
1994:その50(2,083字)
ぼくがバハマの首都ナッソーにあるリンデン・ピンドリング国際空港に降り立ったのは、ちょうど日付が変更するくらい、つまり深夜0時だった。空港内の人影はまばらだったが、それでもタクシーは待っていた。すぐに乗り込むことができ、宿泊する「パラダイス・アイランド・ホテル」の名前を告げると、気さくな運転手は「あいよ」という感じで走り出した。
そのときの街灯が強いオレンジ色だったことが今でも印象に残っている。日本の街灯は、トンネル内以外はだいたい白なので、オレンジの中を走っているとなんとも幻想的なのだ。
今調べたら、この街灯は街全体を明るくするためにオレンジ色にしているのだそうだ。これも24時間運営しているカジノのためで、要はラスベガスのように「眠らない街」を演出しているのである。
ホテルに着くとすぐに吉野さんに電話をした。ぼくは携帯を持っていなかったが、吉野さんはその年に買ったばかりのムーバを持って
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コメント
コメントを書くすごく面白いです
>>1
ありがとうございます!