ハックルベリーに会いに行く
前回書き忘れたのだが、石原莞爾が開戦を知った時に涙を流したのには理由がある。それはかつての部下を思ってのことだ。かつての部下の気持ちを慮って、「ああ彼らは今、嬉しいだろうな」と思い、感動の涙を流したのだ。
岡田斗司夫さんは、「感動の涙は罪悪感の裏返し、もしくは罪悪感が洗い流されたことの爽快感」と言っていて、なるほどなと思った。例えばヒーローが困っている人を助けたとき、そこには観客の「自分は助けられなかった」という罪悪感がある。その罪悪感をヒーローが洗い流してくれるから、感動の涙が流れるのだ。
このときの石原もまさにそうで、罪悪感が洗い流されたから涙が出た。では石原の「罪悪感」とは何か?
それは、自分は戦争を始められずに、部下たちに迷惑をかけた――という罪悪感だ。自分は戦争を始められなくて本当に申し訳ない――そういう後ろめたさを、石原はずっと抱えていた。それが、皮肉にも東條が戦争を始め
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