
野球道とは負けることと見つけたり:その26(1,971字)
蔦文也は1923年の生まれである。『二十四の瞳』に登場する子供たちが1921年(大正12年)の生まれで文也よりも2歳上。『この世界の片隅に』の主人公・浦野すずは1925年生まれの設定なので2歳下である。ちなみにぼくの母方の祖母は1923年生まれなので同い年だ。
この世代は、青春の真っ只中に戦争がぶつかった。つまり最も運の悪い世代ということができよう。だいたい大正10年代の生まれである。大正15年生まれ(1926年生まれ)が、終戦時には19歳だった。
そのため昭和生まれは、その多くがぎりぎり出征を免れた。おかげで、昭和生まれと大正生まれの間には深い断絶ができた。
その昔、「昭和一桁」という言葉があった。というのも、この世代の人々には独特の心性があって、それは他の世代と比べて際立っていたからだ。
その心性とは、とことん疑り深いということである。他人を信用しないということだ。彼らは自分しか
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