ハックルベリーに会いに行く
マンガの80年代から90年代までを概観する:その73(1,762字)
この連載は、今回で一旦終わりとしたい。
マンガに限らず、日本全体の歴史を振り返ると、1980年に大きな境目がある。これ以前と以降とで、はっきりと断絶している。
それに比べると、バブル崩壊などは小さな変化だ。バブル崩壊は、バブルが始まったときにすでに予感されていた。一般には1985年のプラザ合意によってバブルが起こったとされるが、その前からすでに実態経済は縮小が始まっていた。80年代は、実はそれほど上手くいってなかったのだ。
ただ、60年代までの成長があまりにも凄まじかったので、その余波で好況に見えていただけだ。つまり見せかけの好況だった。その意味でもバブルだった。
しかしそう考えると、逆に面白く見えるのが80年代の特徴でもある。どこまでも偽物の時代だ。こういう時代は貴重である。
アメリカでは1920年代(狂乱の20年代)とか1950年代(パスク・アメリカーナ)がこれに当たる。パリでは19世
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