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土をいじることの意味(1,745字)
2020-10-16 06:00110pt田舎に土地を買って、家を建てようとした。
家のアイデアをいろいろ考えているうちにいろいろ建てたいものが思い浮かんだが、そうこうしているうちにコロナが来て、株価が下がってしまった。おかげで、資産がだいぶ減ってしまい、希望通りの家を建てるお金がなくなった。
そこで、なんとか工夫しようと思って、削れるところは削ろうと思った。見積もりを出してもらっていたのだが、そのうちの整地代や外構造作にそれなりの費用がかかることが分かった。そもそも畑だった土地なので、宅地造成にそれなりの手間がかかるのだ。ざっと2000万円はかかるという計算だった。凝ったことをすると3000万円は行きそうだった。
そこで、その宅地造成代を削ることにした。いろいろ考えたが、最終的に自分でやろうと思った――すなわちDIYにした。いろいろ調べると、DIYにはショベルカーが欠かせない。そこでショベルカーを買おうとしたのだが、ショベルカー -
正解はあります:その4(1,692字)
2020-10-15 06:00110pt今回は、「どうすれば労力をかけずに正解に辿り着けるか?」ということについて考えてみたい。
世の中には、正解がある。ないと信じ切っている人も少なくないが、彼らは自分の矛盾に意識の層では気づいてない。そのため、深層心理に不安定なところがある。だから、議論をすると彼らはすぐに論点をずらす。論点をずらしたら、彼らは「正解はある」と心の奥底では知りながら、そのつらい現実から目を背けようとする卑怯者だと認識して良い。そういう人とは何を話してもムダなので、その時点で対話を切り上げた方がいいだろう。
そうした人間も含めて、「正解がない」と考える人間は怠惰なのだ。「正解はある」という現実があまりにも過酷なので、そこから目を逸らしている。目を逸らすとその過酷さと向き合わなくとも良いので、いくらか楽になる。
しかし、そういう人間は今楽をしている分、後で大変になる。死ぬ前に大変になるのもそうだが、人生の後半で何も -
[Q&A]文章を上手く書くコツは?(2,068字)
2020-10-14 06:00110pt[質問]
岩崎さんの文章はとても読みやすいと感じています。もちろんプロなので素人が同じようには書けないと思うのですが、素人でもココを意識すると文章が改善するというようなコツが有れば是非ご教授下さい。
[回答]
まずは「話すように書く」ということを心がけるといいと思います。
ぼくはいつも人に話すような気持ちで書いています。そのためタイピングはある程度速くなければならないですね。話すスピードそのままとはなかなかいきませんが、思ったことを忘れないうちに書けるくらいの速さを身につけると、文章も良くなるかと思います。
それから、これはときどき言うことなのですが、分かりやすい文章というのは書いた本人が何を書いているか、しっかり理解しているということが前提にあります。分かりにくい文章は、その逆に本人も何を書いているのか、ちゃんと理解できていないんですね。
そのため、まず「理解する」ということを心がけると -
情報リテラシーはどうやったら身につくのか?:その4「正しい情報とはしわの刻まれた老婆の乾いた肌のようなものだ」(1,588字)
2020-10-13 06:00110pt情報取得リテラシーを身につける上では「美的感覚を鍛えること」が役に立つ。なぜなら、正しい情報というのは美しく、その逆に誤った情報というのは醜いからだ。
ただし、その美しさと醜さは単純なものではない。正しい情報の美しさとは「美しい老婆」に似ている。老婆にも美しい人と醜い人とがいるが、正しい情報はこのうちの美しい老婆に似ているのだ。
では「美しい老婆」とは何かというと、「正しく年を取っている」ということである。その逆に、「醜い老婆」というのは「年の取り方が悪い」ということである。
このうち、説明が簡単なのは「醜い老婆」の方だ。「年の取り方が悪い」とはどういうことかというと、老いに抗っている――ということである。直裁にいうと、若作りしているということだ。年齢不相応ということである。年を取っているのをごまかしているということだ。
そのため、例えば肌がつるつるであっても、それは薬品でそうなっているの -
学生に伝えたいお金のこと:その1(1,749字)
2020-10-12 06:00110pt1先週の金曜日に京都にある龍谷大学の服部圭郎先生の授業とゼミでお話しさせていただく機会を得た。授業はzoomだったがゼミは教室で行われ、学生のみなさんと対話する機会も持てた。
そのときに感じたのは、みんなあまり「お金」のことに関して考えていないのではないだろうか?――ということだった。質疑応答などもあったのだが、みんな仕事のことは話してもお金のことは話さない。「ブラック企業に入りたくない」とは思っているようだが、「お金をたくさんもらいたい」とはあまり考えていないようなのだ。
「もらえるに越したことはない」くらいが彼らの実感だろう。もちろん、お金のとらえ方は人によって大きな差があるのだが、全体的に受けた印象として、お金のことを考えたり話したりするのはみっともないし、はしたないと考えているようだった。あるいは、お金よりももっと何か重要なことがあると考えているようでもあった。
さらにいえば、彼らは -
『アメリカン・マーダー』はぜひ見るべき(1,923字)
2020-10-09 06:00110ptNetflixで『アメリカン・マーダー』というドキュメンタリー映画を見て、少なからず衝撃を受けたので、今日はそのことについて書きたい。
アメリカン・マーダー – Netflix
ぼくは、このドキュメンタリー映画を何の予備知識もなしに見始めたのだが、しかしこの作品自体は、そういう視聴者向けの作りになっていない。
この作品は、アメリカで起こったとても有名な殺人事件を題材にしている。それは、アメリカ人なら誰もが当たり前のように知っているレベルだ。日本でいえば、種類は違うが「池袋暴走母子死亡事故」くらいに有名だろう。
そして、基本的にこの作品はアメリカ人向けに作っている。だから当然、監督は「誰が犯人か分かっている人」を視聴者として想定している。そのため、「ネタバレ」ということを想定していない。誰が犯人か分かっても問題ない。
それにもかかわらず、この映画の中ではなかなか犯人がネタバレしない。それは、 -
正解はあります:その3(1,718字)
2020-10-08 06:00110pt今回は、「正解はない」という価値観が広まった経緯について見ていきたい。
……といっても、結論はシンプルだ。それは「終戦」だ。終戦で、この考え方は日本に一気に拡散し、また瞬く間に定着してしまった。
そうなった理由の推察も、とても容易だ。戦前戦中、日本には「正解はある」という価値観が当たり前にあった。その中で、「鬼畜米英」「八紘一宇」「進め一億火の玉だ」などの「誤った価値観」が称揚された。これが「正解」だと、政府や大人たちは盛んに喧伝した。
ところが、それが終戦でひっくり返った。大きな誤りであったと認めた。
つまり、180度ひっくり返ったのだ。文字通りのコペルニクス的転回だ。
おかげで、昨日まで「鬼畜米英!」と叫びながら竹槍を突き刺す練習をしていた子供たちは、次の日から進駐軍に「ギブミーチューインガム」と英語でねだる羽目になった。
そうした強烈な「裏切り」の体験は、子供たちの心のうちに「二度と -
[Q&A]どうすれば「実現力」が身につくか?〔1,720字〕
2020-10-07 06:00110pt[質問]
実現力についてお聞かせください。
岩崎さんが自分で決めたことを実現するにあたり、最も重要だと考えていることは何ですか?
[回答]
やっぱり「状況俯瞰力」だと思いますね。
実現したいことというのは、無謀すぎると実現できませんが、簡単すぎると自分の実力が伸びず、実現できる範囲がどんどん狭まっていきます。ですから、常に「ちょっと実現が難しい」くらいを狙っていく必要があります。つまり、計画が何より大切なんですね。
そして、その計画において重要なのが状況を俯瞰する力、すなわち「状況俯瞰力」なのです。そのため、これがだいじということになります。
[質問]
岩崎さんが購読されているメルマガはどなたのものがありますか?
[回答]
ホリエモン、夏野さん、うしじまいい肉さん、大井昌和さん、岡田斗司夫さんです。岡田斗司夫さんはメルマガをほとんど配信しませんが、ニコ生を見るためにブロマガを取っています。 -
情報リテラシーはどうやったら身につくのか?:その3「美的感覚の『敵』とは?」(1,643字)
2020-10-06 06:00110pt情報リテラシーは、美的感覚を鍛え、感情を豊かにすることによって育まれる。それは、理論的にではなく感覚的に身につく。脳ではなく身体に染み込んでいくのだ。
そのため、一朝一夕で身につくものではない。反復が必要である。
また、一度身についたものが永遠に持続するわけでもない。たゆまぬメンテナンスが必要である。絶えず磨き続ける必要があるのだ。
「老害」という現象が起こるのは、そのためである。若い頃にすぐれた情報リテラシーを持っていた人が、年老いると明らかなデマでもコロッと信じてしまうようになることがある。最近では、高齢者のネトウヨ化をはじめ、情報リテラシーに乏しい老人が一種の社会問題となっているが、それは彼らが老人になったことによって情報リテラシーのメンテナンスを怠ったからだ。そうして、若い頃には有していたそれを失ってしまったのである。
このように、情報リテラシーを身につけるためには「反復」が欠かせ -
スピリチャルな人(2,087字)
2020-10-05 06:00110pt2はじめに、ぼくの立場をまず記しておく。
ぼくは、スピリチャルな人というのを、それだけでもって良い悪いとは判断しない。別の言い方をすれば、スピリチャルな人を差別しない。
ぼく自身、運命を信じたりするときもあり、自分がスピリチャルだと感じるときもある。完全なスピちゃんではないが、スピちゃんを頭から否定する人も、それはそれで一種のスピリチャルなので忌避している。
例えば、はてななどでありがちな科学万能主義・エビデンス絶対主義の人などは、きわめて盲目的なので、それこそがまさに「悪い意味でのスピちゃん」だと感じたりしているくらいだ。
ただ、ぼくのスピちゃん濃度は平均と比べたらかなり薄い方だろう。何でも合理的に分析し理解する癖があるので、スピちゃんの入り込む余地はきわめて少ない。
そういう立場から、ホリエモンが入った餃子店の店主について考えてみたい。
ホリエモンが、尾道の餃子店に入ろうとしたところ、店
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