鈴木敏夫氏と落合博満氏は仲がいい。個人的に親しくしているし、鈴木氏から落合氏への仕事の依頼もちょくちょくしている。ジブリの機関誌にも落合氏は連載を持っていた。

なぜ鈴木氏は落合氏を重用しているのか? それは落合氏が観察対象として適切だからではないかと思う。ではなぜ観察対象なのかといえば、それは落合氏が本質と非本質の両者を行き来する存在だからだ。だから、本質と非本質を見極めたい鈴木氏には、格好のサンプルになる、というわけである。

そんなふうに本質と非本質を行き来する人物で、鈴木氏が観察対象にしていた人間は他にもいる。糸井重里氏、立花隆氏、庵野秀明氏などである。この三人には共通点がある。皆、プロの声優でも役者でもないのに宮崎駿映画の声を担当したということだ。それも主役級である。

宮崎映画の声優の人選は、基本的に鈴木氏がする。それを宮崎駿氏に提案し、OKならば採用される。そこまで詳しくは知