むなしい努力の世界観考察(ネタバレ!)
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むなしい努力の世界観考察(ネタバレ!)

2015-01-28 14:09
  • 3

 この記事はフリーゲーム『むなしい努力』の世界観について語っております。
 むなしい努力についてのネタバレが多分に含まれております。
 ゲームをクリアしてない方、特にシナリオ1の「雪国の民」でイデア勢力を倒したエンディングを見てない方は閲覧しない事を強く推奨します

◇表向きの世界観◇

 簡単に『むなしい努力』という物語のあらすじを書くと

「とある大陸のお話。片隅に追いやっていたはずの魔族が突如侵攻を開始し始めた。
 魔族に対抗すると称して出兵した帝国は、これを機に大陸の支配を確たるものにしようとする。
 これに続けて大陸の一大勢力である貿易都市、砂漠の民、教会十字軍も利権や豊富な資源を目的に兵を招集。
 獣人やリザードマンといった亜人達も同時期に復讐や己達の存続の為に人間へ攻撃を開始する。
 そんな中、かつて国を追われた太子レイクが貧困や重税、奴隷制からの解放を目指すべく為に軍を立ち上げ帝国に対抗する」

 こんな感じになります。時代は剣と魔法が混在する中世辺り?
 むなしい努力を初めてプレイした人はこのゲームの主人公はレイクだと思います、が....
 その辺りについては割愛。

◇各勢力のスタンス◇

 世界観を語る前に各勢力がどういった理由で戦っているのか、何が目的なのかといった事を簡潔に。

  • 王都解放軍:帝国の酷い圧政からの解放。大陸の平定。
  • ダーカリッヒ帝国:秩序による大陸の統一。
  • リグラーク十字軍:神の御意思と称して大陸に覇を唱えたい
  • 聖ソレル軍:大陸の平和?
  • 砂漠の民:復讐と豊富な資源狙い。あと長の退屈しのぎ。
  • フェルマ獣人軍:自分達の存続の為に人間から土地や食糧を奪いたい。
  • マイキキ自治区:戦争を利用してもっと儲けたい。
  • 蛇巳亜軍:リーダーは一個人の復讐。それ以外の奴らは戦いたいから。
  • ダルダラ蛮族:守らなければいけない土地(霊峰)の保守。
  • バイトロイ海賊:戦乱に乗じて酒や女や金を強奪したい。 金、金、金! 戦士として恥ずかしくないのか!
  • クリプト魔領:ワケあって戦いたいだけ。(理由後述)
  • 森緑の守:リーダーが今回の戦争を諦観気味。(理由後述)
  • 雪国の民:とある目的で霊峰まで行きたい。(理由後述)

 目的を達成してエンディングに辿り付いても、半分強くらいのリーダー達は報われません。
 つーか世界の真実を知るともれなく全員報われません。それがむなしい努力。

◇大精霊と世界の存続◇

 森緑の守のディマディオ、雪国の民のセルシウスはゲーム内でも「大精霊」と呼称されます。 
 また、クリプト魔領のレヴィナルやリグラーク十字軍ミュテュオスも大精霊と同一と見て問題無いでしょう。

 大精霊の四人(+α)は「世界がどうやって存続しているか」を知っています。
 そう、『むなしい努力』の人物や世界はある一定の行動を取らないと消滅してしまうのです。
 その取らなければならない一定の行動とは「人々に認知される事」。
 クリプト魔領のレヴィナルとその配下二名はこれを知った上で、人々に認知されるに最も効率の良い手段として定期的に戦争を行っています。
 つまり自己や世界の存続の為に積極的になっているのです。
セルシウス「レヴィナル、貴方はこの世界が大好きなのですね」

 十字軍のミュテュオスもおそらく同様の理由で途中参戦をしています。
 セルシウスはその事象を改善すべく、秘策を携えて霊峰へ向かいます。
 三人とも世界の存続の為に奔走しているのです。
 ディマディオだけは、どういう訳かそういった事に積極的ではありません。

 ゲーム中の発言から、彼はほぼ確実に「世界の真実」に気づいています。
 一定の行動を取らないと世界が消滅するといった事よりも、更に深遠な部分です。
 それを知っているからこそ、彼はゲーム中で無気力かつ諦観している様な人物として描かれてるのではないでしょうか。

◇セルシウスの秘策は神殺し◇

 セルシウスの秘策とは、『神を殺し、神に成り代わる事』。
 認知されなければ消滅してしまう世界、非常に不安定で不条理な理。
 ならば自分が神になって世界の理を変えてしまいましょうという魂胆です。

 それを実行する為には、まず神を呼び出さなくてはなりません。
 セルシウスはダルダラット霊峰へ向かい、雪国の民のリーダーであったコフィンを伝承通り生贄にします。
 そして行った儀式によってか、絶大な能力を持つ「永地世ノ代物」が世界に召喚されました。
 長く苦しい戦いの果て、やっとの思いでセルシウスは永地世ノ代物を討伐する事に成功します。
 しかし永地世ノ代物はセルシウスにこう言いました。

「……君は何かを勘違いしているな。まず第一に、私は神なんてものではない。そもそもこの世界に神などいない」


◇世界の真実◇

 むなしい努力における世界観の根底を記述します。
 『むなしい努力』とはゲームです。
 いえ、メタ視点の話ではなく世界観からして彼らの世界自体、存在自体がゲームなのです。

 彼らの世界や存在は前述の通り『認識』によって成り立っています。
 その認識を生み出すのはむなしい努力の世界の住人ではなく、『認識者』……つまりプレイヤーです。
 登場人物はプレイヤーに認識される事で存在し、プレイヤーに認識されなければ消滅するのです。
 故に、認識者へ認識される為に魔領クリプトのレヴィナルは戦いを起こしました。
 人間達や亜人達もその事は知らずとも戦い、認識されます。

 プレイヤーに認識されないエンディング後の世界や登場人物は全て消滅し、存在しません。
 帝国の圧政を跳ね退けた王都解放軍や大陸を平定したダーカリッヒ帝国、無事に大陸へ平和をもたらしたリグラーク十字軍の『その後』など、存在しないのです。
 それどころかプレイヤーがゲームを最初からやろうと思えば、彼らはまた最初から戦うハメになります。エマーソンは何度謀反起こすんですかねェ....
 もちろんプレイヤーが途中で飽きてやめてしまえば、その世界は消滅します。
 「全てのプレイヤー」がむなしい努力を遊ぶ事をやめてしまう様になったとしたら、もう二度と彼らの世界が紡がれる事は無いのです。

 永地世ノ代物は、作中でこう発言しています。

「私は見届けるよ。この世界を、君達のフィナーレを。そうして観客は力無い拍手と共にこう呟くのだ。「むなしい努力」と……」

 前述の世界観を省みれば、彼らや彼女達の努力が本当の意味で報われることは決してありません。
 それらは全て『むなしい努力』なのです。



◇あとがきと個人的考察。そして余談

 タイトルの英略字がNGTだから「永地(ながち)」だと思うんですけどどうですかねミュテュオスさん。
 はい、むなしい努力について色々と脳内整理したかったので書きました。
 偉ぶってて書いておいて考察が間違ってたら恥ずかしいですね、ハイ。

 永地世ノ代物の存在意義については、本来「ゲームがダレる」時期に来るスパイスだと思うんですよ。
 永地世ノ代物が出ないままなら、最早プレイヤーの操作している勢力が勝つ事が決まった様な状況であの登場。
 世界観的にもメタ的にも必要な『強敵』としての存在。

 むなしい努力は人間関係や設定、世界観も考えれば考える程面白いところがあります。
 ゲームバランスもさる事ながら、イベント内容も楽しいですし。
 皆さんも是非むなしい努力の世界を振り返ってみては如何でしょうか。


 最期に余談ですが、自分の方で連載中のむなしい努力実況の魔理沙と霊夢。
 魔理沙は「プレイヤー側の存在」として扱い、霊夢は「むなしい努力側の存在」扱っています。
 魔理沙が妙に冷めてたり、霊夢が妙に情に厚いのはそのせい。動画外で創作物の設定語りって正直寒
 非常に長い間を置いた更新頻度ですが、いつかは完結まで持っていけたらいいなぁ。

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こんにちは。いつも動画を楽しませてもらってます。
私は雪国を最後にやったので(理由は前衛の確保が難しそうだったので慣れてからにしようと思った)最後にあんなことになったときは、唖然としてしまいました。
「主人公が実はゲームのキャラクターだった」という感じの作品は過去にもいくつかありましたが、「プレイヤー自身」が世界の理になるというはすごい発想ですよね。
それでは、今後も応援しておりますので、どうぞよろしくお願いします。
では失礼。
63ヶ月前
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>>1
\わぁい!/
 投稿間隔が長かったり霊夢と魔理沙に喋らせた台詞が臭かったりで色々不安な面もありましたが、やっぱり他人に評価してもらえて嬉しいです。

 もう一つの可能性としてむなしい努力の世界はゲームじゃなくて、プレイヤーとは何ら関係無い『認識者』っていう接触しようのない謎の概念にNGTの世界全てが掌の上っていうのもありそうですよね。
 でもマップ画面に映ってるのと同様に「遠海が無い」みたいですし、たぶんプレイヤー≒認識者なのでしょうかね……。
63ヶ月前
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作者の友人の渾名であるながちょが元ネタと聞いたのでながちよであってると思います
62ヶ月前
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