
石原莞爾と東條英機:その82(1,759字)
ぼく自身はここまで書いてきて第二次大戦のことがようやく分かってきた。連載82回を重ねてようやく見えてくるものがある。これを現代人が理解するのはまず無理だ。到底不可能といっていいだろう。よっぽど近代史に純粋な興味のある人しか理解できない。思想的な思惑が挟まっては全く理解できなくなる。
東條英機はこのときまで強運の連続だった。久留米でクビ寸前だったのが永田鉄山の死で鮮やかに蘇る。支那事変のときにたまたま満州に居合わせ、遠征軍を指揮して軍功を上げる。その後、政治的な思惑から事務次官に取り上げられ、拡大派の神輿として最後は敵と差し違えてクビになるという、ある意味では立派な政治的最期を(一旦は)遂げる。
そうしてノモンハン事件、独ソ不可侵条約、第二次世界大戦の勃発という日本史を揺るがすできごとが三つも起こった1939年、閑職にいて、全ての責任を免れるのである。
「東條は持っている」
このとき
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