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  • 庭について:その9(1,637字)

    2022-12-02 06:0013時間前
    110pt
    面白いことに、Wikipediaに「庭園史」なる項目がある。


    このことからも、「庭」というのは実に「文化的」な存在だということが分かる。

    ところで、これをつらつら見ていて思ったのは、ぼくがヨーロッパの「庭園」と聞いて、まず思いつくのはイタリアの「カゼルタ宮殿」である――ということだ。


    この庭の特徴は、なんといってもその「壮大さ」と「幾何学性」だ。誰が見ても、完全に常軌を逸している。およそ「ヒューマンスケール」というものからはかけ離れている。実に非人間的な景観である。

    この庭は、歩いていてもちっとも楽しくないだろう。完全に「眺めるため」の庭だ。それも、宮殿の決まった場所から眺めないと面白くないはずだ。それゆえ、「思わぬ発見」というものにも出会えない。完全に演出された空間である。

    それゆえ、この庭はしばしば「日本庭園の極北」
  • お金にまつわる思考実験:その6(1,764字)

    2022-12-01 06:00
    110pt
    はじめ、人々は採集をして暮らしていた。
    やがて、道具が採集を便利にすることが分かった。そこで、道具を作る技術や、生み出す「頭脳」が求められるようになった。

    中でも、貯蔵するための壺と、尖った金属は有用だった。この2つが、人類の生産性を飛躍的に高めた。

    生産性が高まると、人口が増える。それだけ養う力が増すからだ。
    ただ、人口は一足飛びには増えないので、その前段階として、あるいは平行して「余暇」が増えた。生産しなくてもいい時間というものが生まれたのだ。

    この時間に、人々は争い事をした。だから、それを取り締まったり裁定したりする「判事」と「警察」が必要になった。昔は、これを村落の「長」が担った。

    また、余剰物は交換を生み出した。以前も述べた通り、交換は社会運営の潤滑油だ。誰もが夢中になる。
    だから、あっという間に広まった。交換に必要なのは余剰な食物を保管したり運搬したりするための壺だ。まず壺があ
  • [Q&A]『すずめの戸締まり』の感想は?(2,278字)

    2022-11-30 06:001
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    [質問]
    藤本タツキの「ルックバック」を絶賛してましたが、チェンソーマンの感想を聞かせてください。

    [回答]
    以前にも『チェンソーマン』の感想を聞かれたのですが、そのときはまだ読んでいませんでした。その後、「終盤が文学的」というお話を聞いて、最初に終盤だけ読み、そこから最初に戻って読むということをしました。すると、世界観の把握が捗ったので、良かったです。最終的に、最初から最後まで読めました。

    読んで思ったのは、いいところも多々あるが、それほど深くハマりはしないな……ということでした。ハマらない一番の理由は、やはり「世界観の把握が難しい」ということですね。

    現代のコンテンツは、多すぎるくらいの情報量を求められているので、世界観は理解が難しくてもいい――という考えもあるかと思います。しかしいずれにしろ、ぼくにはその情報量の多さを魅力的に感じることもありませんでした。

    また、チェンソーマンの「体