーにも匹敵する・・・いや、それ以上か!?」

    オールドキング
    「さあ、どうした。難しいことじゃない。お前か俺、どちらかが死ぬ。わかりやすいだろう?」

    ダリオ
    「ちょこまかと・・・!」

    アスイ
    「やめろ、ダリオ、攻めすぎだ。プライマルアーマーの回復を待て!」

    ダリオ
    「うるさい黙れ!傭兵如きがローゼンタールのリンクスである俺に指図するんじゃねえ!こんなやつ…トラセンドの敵ではないはずなんだ…!こんなテロリスト風情が…!」

    アスイ
    「おい!落ち着け!」

    ジュリアス
    「…言っても無駄さ。彼らはプライドに生かされ、プライドに殺される。そういう生き物だ。それよりも自分の心配をしたらどうだ?」

    ダリオ
    「ちっ…どこへ消えた…!?…そこか!」

    ---オールドキングの動かしたノーマルの残骸に気を取られる

    オールドキング

    「そこじゃねえ…よっ!」

    ダリオ
    「ぐはあ!き、機体ダメージ・・・限界・・・こ、こんなところで・・・。貴様らを・・・倒せば・・・俺が・・・俺がローゼンタールのトップに・・・ジェラルドを超え・・・」

    ---機体大破

    セレン
    「・・・トラセンド大破!使えん男だ。大口を叩いておきながらあの程度とは・・・敵ネクスト反応、更に接近。これまでだな、引き上げるぞ。」

    アスイ
    「なんだって!?このまま引き下がれるか!!奴ら全員僕が倒してみせる!!」

    セレン
    「何を勘違いしている。戦うことが目的の任務ではない。」

    アスイ
    「それじゃあ何のためのネクストだよ!」

    セレン
    「戦いに飲まれるな…もう一度言う、引き上げろ。」

    アスイ
    「ちっ…くそぉ!」

    ---BGM 終

    ナレーション
    「7月。多くにとって、突然にそれは起こった。ORCAの名でマクシミリアン・テルミドールから、声明があった。」

    ---BGM Welcome to the Earth

    テルミドール
    「私はORCA旅団を率いる、マクシミリアン・テルミドールだ。一部の人間は高度7000メートル上空のクレイドルで、清浄な空気を満喫し、一部の人間は地上で汚染された空気に咽ている。このクレイドルを維持させるために、大地の汚染はさらに深刻化し、やがて、清浄な空さえも侵食し始めるだろう。いや、すでに侵食し始めている。クレイドルは、矛盾を抱えた延命装置だ。このままでは、人は活力を失い、諦観の内に壊死するだろう。これは扇動だが、同時に事実だ。To Nobles welcome to the earth!(トゥー ノーブルズ ウェルカム トゥー ジ アース!)」

    ナレーション
    「それは、全ての空へ住む人々への明確な宣戦布告であった。」

    ---BGM 終

    テルミドール
    「諸君、よくやってくれた。これより計画は次のステップへと移行する。衛星軌道掃射砲、エーレンベルクの制圧とその死守だ。おそらく今までにない激戦となるだろう。ここは銀翁の月輪に指揮を任せ、大部隊を編成する。残りは、カラード側による、各アルテリア施設の奪還を阻止する者とする。特に最大のアルテリア施設、クラニアムについては、私と真改が受け持つ。それから・・・」

    ジュリアス
    「・・・テルミドール。彼の姿が見当たらないが・・・」

    テルミドール
    「・・・オールドキングか。全く、困ったやつだ。」

    メルツェル
    「そういえばあの男、お前が目をつけていた例の首輪付き、たいそう気に入ったような様子だったが…まさか…」

    テルミドール
    「なんだと!?やつめ、何を考えている…。オールドキングより先に彼に接触するぞ。何を吹き込むかわからん。メルツェル、早速カラードに手を回してくれ。」

    メルツェル
    「いいだろう。しかし、テルミドール、随分とあの首輪付きを気に入っているようだな。戦闘能力は不完全、精神も未熟そのもの…一体どこに目をつけているんだ?」

    テルミドール
    「直にわかるさ。」

    ---間

    ナレーション
    「カラード機構、独立傭兵リンクス管理施設のアスイの自室。」

    ---BGM Interlude

    アスイ
    「僚機二機と防衛部隊を全滅させられ、僕だけ生き残るとはな。敵はたった二機だったというのに・・・」

    ナレーション
    「そのとき、アスイは、背後に何者かの気配を感じた。」

    オールドキング
    「じゃあ、お前も死ぬか・・・?」

    アスイ
    「・・・」

    ナレーション
    「銃口を向けられても動じないアスイ。不適な笑みを浮かべる男が何者なのか、アスイにはわからない。」

    アスイ
    「何のつもりだ、貴様何者だ。」

    オールドキング
    「思ったよりも若い・・・。ふふ、それにしてもこの状況で動じないとはな。その歳でかなりの修羅場を経験しているようだな。カラードの首輪付き・・・なかなかどうして、面白い男じゃあないか。」

    アスイ
    「どうやってここまで進入した。」

    オールドキング
    「"ざる"なんだよ、カラードの警備システムなんざ。まぁ、そんなことはどうでもいい。実はな、少しばかりお前に興味がある。」

    アスイ
    「何?」

    オールドキング
    「お前は今までにどれだけ人を殺した・・・?」

    アスイ
    「なんだと・・・?」

    オールドキング
    「初めて命を奪ったときのことを覚えているか?殺すたびに熱くなることはないか・・・?楽しいとは・・・思わないか・・・?」

    アスイ
    「僕が・・・殺しを楽しんでいるだと・・・?ふざけてるのか・・・!?」

    オールドキング
    「ふっ・・・テルミドールに聞いたんだが、お前だけリンクスになる前のデータがないんだ。どういうことなんだ?」

    アスイ
    「テルミドールだと!?」

    オールドキング
    「うちの大将さ。元は企業連のお偉いさんらしい。今やトップ企業のオーメル内で情報収集をしていて、ほとんどの情勢については把握しているが、どうもお前さんのことだけわからないそうだ。気になって仕方がないらしい。・・・お前はいったい何者なんだ・・・?」

    アスイ
    「・・・さあな。」

    オールドキング
    「・・・お前がカラードにリンクスとして登録された時期と、インテリオル・ユニオンから、被験者が脱走した時期が妙に期間が近い。そして霞スミカがウィン・D・ファンションを、後継人に見立てた後、行方不明という。そのあと無名の技術士官が、急に実験施設配備となった。まあ、その技術士官も被験者と共に脱走したらしいが・・・。・・・その技術士官の名はセレン・ヘイズ。・・・セレンがスミカ、ヘイズが霞と捉えると、なんとも面白い話になると思わないか?俺は全部何かつながりがある気がしてならないんだ。」

    アスイ
    「・・・!」

    ナレーション
    「突然アスイは近くにあった果物ナイフで、オールドキングに切りかかる。が逆に組み伏せられた。そしてオールドキングは、何かを探すようにアスイの体を調べていく。」

    アスイ
    「何のつもりだ!やめろ!は、離れろ!」

    ナレーション
    「そして首の後ろ、AMSのプラグの近くに、あるマークを見つける。」

    オールドキング
    「ユニオンの実験施設のエンブレム。やはりあの施設は人体実験を行っていたのか。脱走した被験者は・・・お前だな・・・?」

    アスイ
    「この!」

    オールドキング
    「おおっと、へへ。別にそういう趣味があるわけじゃねえ。だが、お前は、俺と同じ臭いがする。・・・まあいい、目的は果たした。いずれまた会うだろう。次は・・・戦場でな。」

    アスイ
    「おい!待っ・・・。・・・テルミドール・・・オーメルで情報収集していた・・・?・・・そうか。生死不明のオーメル幹部オッツダルヴァ。ORCA(オルカ)のマクシミリアン・テルミドール。オッツダルヴァはグルジア語で28の意。7月28日、フランス革命の日に起きた、複数アルテリア施設同時攻撃。全てはその男の・・・革命の、戯曲か・・・!…うっ…なんだ…?軽い頭痛…か?変な感じだ…」

    (間)

    ナレーション
    「数日後。」

    テルミドール
    「リンクス、アスイ。ネクスト、ストレイド。・・・だな?君に会いたいと言ったのは他でもない。君に、我々ORCAの一員になってほしい。」

    アスイ
    「僕に何のメリットがある。」

    メルツェル
    「メリットはない。・・・ただ、我々の敵にインテリオル・ユニオンがある。君はユニオンからの依頼は、あまり受けないようにしているようだ。」

    アスイ
    「その理由は、もう知ってるだろ。」

    メルツェル
    「メリットがないとは言え。断ればデメリットはあるぞ。いずれ君たちの正体はバレてカラードを追われることになる。・・・そうなれば、カラードに君たちの居場所はなくなる。」

    アスイ
    「・・・」

    テルミドール
    「脅すつもりはないが、じっくりと考えて答えを聞かせてくれ。話はそれだけだ・・・。では、我々は失礼する。」

    ---間

    アスイ
    「彼らなら…ユニオンのことを、何か知っているかもしれない…」

    ナレーション

    「その後、彼はテルミドールの誘いを受け、ORCAに加わることを決意した。いずれ訪れる人類の歴史の停止よりも、痛みを伴う前進を選んだのだ。」

    ---間

    テルミドール
    「アルテリアの制圧は順調、彼の活躍のおかげだな。よくやっている。実に見ごたえがある人材だ。引き抜いて正解だったな。」

    メルツェル
    「そうとも言い切れん。彼には謎が多い。今までどおり警戒を怠るべきではない。」

    テルミドール
    「お前が言うならそうしよう。」

    ---間 BGM Intro

    ナレーション
    「ORCA旅団の計画が進む中、アスイの元に、仲介人のセレンを通さずに直接メッセージが届いた。内容はクレイドル03の襲撃依頼。依頼主は、オールドキングであった。」

    オールドキング(メールの内容)
    「よう、首輪付き。オールドキングだ。クレイドル03を襲撃する。付き合わないか?ORCA(オルカ)の連中、温過ぎる。革命など、結局は殺すしかないのさ。だろう?」

    アスイ
    「…クレイドルを襲撃するだと!?馬鹿な・・・クレイドルの住民は…非戦闘員だぞ!?・・・何百万…いや…何千万という人間が一瞬で死ぬことになる…そんな…こと…」

    ---間

    アスイ
    「…うぐ…うあああ!なんだ…頭が…痛い…心臓の…鼓動が早まる…!く…僕の…体が…戦いを…欲している…!?」

    ナレーション
    「震える手でアスイは受諾にサインをする。そして最後の一文字を書き綴る・・・それと同時に体は満たされたかのように震えが止まった。しかし、その後に残ったものは、『受けてしまった・・・』という罪悪感・・・いや、これは、高揚感に似たものがあった。」

    アスイ
    「…壊したい…衝動の赴くままに…この力を振るってみたい…ネクストの力を…」

    ナレーション
    「彼の中で、今何かが動き出していた。そして、月日は依頼された仕事の当日を迎える。この日、アスイは、クレイドルを所属不明機…つまりオールドキングから守るという名目で出撃が許された。もちろん、セレンもそのつもりで望むのであった…」

    ---BGM Remember

    オールドキング
    「来たか、首輪付き。お前は俺と同じ穴の狢だ。必ず来ると思っていたぜ、ふふ。クレイドルを全て落とす。所詮は大量殺人だ。刺激的にやろうぜ・・・」

    セレン
    「クレイドル…あれには二千万程の人民が生活している。急げ!一機も落とされるなよ!」

    アスイ
    「うぐ…また震えが…」

    オールドキング
    「何をしている。迷ってるのか?ほうら、さっさとやらないと俺が全部やっちまうぜ…」

    アスイ
    「うあああああ!」

    セレン
    「っ!?何をしている!!」

    アスイ
    「うるさいよ…いつもいつも防衛任務ばかり…僕は…ネクストは…戦うための道具だ…戦いたいんだ…殺したいんだよ!アハハハハハ!!」

    セレン
    「馬鹿野郎!よせ!何をしているのかわかっているのか!?」

    アスイ
    「はははははは!」

    セレン
    「くそっ!通信を切ったのか!?…くっ…アスイ…お前は…。ただ殺すことだけを覚えさせたか・・・。私の指導不足か・・・。残念だ。もう一緒にやれん・・・。」

    アスイ
    「あれ…?セレン…?…セレン!?」

    オールドキング
    「首輪付き、余所見してないでお前も手伝え。手間をかけさせるなよお前一人に。大勢待ってるんだからなぁ・・・」

    アスイ
    「わ、わかってるよ…あはははは!」

    オールドキング
    「一基落としたか、これで2千万ほど死んだ。」

    アスイ
    「に・・・二千万…二千万だと!?こんな簡単に・・・二千・・・万人も・・・殺・・・した・・・?く…ふふふふ…あははははは!震えが…止まる!」

    オールドキング
    「神話に於いて…」

    アスイ
    「高まる!」

    オールドキング
    「神とは…即ち力だ…」

    アスイ
    「満たされる!」

    オールドキング

    「ふふ、その力に酔いしれろ。そぉら、もういっちょ、四千万。」

    アスイ
    「なかなか落ちない・・・」

    オールドキング
    「甘い・・・クレイドルのエンジンを狙うんだ。」

    アスイ
    「そうか、ここが弱点だな・・・くはははは!」

    ---オールドキングが雰囲気にそぐわないほど陽気な歌を口ずさむ(開始)

    アスイ

    「悲鳴が、一基落とすごとに二千万人の悲鳴が聞こえる・・・!どんな甘美な歌声よりも美しい。」

    オールドキング
    「六千万・・・」

    アスイ
    「絶望のセレナーデだ・・・くははははは!一基落とすごとに奏でて・・・これじゃあまるで・・・」

    オールドキング
    「八千万・・・」

    アスイ
    「これじゃあまるで、ゆりかごじゃなくてオルゴールじゃあないか!」

    ---オールドキング、歌(終わり)

    オールドキング
    「・・・一億!!・・・終わったか。まだまだ腐るほどいるがなぁ。面倒だが、先は長いぜ、相棒。  ・・・ん?おい!」

    アスイ
    「あはははは!ひゃはははは!」

    オールドキング
    「ちっ、ちょっとネジを巻きすぎたか。・・・だが嫌いじゃないぜ。」

    ---間

    ナレーション
    「もはや狂気そのものと化した彼らは、殺戮を繰り返した。オールドキングはアスイに、殺しの魅力を徹底的に刷り込んだ。その目は狂気に満ち、時に悲しげでもあり、時に使命感も帯びていた。そんな彼をアスイは謎に思いながらも殺戮の衝動に、その身を焦がしていく。」

    セレン
    「・・・問題ない・・・」

    ジュリアス
    「…国家解体戦争に参加した、最初期からのリンクス。貴方の協力はうれしいが・・・セレン。我々もすでに、あのリンクス・・・それと貴方の関係。調べは付いている。その上で聞いているのだが・・・本当にいいのか・・・?」

    セレン
    「・・・ああ。子を叱るのは・・・親の役目だ・・・聞き分けのない子には…灸をすえる。それも…ドギツイのを…な。」

    ---BGM Scorcher

    オールドキング
    「よう、首輪付き。やはりお前もきたか。ふん、そうだろうな。ま、俺は殺しができればなんでもいいがな。・・・ふふふ。」

    アスイ
    「どう考えてもおかしいだろう。この任務の意味を理解してないのか?オールドキング。」

    オールドキング
    「わかっているさ。だから言っているだろう?殺しができれば何でもいいって。ま、少ない人数だが、大物であることは間違いない。」

    アスイ
    「・・・?」

    オールドキング
    「・・・なんだ。理解していないのはお前のほうじゃないのか、首輪付き?・・・ほら、来たぜ。」

    ジュリアス
    「だまして悪いがお前達にはここで果てていただく。理由はわかっているな。」

    ローディー
    「まあ、そういうことだ。どうせ、確信犯なんだろう。話しても仕方がない。」

    テルミドール
    「所詮は獣だ。人の言葉も解さんだろう。」

    ---間

    オールドキング
    「ふっふっふ。戦争屋風情が偉そうに、選んで殺すのがそんなに上等かね。」

    ジュリアス
    「殺しすぎる。お前らは・・・。」

    セレン
    「ふざけるなよ、狂人が!」

    ---間

    ナレーション
    「制裁の時は来た。この狂気の化身のような二人を粛清するために選ばれた強者達。ネクスト機5機と2機の戦い。この圧倒的不利な状況にあっても、この二人には、"殺し"という魅力的な行為を行えるシチュエーションでしかない。」

    セレン
    「このシリエジオに再び乗る機会が来るとはな。」

    アスイ
    「っ!セレンか・・・。あんたが出てくるとはな…」

    オールドキング
    「おやおや、レオーネ・メカニカの最高戦力とまで言われた、かの有名な"霞スミカ"様がおいでとはね。"再びリンクスになった"こと、後悔するなよ?」

    テルミドール
    「強がるなよ・・・この数とメンツでは、もはや貴様らではどうにもならん。」

    ローディー
    「だが、殺すには惜しいな・・・若すぎる・・・どうして道を誤ったものか・・・」

    アスイ
    「なに勝った気でいるんだよ。クフフフ・・・ほぉら、一人消えた・・・ぜ!」

    ローディー
    「ぐあああ!」

    セレン
    「これは・・・!」

    ジュリアス
    「コ、コジマキャノン・・・!?」

    テルミドール
    「ローディー!!」

    ローディー
    「コジマだと・・・おのれ外道・・・・・・だめだ、動かん・・・・・・すまんな・・・みんな・・・」

    テルミドール
    「あのローディーが…一瞬で…くっ!…今やつはコジマ粒子を全て使い果たした。プライマルアーマーのない丸裸の今がチャンスだ。」

    オールドキング
    「おっとぉ、そうはさせないぜ。あいつに全部とられてたまるかよ。」

    テルミドール
    「くっ・・・やはり簡単にはやれんか。」

    メルツェル
    「たった2機とはいえ彼らは間違いなく最高クラスのネクスト2機だ。手堅く削っていくほうが無難か。」

    セレン
    「私の見込んだ男なだけはある。皆覚悟してかかれ。」

    ジュリアス
    「言われなくとも・・・っ!…それにしても・・・なんて臭いだ。クイックブーストですれ違うだけで排熱口を伝って血の臭いがする。」

    メルツェル
    「あの真紅の機体色・・・本当にカラーリングなのか・・・?」

    オールドキング
    「さあ、お前の死に様はどんなだ?見せてくれよ・・・」

    テルミドール
    「メルツェルを狙っている・・・援護しろ!」

    メルツェル
    「くっ・・・!狂人め、貴様には、死を持って分からせる他ないようだな。いや、死んでもわかるまい。我々と貴様らのやり方の違いはな・・・」

    オールドキング
    「そりゃそうさ、殺しこそが至高の理論。殺しているんだ・・・殺されもするさ。こいつぁ違えることはできない。」

    セレン
    「ご立派な思想だが、人間にはその考えはいささか受け入れがたいのだよ。」

    アスイ
    「その身に刻めば嫌でも受け入れるさ。」

    ナレーション
    「ジエンドが再び青白い閃光を放った。それはテルミドールのアンサングの装甲を大きく削った。」

    セレン
    「無事か!テルミドール!」

    オールドキング
    「おい、首輪付き、あんまり調子に乗って俺の獲物まで持っていくなよ。」

    テルミドール
    「直撃こそ免れたが、こんなに早く第二射が・・・・・・(何かに気づいたように)まさか・・・」

    メルツェル
    「コジマチャージャー・・・。厄介だな・・・プライマルアーマー貫通力の高い兵器を使うんだ!地道に削っていては話にならん!」

    ジュリアス
    「まずい、以前のやつとは違いすぎる。数的有利が・・・感じられないだと・・・!?」

    アスイ
    「ほらほら、どうした?"正義"の殺戮者さん達よぉ・・・」

    テルミドール
    「獣が・・・一緒にするな。」

    オールドキング
    「何いってやがる。どうせお前たちのやり方でも同じぐらい死人が出るさ。俺が引き金を引いてクレイドルを落とそうが、お前らがアサルトセルをぶっ壊してクレイドルを落とそうが、直接か間接かの違いなだけなんだよ。だったら刺激的なほうがいいだろう?」

    アスイ
    「そうだよ・・・それに、俺の方が殺した数は上だ・・・殺戮とは進化・・・お前たちは俺に劣っているんだよ!アハハハハハ!」

    テルミドール
    「なんだと…何を馬鹿な…」

    ジュリアス
    「テルミドール、はじめに言っただろう。問答は無用だ。」

    テルミドール
    「ふん、私も愚か者だな。獣と解して、まだ言葉を交わそうなどと。無駄なことであるというに。」

    セレン
    「・・・」

    ナレーション
    「テルミドールは、そういうと集中力を急激に高め、オールドキングのリザに猛攻撃をかける。無駄のなく、天才の戦い方で・・・」

    メルツェル
    「アンサングを援護しろ。彼の勢いは流れを変える。」

    オールドキング
    「おっと、もうこんなに装甲が削られているのか。もうちょっと楽しみてぇなぁ・・・」

    アスイ
    「援護する、オールドキング。」

    メルツェル
    「なっ!」

    ナレーション
    「ジエンドが凄まじい速さで、最後尾に位置していたメルツェルの背後を取った。」

    メルツェル
    「こいつ、とんでもないAMS適正を・・・!」

    セレン
    「まさか…こんなことが…常人の成せる業じゃない…あの実験は・・・成功していたのか…?馬鹿な…私が助けたのは…遅かったというのか…!?」

    メルツェル
    「ぐ・・・実験だと?何の話をしているんだ・・・」

    セレン
    「それは・・・」

    アスイ
    「くっ…!うるさい、黙れー!」

    セレン
    「うぐっ・・・」

    メルツェル
    「ア、アサルトアーマー・・・!まずい…このコジマ濃度は!!」

    ナレーション
    「ネクストのコジマ粒子は搭乗者であるリンクスの体をも蝕む。セレンは、国家解体戦争からそのネクストの毒牙にさらされ続けていた。機体よりも、コジマ汚染による肉体のダメージが深刻だった。」

    メルツェル
    「セレン、離れろ!ここは私が・・・」

    アスイ
    「邪魔だあああ!」

    メルツェル
    「ぐうう!耐えろ、オープニング・・・!」

    ナレーション
    「重装甲を誇るメルツェルのオープニングがアスイのコジマキャノンを一身に受ける。しかし、最大チャージ状態のコジマキャノンの前に、オープニングは脆くも崩れ落ちる。」

    メルツェル
    「こんなところで・・・やはり私ではこの程度か・・・」

    テルミドール
    「メルツェル・・・!」

    メルツェル
    「テルミドール…やつらは…我々が最も否定する存在…負けては…ならな…い…」

    テルミドール
    「くっ…任せろ…」

    ナレーション
    「レーダー上から静かにメルツェルの反応が消えるのを確認すると、テルミドールのアンサングはさらに加速する。アンサングはリザを…アステリズム、シリエジオはジエンドを…今や数的有利などなくなった。彼らは純粋に"勝ち"を求めた。だが、そのとき、アステリズムがジエンドのフェイントからの一撃に被弾する。」

    ジュリアス
    「うああっ!」

    テルミドール
    「ジュリアス、大丈夫か!」

    ジュリアス
    「今の被弾で、ガラス破片が目に・・・!」

    テルミドール
    「そうか、こっちはずいぶんと前から腹に破片が刺さったままだ。」

    ジュリアス
    「・・・ふ、ふははは…よく落ち着いてられるなぁ、この状況で・・・よくやるよ・・・貴様、も・・・」

    アスイ
    「とどめだ、クックック・・・死ねぇ!」

    ジュリアス
    「すまんな、テルミドール。もはや・・・共に成就は・・・叶わん。」

    ナレーション
    「アステリズムは搭乗部のあるコアを、ブレードで貫かれた。」

    ジュリアス
    「道は違えど…か…ジェラル…ド…」

    テルミドール
    「見届けたぞジュリアス。もはやORCAは私だけか、なに、タダでは死なんさ。」

    セレン
    「テルミドール、早まるな!」

    ナレーション
    「アンサングは弾の切れたライフルをリザに投げつけた。それを払ったリザの視界からアンサングは姿を消した。」

    オールドキング
    「おぉっと、なんだ?やけになっ………どこだ?」

    テルミドール
    「殺(と)った。」

    ---BGM Thinker

    ナレーション
    「アンサングは水面下にクイックブーストで突っ込み、視界から消えていたのだった。そして、リザの真下からありったけのミサイルを放った。」

    オールドキング
    「ぐはっ!・・・くっ・・・ 機体ダメージ限界・・・か・・・へっ・・・すまねえな相棒。どうやらこのあたりが俺の器らしい・・・良かったぜ、お前とは・・・」

    アスイ
    「らしくないな。最後に自分すらも殺してみせろよ。・・・ああ、そうか、俺が殺してやろう!お前は俺に殺されて・・・」

    オールドキング
    「そいつぁだめだ。俺は”人類”に殺されなければならない。」

    アスイ
    「なに・・・?」

    オールドキング
    「俺もお前も、人類の進化の糧だ。俺達を打ち倒すために人類は結束しなければならない。」

    アスイ
    「な、何だと・・・!?」

    オールドキング
    「お前はここで倒れてはだめなんだよ。もっと、もっと、もっと殺して、企業連の連中にも危機感を与えるんだ。そして人類を結束させる。そうしなければこのご時勢、人間は腐っちまうんだ・・・。ぐふっ・・・!げはっ!」

    ---オールドキング吐血する

    アスイ
    「ど、どういうことだ!俺は、お前に利用されていたのか!?最初から…そのつもりで…俺に近づいたのか!?」

    オールドキング
    「結局お前は飼われていたのさ。企業にもORCAにも・・・そして俺にもな。だから言ってるだろう。お前はいつまで経っても、”首輪付き”・・・だってなあ・・・。」

    ナレーション
    「沈むリザの横から、水面へ出ようとするアンサング。オールドキングが最後の力を振り絞り、ショットガンをアンサングへ向ける。」

    オールドキング
    「・・・わかってるさ・・・怒ってるんだろ?だが、最後に言うこと聞いてくれよ、なあ・・・リィィザァァ・・・」

    テルミドール
    「ぐあっ!くそ・・・もう・・・だめか。なんて無様な戯曲だ・・・笑えん・・・貴様は我々を・・・ORCAの名を貶めた・・・・・・だが、その貴様を引き入れたのは私だ。これは、その落とし前なのだろう。私が消えることで、ORCAは瓦解する。貴様もORCAも海の藻屑だ。全ては幻想に・・・すぎなかったか・・・」

    セレン
    「残るは私とお前だけか。お前とこうなるとはな・・・残念だが、私のまいた種だ。・・・"刈らせて"もらうぞ。」

    アスイ
    「あんたには感謝している。ユニオンの被験者だった俺を救ってくれたこと。ここまでリンクスとして育て上げてくれたこと。だが・・・もう遅かったんだ。」

    セレン
    「どういう意味だ・・・?」

    アスイ
    「あんたがさっき言った通り…どうやら、あの実験で…俺はもう手遅れだったみたいだ…破壊したい。殺したい。衝動は抑えられない。震えや頭痛が止まないんだ…殺さないと…破壊しないと…止まないんだ…」

    セレン
    「そうか・・・。その実験…私も関係していたんだ。疑問を持っていた。だが…従ってしまった…。被験者が…皆望んでいる実験なのだと…そう思っていた。」

    アスイ
    「…なんとなく気づいていた。あんたがあの研究機関の技術士官だったってこと。」

    セレン
    「すまないと思っている。だが、お前は私の…!!…いや…その罪滅ぼしのつもりで、お前をあの施設から連れ出した。」

    アスイ
    「・・・オールドキングが・・・やつが言ったんだ。俺は、殺し続けなければならない。そして、俺を殺そうと人類が結束する。その結束がなければ、人類は前に進めない。醜い争いの輪廻から抜け出せない。」

    セレン
    「まさか、やつが殺戮者に走ったのは・・・そのためだというのか・・・ありえん!そのために、あれだけの人間を殺せるわけがない!」

    アスイ
    「彼にはできるんだ。そういう人間だったんだ。ネクストに自分の恋人の名前をつけるような、そんな男なのだから・・・」

    セレン
    「もういい、そこまでだ。もう止めよう。私とお前で、どこか遠くで静かに暮らそう。お前が・・・そこまで全てを・・・犠牲にする必要はない。」

    アスイ
    「はははは!違うんだよ!!俺は・・・俺は・・・殺戮を楽しんでいた!あいつはその為に狂気のピエロを演じて見せただけ…あいつとは…あいつとは違うんだよ!!俺は…真の狂人だった…」

    ナレーション
    「アスイの精神はすでに崩壊寸前で、悲しんでいるのか、楽しんでいるのか、もはや本人にもわからない。」

    アスイ
    「あいつのせいで、中毒みたいに、殺さないとダメになってしまったんだ。」

    セレン
    「オールドキング・・・お前は・・・なんてことを・・・!この子を…アスイを犠牲に、目的を果たすつもりか・・・!!自分すらも捨て駒に・・・死してなお、アスイに・・・目的を遂行させるのか!」

    アスイ
    「おしゃべりは終わりだ・・・。あんた一人に手間を取らすわけにはいかないんだよ。まだまだ大勢待ってるんだ。」

    ナレーション
    「コジマキャノンを向けられているが、もはやセレンに、これを回避する意味は、残っていなかった。」

    セレン
    「当然か、私が撒いた種なのだから…。お前にやられるのも悪くない、ふふふ・・・。…だが…覚えておけ…お前は…最高だよ。…私の最高傑作だ。」

    ---BGM Scorcher

    ナレーション
    「沈んでいくシリエジオを前に無言で飛び立つジエンド。その後、クレイドルは彼によって深刻な出血を強いられる。アスイは人類史上最も多くの人命を奪った個人として、人類種の敵とまで言われた。」

    アスイ
    「俺は地獄からやってきた!見つけてみせろ、駆り立ててみせろ!俺は一人でもやれるぞ。抵抗してみせろ、叩き潰してみせろ!それがお前たちの・・・糧となる!」

    ---BGM Endroll

    ナレーション
    「やがて、人類は結束し、この事態に臨む。企業やカラードなんてものは、あの男が望んだ通り、存在しない世界が出来上がる。そう、彼の幻想は、その答えをようやく・・・導き出したのだ。」

    ---徐々に意識が薄れだすアスイ

    アスイ
    「・・・ははは・・・あれ、なんだ・・・どうして・・・体が・・・動かない・・・限界なのか・・・?嘘だろう?まだ・・・全員殺して・・・ない・・・これじゃあ…あいつの・・・思惑通りじゃ・・・ないか・・・いやだ・・・いやだ・・・俺は・・・首輪付きなんかじゃ・・・首輪付き…なんかじゃ…あれ・・・セレン…?…俺は…泣いて…いるのか…?…そうか…俺…は…セレ…ン…の…」

    ---間

    セレン(M)
    「なんだ・・・慰めて欲しいのか?」

    ---間

    セレン
    「・・・母様に・・・」

    ---ARMORED CORE for ANSWER~狂人革命家(完)


    ~上演された方へ~
    よろしければコメントに演じてみた感想、意見、アドバイスなど頂ければ幸いです。筆者の気が向き次第更新しますので、気まぐれに覗いてみたら変わっているかも。


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