ハックルベリーに会いに行く
偽物の個人時代:その4(1,744字)
2020年代は「偽物の個人主義時代」で、それは1920年代の「偽物の自由競争時代」、1970年代の「偽物の情報化時代」と似ている。どちらも先に偽物の時代が到来し、本物が到来するのはその20年後だ。
しかし、社会や人々の熱量でいえば、本物の時代より偽物の時代の方が大きい。なぜかというと、価値観が確定していない分だけ社会や人々の運動量が大きいからだ。さまざまな価値観が玉石混淆、大小取り混ぜてぶつかり合っている。だから、非常に面白い。
実際、2020年代は面白い。今まさに価値観が急激に変化していて、昨日までの常識が今日の常識ではなくなっている。
こんなことは、ぼくが生まれてからは初めてだ。今から半世紀前の1970年代は、もう生まれてはいたのだが、まだ幼かったので実感はなかった。
しかし今振り返ると、1970年代も熱かった。大阪万博の明るさで幕を開けたと思ったら、学生運動とそれに続く左翼運動が暗い
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