ハックルベリーに会いに行く
世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その54(2,201字)
『スーパーマリオブラザーズ』とは何か?
それは、一言で言えば「日本の美的感覚の集約」である。とても日本的な作りになっているのだ。
『スーパーマリオブラザーズ』に見られる「日本の美的感覚」は、大きく分けると以下の三つになるだろう。
1.狭いところに詰め込む
2.空気を読む
3.翻訳世界のごった煮
まず、「狭いところに詰め込む」。
『スーパーマリオブラザーズ』(およびファミコン)には、決定的な弱点があった。それは、「容量が少ない」ということだ。メモリが足らず、情報量の多いゲームが作れなかった。
その中で、画面がスクロールするゲームを作ったのだ。しかも、それを膨大な面数作った。そこには、容量を減らすための徹底的な工夫があった。
日本人は、かねてから貧乏性ということがあり、物を「減らす」ということが苦手である。それよりも「足す」ことの方が好きだ。だから、黙っているとごてごてとした装飾になりやすい。
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