感情がない人は「冷笑的」だ。メタ的な立場を装って、物事を俯瞰で見る。それも、まるっきり俯瞰というわけではなく、斜めから見る。そして腐す。

なぜそうするかといえば、斜めのポジョンを取ることで、自分の立場を有利にできるからだ。相手よりいくらか上位に立てる。

冷笑的な人間は、相手より優位に立ちたい気持ちを常に抱いている。そして、斜めからものを見ることによって、相手より優位に立つ。このとき、物事を斜めから見ることの副作用として、冷笑的になり、感情を失う。

そのため、感情を取り戻すには、この逆をする必要がある。つまり、相手より優位に立ちたい気持ちを捨て、物事を斜めから見るのをやめる。その逆に、ぐっと肉薄して、いやいっそその内側に入り込んで、そこから主観的な眼差しで見る。つまりは、「当事者」になるということだ。「自分ごと」にするのである。

では、人はどうすれば物事を「自分ごと」にできるか? その前に、