東條英機は日本型精神論を振りかざす人物だった。そしてこれにほとんどの国民が抵抗できなかった。そこが太平洋戦争の最も醜い部分かもしれない。しかし見方を変えれば最も美しい部分だ。なぜなら日本の精神論は日本文化の根幹にして象徴的な存在だからだ。またそれは、日本の美に依拠している。日本の美と深い相関関係がある。

日本型精神論の最も根本に「個の軽視」というものがある。代わりに「和の重視」がある。言い換えると集団、民族、国家の重視である。個人ははっきりとこれに属し、奉仕する存在であると位置づけられる。

これはまさしく「集団主義」「国家主義」と呼べるようなものだ。今では否定されているが、日本は明治維新より前の江戸時代からずっとこれだった。江戸時代は日本という国家もあったが、それよりも藩が「くに」だった。だから、藩に所属するという意識が強かった。

そして江戸時代より前の戦国時代の頃から、個人特に侍は