チャハル作戦は1937年8月9日に始まった。これは関東軍の参謀長である東條自らが指揮して大きな成果を上げた。

ところがその直後、東條と、そして石原莞爾の運命を大きく変えるあるできごとが起こる。それは人事である。中央の参謀本部第一部長だった石原莞爾が、異動でなんと関東軍の参謀副長へと配置換えになるのである。つまり東條の真下に就くこととなったのだ。

これまで、東條と石原は同じ一夕会だったから旧知の間柄ではあった。しかし同じ部署になったことはなく、それ以前に親しく交際したこともなかった。だから、お互い有名人でありどういう人間かは知っていたのだが、しかしもう一方では深く知り合っていないところもあった。

だからこのときが、両者が初めて接近した瞬間となった。それはお互い離れた場所を飛んでいた衛星が、たまたま軌道の関係で重なり合ったというような状況だった。本来は重なり合うはずのないものが、運命のいたずら