この連載を書いていて思うのは、ぼく自身がいかに戦前、そして戦中のことを知らないかということだ。終戦のことしか知らない。あるいはせいぜい東京大空襲と原爆くらいである。それ以前の、そもそもなぜ戦い、どう戦ったのかを知らない。どう負けたのかを知らない。

なぜ知らないかというと、戦後の日本がそれを伝えないという選択をしたからだ。しかしこれは、はっきりいって異常なプロパガンダだ。この異常なプロパガンダが、80年間も続いてきた。だから日本は、今でもある種のカルト教の信者たちの集まりのようなものとなっている。それが良い方に作用したこともあるにはあったが、基本的には妄想の中に生きている迷走した人々ということができよう。

しかし日本人には面白い知性もある。それはピンチになると集団無意識の力が強く働いて、良い方向に急転換するということだ。例えば現代も、日本人は失われた30年間を脱し、とても良い方向に向かっ