上手に使いたい"GIS"
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上手に使いたい"GIS"

2013-09-21 23:50
    "GIS"という単語を聞いて、「ティン!」とくる人は少ないと思います。
    GISとは、"Geographic Information Systems"のこと。
    日本語に訳すと「地理情報システム」で、地図に情報付け加えちゃえるシステムのことです。

    例を挙げると、"Google Maps"がGISの1つです。
    「東京に旅行にきたのはいいけど、東京タワーってどこ?」なんて時に、
    「東京タワー」とGoogle Mapsで検索すれば、地図上にアイコンで場所を示してくれます。
    これは、地図という紙の上に、情報という目印を置いてくれているわけ。
    これがGISの基本的な考え方です。



    ここから更に、ちょっとだけ「おおっ!」となりそうな例を出してみます。

    ・Google Mapsで行政区分を検索する → Google Mapsで九十九里町を検索
     薄いピンク色で、九十九里町を縁取ってくれています。
     九十九里町がどの範囲なのかが分かりやすくていいですね。
     これは、行政区分という情報を地図に付加しているわけです。
     ちなみに、市町村レベル以外でも縁取りをしてくれて、細かな区分までもカバー。
     (例) ウクライナ / 北京市 / 札幌市中央区 / 高松市一宮町 / 大淀町大岩 / 徳島市助任橋3丁目

    ・Google Earthで山間部を見てみる → Google Mapsでエベレスト検索
     └→リンクから、地図右上の「航空写真」にマウスポインタを動かし、そこから"Erath"をクリックして下さい。
     エベレスト周辺の急峻な地形がありありと見て取れます。
     この場合は、高度という情報を地図に付加しているわけ。


    どうでしょうか、ちょっと楽しくないですか?
    楽しい✌('ω'✌ )三✌('ω')✌三( ✌'ω')✌
    って人はこれから先、さらに楽しくなること請け合いです。



    大きなものは宇宙地図、小さな物は住宅の見取り図。
    どの地図にも、いろんな情報の付け加え方があります。
    では、実際に情報が付加されている地図とはどんな物でしょうか。

    ハザードマップには、危険箇所や避難場所の情報などが付加されていますし、
    観光地図には、見どころや観光地、交通機関の情報が付加されています。
    テーマパークの案内図だって、アトラクションやレストランなどの情報が付加されています。
    挙げていけばキリがありません。

    でも、闇雲に地図に書き込んでいっただけじゃ分かりづらいし、整理もできない。
    そこでGISの登場なわけです。
    GISは、コンピュータ上で地図と地図に重ねる情報を管理し、
    今まで紙の地図ではめんどくさかった・できなかった、
    高度・複雑な、処理・表示・切り替えなどを可能にしてくれたのです。

    坂東市消防水利デジタルマップ
     茨城県坂東市が作成した、消防水利(消火栓や防火水槽など)を表示する地図。
     単に消防水利の場所を示すだけでなく、火災現場の住所を入力すれば、
     その火災現場へのルート表示、付近消防水利の表示を行ってくれる。
     試しに「第1分団」をクリックした後、左上の検索欄で「坂東市馬立30番地1」と検索してみよう。

    今昔マップ on the web
     埼玉大学教育学部の谷謙二准教授が作成した、文字通りデュアル画面で今と昔の地図を見比べられる地図。
     「福岡・九州編」を見ると、今は亡き北九州鐵道(当時)の変遷なんかが分かりやすくて面白い。

    Google Earth
     言わずと知れたGoogle社が提供するGIS。
     3Dによる建造物などの表示もあり、もはやパイロット気分で世界を巡れるスグレモノ。
     東京スカイツリーもこの通り(地図右上の「航空写真」をマウスオーバー→「Earth」をクリックで表示)

    ましてや、これらが今日では手のひらサイズの機械で見られるのです。
    紙の地図と睨めっこしていた時代の人々が、
    スマートフォンやタブレット端末でこれらのGISを扱う様を見たらさぞ驚くことでしょう。



    「GISってなんだかおもしろそう、自分でも何か作ってみたい。」
    そう思っちゃう人も少なくはないはず。
    しかも、昨今ではマーケティングや地域調査にも用いられるGISなので、
    興味を持っていなくても関わらざるを得ないこともあります。

    じゃあ早速GISを扱ってもらいましょう。
    ドーン!! っ製品一覧 - esriジャパン株式会社

    お値段も調べておきました!!
    ドーン!! っ価格 - esriジャパン株式会社

    はい。めちゃくちゃ高いです。
    とりあえず基本的なモノを買うだけで、40万9500円(税込)。
    30分でー5万!なヤヴァイ仕事でも、9回こなさなければいけない額。

    保険屋さんが営業した場所をチェックしとくだとか、
    町内会でオリジナルのハザードマップ作るだとか、
    旅行の予定やルート、目的地をまとめた地図を作るだとか、
    簡単なモノを作るだけの人にはお高すぎない!?

    でも大丈夫。というかそもそも上に挙げた"arcGIS"は学術用。
    大学の研究室で使われるシロモノで、
    しかも地理系の研究室でもそうそう導入するモノじゃないレベル。

    分かる人には分かる言い方をすれば、GIS界のAdobe製品ってトコです。

    一般市民にはGISなんて関係ないのか、トホホ…。
    ってなこたぁありません。
    先に述べたように、Google Mapsだって立派なGISを備えているのです!



    1. GISを扱おう ―Google Maps編―

    「インターネットの地図なんて検索しかできないじゃん。」なんて侮ることなかれ。
    Google Mapsの真髄は、"My Map"機能にあるのです(多分)。
    どういう物かは百聞は一見に如かず、次に紹介します。

    東京マラソン コース全体図
     東京マラソンのコースと、○○km地点、スタートとゴールを表示している地図。
     事前にこういったコースを登録しておいて、当日スマートフォンでGPSを併用すれば簡易ナビにできる。
     事後に通ったコースを登録すれば、他人に自分の散歩コースやドライブコースを教える事もできる。

    徳島市消防団渭北分団消防水利地図
     徳島市消防団渭北分団が作成している、消防水利を登録している地図。
     消防水利だけでなく、出動エリアを色分けで表示していたりする。
     こういったシェイプ機能を利用すれば、ちょっとしたエリア分けや地域別のデータ表示にも便利ですね。


    このGoogle Maps My Map機能の利用は簡単。
    Google Mapsで、「マイプレイス」→「地図を作成」をクリックしていくだけ。
    あとは、Googleの用意してくれているツールを使って、情報を登録していく。
    これであなただけのオリジナルな地図のできあがりです。

    お気に入りのカフェやレストランを登録しまくったグルメマップ、
    お得意先を登録しといた外勤用マップ、
    道なりに線を引く機能を利用した酷道ラリー地図。
    自分の使い勝手にあわせた地図が作れます。

    ついでに、"KML"という表示がMy Mapにあるんですが、
    これをクリックするとKMLファイルがダウンロードされます。
    KMLファイルはデスクトップ版Google Earth用のファイルの1つで、
    Google Earth上でMy Mapを表示させることもできるんです。

    ※なお、My Map機能の利用にはGoogleアカウントが必要ですのでお忘れなく。
    ※また、スマートフォンでの表示にはGoogle Mapsアプリがオススメですが、
     現在のバージョンでは一旦My Map表示機能が無くなっています。
     その内復活するとのことですが、これを記述した時点ではまだ復活していません。




    2. GISを扱おう ―MANDARA編―

    "MANDARA"とは、埼玉大学・谷謙二准教授の開発したGISソフトウェア。
    地理系の大学教授が書く論文でも、添付図表の作成などによく用いられます。
    こういう図なんかが、我々でもなんとタダでつくれるシロモノ。

    なんでタダなのかというと、これフリーソフトなんです。
    その上かなり優秀で、基本データや使用例も豊富に同梱されており、
    「GISって何?」って人でも、ちゃんと取り組めばあっという間に扱えるようになります。

    主な使い方は、先程挙げたような図の作成。
    同梱されているデータや統計データを組み合わせ、
    地図を用いた分かりやすい図表の作成が可能です。

    先進国においては、政府や自治体によりGISや統計が整備されていますので、
    地図データや統計をインターネットや図書館などで確認し、
    自分で自分の目的にあった図表の作成がお手軽にできます。

    しかもこのMANDARAには、手書き地図からもGISを利用可能にできる機能がついています。

    これまで説明してきたように、GISには大まかに言うと、
    地図そのもの + 情報データ1 + 情報データ2 + 情報データ3 …の形を取ります。
    下地である地図は、Googleやゼンリン、Yahoo!、地形図から持ってくるわけです。

    ここで、付加していく情報が点(ピンポイント)情報ならそこまで問題はでないのですが、
    ある程度面積を持った面情報なら、さあ大変。
    2つ3つならいざ知らず、何十ものエリア分けを一から自分でするのは大変です。

    日本では既に、「○○県××市□□町△丁目」や「AA県BB郡CC町DD」といった区分まで、
    政府によってGIS用のデータが作成・公表されていますが、
    それより細かな区分だったり、まだそういった整備が進んでいない地域では困ります。
    そこで活躍するのがMANDARAの地図作成機能。
    なんとピクチャファイルを読みこませると、GIS用の地図を作成してくれるのです。

    手書き白地図をスキャンしてもいいわけで、空想の地域を統計処理することも可能です。
    "Sim City"で市長、「A列車で行こう」で鉄道会社社長を営む諸氏の地域調査にもうってつけ。

    メインは図表作成となるので、Google Earth的なことは難しいですが、
    MANDARAにもKML出力が存在しますので、Google Earthで補完も可能。
    フリーソフトでここまでできるのかってレベルです。
    さしずめ、GIS界の"GIMP"や"Miku Miku Dance"ってトコでしょうか。



    コンピュータの普及により、情報処理は一般市民にも親しい存在となりました。
    便利なGISをうまく使いこなして、研究や分析、趣味や妄想に付け加えてみると、
    より知的で分かりやすい物に進化することでしょう。
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