みなさんは、「理想の建築」というものがあるのをご存じだろうか。あるいは建築とは何かという問いに対する答え、建築の黄金比のようなものがあるのをご存じだろうか。建築のお手本だ。そういうものがこの世の中には存在する。

しかも多数存在する。それは何かというと神社仏閣である。この日本の多くの街や町にある建築こそ、理想の建築なのだ。それは日本においてそうなのだが、世界的に見ても非常にすぐれているといえる。

例えば法隆寺は世界最古の木造建築であるが、それが残ってきた理由の一つとして、「単純に建築としてすぐれている」ということがある。それも究極的にすぐれている。モナリザのようなものである。だから千年もの風雪に耐えられるのだ。

しかし多くの人が、残念ながらそのことを知らない。神社仏閣を見る人は、たいていその材料である木が千年、あるいは数百年持っていることに感心する。あるいは神社や寺社という組織が数百年