ハックルベリーに会いに行く
ハルノートの内容を知った東條英機は、腹の中では開戦を即決したが、一応「開戦を避けるためにハルノートを受諾するとどうなるか」ということも考えてみた。メモ魔の彼は、そのときの思考を文章として残している。それは以下のようなものだ。
『帝国は一事の小康を得よう。だがそれは英米に死命を制されることになるだけで、小康というのも重症患者にモルヒネを射つていどの意味しかない。英米の意思で死命を断たれることになる。また中国大陸からの後退は、支那の不法行為を増大することになり、帝国の威信は失墜する。貿易は後退し国民生活は不信になる。三国同盟に至っては帝国の行動が功利主義に出るものとの印象を世界に与え、「義」を重視してきた帝国の態度に汚点をのこす』
断っておくと、ここに書かれている「帝国」とは「日本」のことである。
この文を読むと、東條英機は表面的には極めてバランス感覚の整った人間だということがよく分かる
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