ハックルベリーに会いに行く
世界的なプロダクトを生み出す日本の美的感覚:その70(1,849字)
『未来少年コナン』というのは、特別な作品である。よく「デビュー作にはその作家の全てが現れる」というが、それでいうと宮﨑駿のデビュー作である『未来少年コナン』には、文字通り彼の全てが現れている。
宮﨑駿の映画の作り方の特徴として、「結末を決めずに作り始める」というのがある。絵コンテはおろか台本も作らないまま制作をスタートさせるのである。
これは、映画においては宮﨑駿以外、国内、国外を問わず誰一人として採用していない方法だ。しかしテレビでは比較的一般的な方法でもある。テレビでは、台本や絵コンテを完成させないままスタートすることが少なくない。
宮﨑駿が『未来少年コナン』以前に手がけたテレビシリーズ『アルプスの少女ハイジ』や『母をたずねて三千里』も、そういう作り方をしていた。そしてデビュー作である『未来少年コナン』も、シナリオや絵コンテを完成させないまま作り始めたのである。
いや、それはもっと過酷
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