ハックルベリーに会いに行く
よくよく考えてみると、広重や北斎の版画には「夕景」というものがほとんどない。北斎には夕景をテーマにした絵が数枚あるが、見てみるとほとんど夕景の体を成していない。つまり明るすぎる。また広重は、若干数江戸の夕景や夜景を描いているが、これもやはり明るいし、また昼間の景色から比べると圧倒的に少ない。
江戸時代、吉原だけは「不夜城」などと呼ばれ一晩中明かりが灯っていたらしいが、それ以外はほとんど夜更けと共に真っ暗になっていた。だから時代劇などでは江戸の街中のシーンでも真っ暗な場面が良くある。都会のど真ん中でも真っ暗だったから、忍者などが活躍しそうという想像が膨らんだのだ。
そんなふうに、昔は夜が普通に真っ暗だった。それゆえ、夕暮れというのはせわしなかった。日が暮れてしまうと真っ暗になって何をするにも不都合になる。
だから、家にいる者は夕餉がまだなら夕餉の支度、夕餉が済んでいれば寝る支度を手早く
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