• あなたの町の消防団

    2013-09-27 14:22
    「消防団」という組織をご存知でしょうか?
    「名前だけなら聞いたことある…。」って方は多いでしょう。
    しかしながら、その詳しくを知っている人は少ないと思います。

    消防団とは、ざっくりと言うとボランティアの消防組織。
    実際、消防団の英訳は"volunteer fire department"となります。
    ※他にも"fire corps", "volunteer fire corps",,, 等、英訳にはいくらかパターンはあります。

    しかしボランティアの消防組織といっても、その実態はどういうものでしょうか?
    ちょっと見てみましょう。



    1. 消防団ってそもそもどんな組織?

    消防団の成り立ちは、江戸時代まで遡ります。
    「自分たちの地域は自分たちで守る」という精神で、火災の際には火消しを務めていました。
    当時は消防車やポンプなんてものは当然ありませんので、
    燃えている家の隣接家屋を破壊することで、延焼を防止するのが主な活動でした。
    その為、火消しはほぼ全員が大工さんなどの建設業の人でした。

    その後、文明開化に明治維新、そして戦争での変革を経て、
    現在の消防体制が築かれたわけです。
    その体制は、常備消防と消防団という2つの組織による消防体制。

    消防と言われたら、普通、
    皆さんは住んでいる市町村の消防局や消防組合を思い浮かべると思います。
    あるいはそこで働く、消防を職業とする方々を思い浮かべるでしょう。
    これが常備消防で、24時間体制で火災に備えているわけです。

    これに対して、江戸時代の火消しを引き継いだのが消防団。
    普段は各々の仕事をしながら、火災発生時には消防吏員として活動するのです。
    つまり、消防団員は火災が発生したときのみ消防員なる人、というわけ。
    消防団は、火事の時だけボランティアで消防員になる人たちの集まりなのです。



    2. 消防団は具体的に何をしているのか

    前段で軽い説明をしましたが、ここからは具体的に消防団はなんなのさ、という話をします。

    ・消防団は消防局・消防組合と同じく、「消防組織法」に定められる消防組織。
     ボランティアだからといって好き勝手消防団が活動しているわけじゃーありません。
     実は消防団も消防局・消防組合も、同じ法律で消防組織と定められているのです。
    消防組織法第9条
    市町村は、その消防事務を処理するため、次に掲げる機関の全部又は一部を設けなければならない。 一 消防本部   二 消防署   三 消防団

    ・消防団は更に地域ごとに、「分団」という単位に区切られる。
     消防団はその市町村全体で1つ置かれます。しかしこれでは単位が大きすぎるので、適当に区切ります。
     大抵の場合は小学校の校区や、もともとその地域で採られてきた区分を用いて区切ります。
     消防団によって、「日本分団」のように地名を冠するか、「第1分団」のように通し番号を付与するかは異なります。
     多くの場合はこの分団単位で活動が行われます。
     また、分団の管轄区域が広すぎる場合は、適宜「班」を設けてさらに区割りします。

    ・消防団は消防局と同じだけ出動するわけではない。
     これを聞くと意外に思われる方もいるかもしれませんが、消防団は全ての事故・火事には出動しません。
     というのも、これは消防という仕組み、そして消防団の性質によってそれはしないのです。
     例えば、交通事故。交通事故では車内に閉じ込められた人を救助することが大事です。
     しかしながら消防団員は救助について全員が学んでいるわけではありません(学んでいる地域もある)。
     この場合、ロープ、カラビナ、チェーンソー等の器具工具を使った救助作業になることも多いですが、
     ミスが人命に直結する物だが、その教育を受けていない消防団員には触らせられない、という点が1つ。
     
     もう1つは、一般的な交通事故の場合、消防車をそこまで必要としない点。
     車上火災は危険ですが、交通事故を起こした車の全てが車上火災を起こすわけではありません。
     その為、車上火災の危険性がなければ純粋に救出活動が消防の活動となりますので、
     消防団が出動する必要がないわけです。
     しかし、逆に言えば車上火災の危険性があれば消防団は出動することになります。

    ・出動以外では、消防団は訓練や警戒をしたりする。
     火災の時に火が消せない!では困るので、当然日頃から消防団は訓練を行います。
     地域によって大きく異なりますが、毎日している所もあれば月1度未満という所も。
     これには、団員不足、サラリーマン団員の増加、過疎化都市化の問題が絡んでいます。
     
     その他、空気が乾燥し火災が起きやすい冬場などは、パトロールをすることもあるようです。
     とはいえ歩いて「火の用心」ではいざ火事が起きた時、すぐに対応できないので、
     大抵の場合は消防車に乗ってパトロールをするようです。

    消防団はだいたいこんな感じです。
    ちなみに、一回の出動に付き活動報償金などの名目で数千円が支給されます。
    要は出動の為にかかった経費と、本来働いており得られたはずの収入の弁償ですね。
    他、年数万円のお金・一定年数以上務めた場合は退職記念金が支給されます。
    しかし、いずれもあまり大きな額ではなく、そこがボランティアたる所以です、多分。
    そのためか、消防団員になっている人には大きく分けて下の2パターンあります。
    ・自分の町のために、人のために、災害を防ぎたいという意識高い人がなるパターン。
    ・町内会などで一定期間消防団員になることを強制されているパターン。

    また、活動に必要な物資は市町村から支給されますが、
    常備消防すら予算不足のご時世なので、消防団でも資機材不足で喘ぐ所も多いようです。
    そのため、自分たちの活動報償金から自分たちで資機材を買う所もあるんだとか。



    3. 消防団の今後

    自民党が「地域総合防災力整備促進法案」の提出を決めたことで、
    今後消防団の拡充も想定されますが、果たして消防団はどこまで役に立てるのでしょうか。
    ここで、毎度おなじみグーグル先生で、「消防団」と検索して、
    関連する検索キーワードを見てみましょう。旅行、勧誘、コンパニオン、勧誘・断る、と所々怪しげなキーワードが出ちゃってますね。
    これはどういうことかというと。

    自衛隊や警察もそうですが、消防は組織力がとても重要視される所です。
    上官は最適な命令を下官に下し、それを受けた官隊員はそれを確実に実行する。
    そして組織はそれがより迅速かつ安全に実行できるように組まれる。
    消防団も例外ではなく、親睦を深める為に旅行や飲み会もするわけです。
    まあ親睦を深めるために旅行や飲み会をするのは、どこの団体でも一緒ですね。

    ただ、消防団の場合、その行為や言動が槍玉に挙がることもしばしば。
    エッチなコンパニオンを読んでチョメチョメという話もあるとか。
    消防団という組織が多いので、絶対数が多いので余計にそういう話が目立つわけです。
    同様に、先述した不足する消防団の設備の為に使う「協力金」を寄付してくれないか、
    あるいは消防団員にならないか、という話も出てくるわけです。

    勿論、真面目な消防団もあるわけで、
    東日本大震災のときの消防団の活動を見れば、それを疑う余地はないでしょう。
    ※東日本大震災時、避難誘導、避難援助、救助、水門閉鎖などで活動していた消防団ですが、
     その団員の内、253人が津波に呑まれる等で命を落とした。[参考]

    東海・東南海・南海地震の発生への備えが叫ばれて久しい昨今、
    少しでも地域の防災力を上げることが喫緊の課題です。
    その中で消防団の拡充も視野に入れられています。

    もし興味があるなら、自分の町の消防団がどんなものか調べてみるのもありでしょう。
    真面目な消防団みたいだったら、入ってみると新しい世界が広がるはずです。
    そうでなくとも、救急救命講習会や防災講座などが消防局などで行われていますので、
    地元の消防へ問い合わせてみて、災害への備えを少しでも増やしていくと、
    自分の命や家族の命、ご近所さんの命を万が一のときに助けられるかもしれません。


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  • 上手に使いたい"GIS"

    2013-09-21 23:50
    "GIS"という単語を聞いて、「ティン!」とくる人は少ないと思います。
    GISとは、"Geographic Information Systems"のこと。
    日本語に訳すと「地理情報システム」で、地図に情報付け加えちゃえるシステムのことです。

    例を挙げると、"Google Maps"がGISの1つです。
    「東京に旅行にきたのはいいけど、東京タワーってどこ?」なんて時に、
    「東京タワー」とGoogle Mapsで検索すれば、地図上にアイコンで場所を示してくれます。
    これは、地図という紙の上に、情報という目印を置いてくれているわけ。
    これがGISの基本的な考え方です。



    ここから更に、ちょっとだけ「おおっ!」となりそうな例を出してみます。

    ・Google Mapsで行政区分を検索する → Google Mapsで九十九里町を検索
     薄いピンク色で、九十九里町を縁取ってくれています。
     九十九里町がどの範囲なのかが分かりやすくていいですね。
     これは、行政区分という情報を地図に付加しているわけです。
     ちなみに、市町村レベル以外でも縁取りをしてくれて、細かな区分までもカバー。
     (例) ウクライナ / 北京市 / 札幌市中央区 / 高松市一宮町 / 大淀町大岩 / 徳島市助任橋3丁目

    ・Google Earthで山間部を見てみる → Google Mapsでエベレスト検索
     └→リンクから、地図右上の「航空写真」にマウスポインタを動かし、そこから"Erath"をクリックして下さい。
     エベレスト周辺の急峻な地形がありありと見て取れます。
     この場合は、高度という情報を地図に付加しているわけ。


    どうでしょうか、ちょっと楽しくないですか?
    楽しい✌('ω'✌ )三✌('ω')✌三( ✌'ω')✌
    って人はこれから先、さらに楽しくなること請け合いです。



    大きなものは宇宙地図、小さな物は住宅の見取り図。
    どの地図にも、いろんな情報の付け加え方があります。
    では、実際に情報が付加されている地図とはどんな物でしょうか。

    ハザードマップには、危険箇所や避難場所の情報などが付加されていますし、
    観光地図には、見どころや観光地、交通機関の情報が付加されています。
    テーマパークの案内図だって、アトラクションやレストランなどの情報が付加されています。
    挙げていけばキリがありません。

    でも、闇雲に地図に書き込んでいっただけじゃ分かりづらいし、整理もできない。
    そこでGISの登場なわけです。
    GISは、コンピュータ上で地図と地図に重ねる情報を管理し、
    今まで紙の地図ではめんどくさかった・できなかった、
    高度・複雑な、処理・表示・切り替えなどを可能にしてくれたのです。

    坂東市消防水利デジタルマップ
     茨城県坂東市が作成した、消防水利(消火栓や防火水槽など)を表示する地図。
     単に消防水利の場所を示すだけでなく、火災現場の住所を入力すれば、
     その火災現場へのルート表示、付近消防水利の表示を行ってくれる。
     試しに「第1分団」をクリックした後、左上の検索欄で「坂東市馬立30番地1」と検索してみよう。

    今昔マップ on the web
     埼玉大学教育学部の谷謙二准教授が作成した、文字通りデュアル画面で今と昔の地図を見比べられる地図。
     「福岡・九州編」を見ると、今は亡き北九州鐵道(当時)の変遷なんかが分かりやすくて面白い。

    Google Earth
     言わずと知れたGoogle社が提供するGIS。
     3Dによる建造物などの表示もあり、もはやパイロット気分で世界を巡れるスグレモノ。
     東京スカイツリーもこの通り(地図右上の「航空写真」をマウスオーバー→「Earth」をクリックで表示)

    ましてや、これらが今日では手のひらサイズの機械で見られるのです。
    紙の地図と睨めっこしていた時代の人々が、
    スマートフォンやタブレット端末でこれらのGISを扱う様を見たらさぞ驚くことでしょう。



    「GISってなんだかおもしろそう、自分でも何か作ってみたい。」
    そう思っちゃう人も少なくはないはず。
    しかも、昨今ではマーケティングや地域調査にも用いられるGISなので、
    興味を持っていなくても関わらざるを得ないこともあります。

    じゃあ早速GISを扱ってもらいましょう。
    ドーン!! っ製品一覧 - esriジャパン株式会社

    お値段も調べておきました!!
    ドーン!! っ価格 - esriジャパン株式会社

    はい。めちゃくちゃ高いです。
    とりあえず基本的なモノを買うだけで、40万9500円(税込)。
    30分でー5万!なヤヴァイ仕事でも、9回こなさなければいけない額。

    保険屋さんが営業した場所をチェックしとくだとか、
    町内会でオリジナルのハザードマップ作るだとか、
    旅行の予定やルート、目的地をまとめた地図を作るだとか、
    簡単なモノを作るだけの人にはお高すぎない!?

    でも大丈夫。というかそもそも上に挙げた"arcGIS"は学術用。
    大学の研究室で使われるシロモノで、
    しかも地理系の研究室でもそうそう導入するモノじゃないレベル。

    分かる人には分かる言い方をすれば、GIS界のAdobe製品ってトコです。

    一般市民にはGISなんて関係ないのか、トホホ…。
    ってなこたぁありません。
    先に述べたように、Google Mapsだって立派なGISを備えているのです!



    1. GISを扱おう ―Google Maps編―

    「インターネットの地図なんて検索しかできないじゃん。」なんて侮ることなかれ。
    Google Mapsの真髄は、"My Map"機能にあるのです(多分)。
    どういう物かは百聞は一見に如かず、次に紹介します。

    東京マラソン コース全体図
     東京マラソンのコースと、○○km地点、スタートとゴールを表示している地図。
     事前にこういったコースを登録しておいて、当日スマートフォンでGPSを併用すれば簡易ナビにできる。
     事後に通ったコースを登録すれば、他人に自分の散歩コースやドライブコースを教える事もできる。

    徳島市消防団渭北分団消防水利地図
     徳島市消防団渭北分団が作成している、消防水利を登録している地図。
     消防水利だけでなく、出動エリアを色分けで表示していたりする。
     こういったシェイプ機能を利用すれば、ちょっとしたエリア分けや地域別のデータ表示にも便利ですね。


    このGoogle Maps My Map機能の利用は簡単。
    Google Mapsで、「マイプレイス」→「地図を作成」をクリックしていくだけ。
    あとは、Googleの用意してくれているツールを使って、情報を登録していく。
    これであなただけのオリジナルな地図のできあがりです。

    お気に入りのカフェやレストランを登録しまくったグルメマップ、
    お得意先を登録しといた外勤用マップ、
    道なりに線を引く機能を利用した酷道ラリー地図。
    自分の使い勝手にあわせた地図が作れます。

    ついでに、"KML"という表示がMy Mapにあるんですが、
    これをクリックするとKMLファイルがダウンロードされます。
    KMLファイルはデスクトップ版Google Earth用のファイルの1つで、
    Google Earth上でMy Mapを表示させることもできるんです。

    ※なお、My Map機能の利用にはGoogleアカウントが必要ですのでお忘れなく。
    ※また、スマートフォンでの表示にはGoogle Mapsアプリがオススメですが、
     現在のバージョンでは一旦My Map表示機能が無くなっています。
     その内復活するとのことですが、これを記述した時点ではまだ復活していません。




    2. GISを扱おう ―MANDARA編―

    "MANDARA"とは、埼玉大学・谷謙二准教授の開発したGISソフトウェア。
    地理系の大学教授が書く論文でも、添付図表の作成などによく用いられます。
    こういう図なんかが、我々でもなんとタダでつくれるシロモノ。

    なんでタダなのかというと、これフリーソフトなんです。
    その上かなり優秀で、基本データや使用例も豊富に同梱されており、
    「GISって何?」って人でも、ちゃんと取り組めばあっという間に扱えるようになります。

    主な使い方は、先程挙げたような図の作成。
    同梱されているデータや統計データを組み合わせ、
    地図を用いた分かりやすい図表の作成が可能です。

    先進国においては、政府や自治体によりGISや統計が整備されていますので、
    地図データや統計をインターネットや図書館などで確認し、
    自分で自分の目的にあった図表の作成がお手軽にできます。

    しかもこのMANDARAには、手書き地図からもGISを利用可能にできる機能がついています。

    これまで説明してきたように、GISには大まかに言うと、
    地図そのもの + 情報データ1 + 情報データ2 + 情報データ3 …の形を取ります。
    下地である地図は、Googleやゼンリン、Yahoo!、地形図から持ってくるわけです。

    ここで、付加していく情報が点(ピンポイント)情報ならそこまで問題はでないのですが、
    ある程度面積を持った面情報なら、さあ大変。
    2つ3つならいざ知らず、何十ものエリア分けを一から自分でするのは大変です。

    日本では既に、「○○県××市□□町△丁目」や「AA県BB郡CC町DD」といった区分まで、
    政府によってGIS用のデータが作成・公表されていますが、
    それより細かな区分だったり、まだそういった整備が進んでいない地域では困ります。
    そこで活躍するのがMANDARAの地図作成機能。
    なんとピクチャファイルを読みこませると、GIS用の地図を作成してくれるのです。

    手書き白地図をスキャンしてもいいわけで、空想の地域を統計処理することも可能です。
    "Sim City"で市長、「A列車で行こう」で鉄道会社社長を営む諸氏の地域調査にもうってつけ。

    メインは図表作成となるので、Google Earth的なことは難しいですが、
    MANDARAにもKML出力が存在しますので、Google Earthで補完も可能。
    フリーソフトでここまでできるのかってレベルです。
    さしずめ、GIS界の"GIMP"や"Miku Miku Dance"ってトコでしょうか。



    コンピュータの普及により、情報処理は一般市民にも親しい存在となりました。
    便利なGISをうまく使いこなして、研究や分析、趣味や妄想に付け加えてみると、
    より知的で分かりやすい物に進化することでしょう。