ハックルベリーに会いに行く
「乙案」とは、アメリカとの和平交渉における日本の要求項目のことである。内閣で決まったこの案を、東條英機が天皇に上奏した後、11月20日にアメリカに正式な文書として提出された。
そこでアメリカの反応を待っていたのだが、6日後の11月26日に、アメリカのコーデル・ハル長官から返答があった。ただし、それは公文書という形ではなく、「覚書」という形式で伝えられた。
これを俗に「ハル・ノート」という。「ノート」が覚書という意味だ。ハルが覚書にしたのは、正式な文書として回答する前に、素早く意向を伝えるためである。つまり交渉の下案のようなものだ。まず概要を伝えるから、そちらの反応を聞かせてくれ、と日本に問いかけたのである。
このハル・ノートが、強烈なメッセージ性を伴っていた。それは、日本の乙案をほとんど認めないのみならず、さらに厳しい要求を、アメリカ側から突きつけてきたからだ。それはほとんど、「アメ
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