ハックルベリーに会いに行く
みなさんは『みゆき』というマンガをご存じだろうか? あだち充の傑作である。『タッチ』があまりに有名でその前に霞んではいるが、実は『タッチ』の直前に描かれた作品であり、『タッチ』につながる重要なテーマの萌芽がそこにある。
そのテーマとは、まさに「1980年代型恋愛」である。
マンガ家を含めた「文学者」はやはりすごい。まだ名前も輪郭もない新しい価値、新しい概念を、作品という形として記録するのである。あだち充は、ドストエフスキーや夏目漱石にも匹敵する大文学者である。彼はマンガという1980年的なメディアで、1980年における新しい価値の誕生を予言的に記録した。
『みゆき』の連載は1980年から1984年である。つまり連載開始時にはまだ1980年型恋愛は生まれていなかった。いや生まれてはいたがまだはっきりとその姿を表していなかった。
それが5年間くらいの時間
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