ハックルベリーに会いに行く
1994:その33(1,829字)
1988年初頭のときのぼくの学年を、前回「大学二年」と書いたが、正しくは「大学一年」であった。
ぼくが大学生に入ったのは1987年4月で、その年の7月に19歳になっている。だから、1988年初頭はまだ19歳の未成年だった。その未成年最後の冬に、武蔵小金井駅のキオスクで買った「漫画アクション」誌を、東京行きの中央線を待ちながら階段下のホームのところで読んでいたのだ。
そうしてぼくは、いつものように『迷走王ボーダー』から読み始めた。なぜなら、マンガ雑誌は好きな作品から読むようにしていたからだ。そのため、まだ電車が来る前にホームで読むことになったのである。買ったその場ですぐに読んだのだ。
すると、そこで衝撃を受ける。はじめは意味が分からなかった。タクシーに乗った主人公の蜂須賀が、ラジオから流れてきたとあるバンドの曲にいたく感動するのだ。そうしてアパートに帰ると、友人で隣人でもある木村がたまたまそ