アッツ島はアリューシャン列島の西の方にある有人の島である。アメリカの国土であるが、アメリカ本土から最も遠いところにあるので守備が手薄だった。原住民数十人とアメリカの気象庁が派遣した通信士夫妻が暮らしているだけで、軍事施設はなかった。

この島のことを、日本海軍は開戦前から注目していた。ここを活用すれば、アメリカ領土獲得の足がかりにもできるし、ソ連との補給路も絶てる。ただしアメリカ本土からあまりにも離れているので実用性は薄かった。

ところが、1942年四月の東京空爆によって、「日本に近いところに飛行場を築かれるとまずい」ということが分かった。そして日本に一番近いアメリカの国土で、飛行場を築けそうなところの第一候補がアッツ島だった。またこの頃、ミッドウェーでの開戦も決まったため、アッツ島はそれへの足がかりとしても機能することが期待された。

そこで1942年6月に、陸軍の兵士1000名あまり