『ベルサイユのばら』は1972年に14歳くらいの少女に向けて描かれている。つまり1958年生まれくらいの世代に向けて描かれている。

この世代はしらけ世代と呼ばれている。1972年にちょうど浅間山荘事件があって、世の中の連合赤軍や共産党に対するまなざしが一気に冷めた。

そのときちょうど多感な中学生だった1958年生まれは、前の世代(団塊の世代)が夢中になっていた学生運動や共産主義に一気にしらけた。そういう世代なのだ。

だからしらけ世代と呼ばれている。この世代に共通の価値観は「熱くなったらバカだ」というものだ。それは団塊世代が熱くなりすぎ、それゆえに失敗したことへのアンチテーゼから来ている。

しかしながら「熱くなったらダメだ」と思うことは、同時に熱く思うことへの憧憬もあるということだ。自分の中に、熱くなりたいと思う気持ちがくすぶっている。そういうふうに、隠された熱さ、隠された情熱という