ハックルベリーに会いに行く
令和日本経済の行方:その18(1,638字)
大正は1912年に始まり1926年に終わる。明治が45年続いた後だったので、近代化は一通り終わっていた。また、1904年から1905年にかけての日露戦争に勝利した後だったので、日本が日の出の勢いを実感していた時期でもあった。
世界的には、なんといっても第一次世界大戦が起こった。1914年から1918年にかけて起こったので、まさに大正時代のただ中というになる。
この大戦によって、日本には空前の好景気がもたらされた。特にヨーロッパの製糸産業、紡績産業が甚大な被害を受けたので、日本がその間隙を縫って世界中で糸や生地のシェアを拡大した。
トヨタの前身である豊田織機もこの時期、その波に乗って急拡大した。発明王・豊田佐吉の象徴ともいえるG型織機は、1925年――大正14年に完成している。これが世界中で売れたので、自動車製造に乗り出すことができたのだ。
しかしながら、そうした光とは裏腹に、大正には濃い影
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