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偽物の個人時代:その19(1,817字)
ここまで「偽物の個人時代」について考えてきた。そこで分かったのは、それが「偽物」である最大の要因こそ、若者における「恋愛の不足」であるということだ。これはほとんどの人が理解できていないのだが、今、多くの若者が、恋愛不足と「それを自覚できないこと」に悩んでいる。というのも、今の若者はある種のマインドコントロールのように「個人主義」にとらわれており、深層意識では「したい」と思っている恋愛を、表層意識では「したくない」と思うようになっているのだ。そのため、多くの若者が疑似恋愛に逃げ込んでいるのだが、そこは決して安住の地ではない。むしろ煉獄のような場所で、恋愛したい気持ちをかえって刺激され、精神のバランスを崩壊させられてしまう。ホストにハマって人生を狂わせる若い女性の急増が、そのことを端的に物語っている。ところで、恋愛食物連鎖において、ホストは最強の捕食者である。ホストこそが百獣の王ライオン -
[Q&A]勉強ができるようになるにはどうすればいいか?(2,336字)
[質問]教師をしています。こういう分け方は良くはないのですが、できる子もいれば、できない子もいます。できない子には、自分が楽ならそれでいいやという努力しないタイプと、あれやこれや周りを巻き込むタイプがいます。後者は、その時間の空気を悪くします。こちらが圧をかけ黙って聞いていろ、という姿勢で臨むような内容の授業ではないため、そういうタイプには苦労します。周りの子もちょっと迷惑だと思っているようです。そして、自分が周りに迷惑をかけていることを分かっている子と分かっていない子がいます。分かっていない子は、自分が空気を悪くしているなんて全然思っていないことでしょう。このような形で自己主張せざるを得ないような子に対して、岩崎さんはどのようにお考えでしょうか?[回答]ぼくがしているクリエイター塾でも、かつては塾生間のトラブルがあったように思います。場の空気を乱す塾生もいました。しか -
アーティストとして生きるには:その32(2,005字)
今回で、この連載は最終回とする。ここまで連載を続けてきて出た「アーティストとして生きる」ということについての結論は、「動画投稿サイトの『地方移住ショート動画』を作る」ということになる。なんとも低俗な考えに見えるが、それこそがアートらしい、ということもできる。実際、「地方移住ショート動画」には、ここまで見てきた「アート」というものの本質が、高いレベルで内在している。その本質とは、以下の4つだ。1:貧困なイメージ×豊かな欲望2:困難さの顕在化3:新しい生き方の提示4:新しい表現方法の使用順に見ていきたい。まず、1の「貧困なイメージ×豊かな欲望」について。地方移住ショート動画の投稿者は、多くの場合でカップルである。そこには、率直に言って「性」の匂いが充満している。実に貧困なイメージではあるが、豊かな欲望(性欲)に満ちあふれている。つまり、地方に移住すれば「性への充実が図れる」
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