19世紀の後半から製鉄の技術が格段にアップした。そうした中で鉄骨による建築が作られるようになった。

そのとき、建築史に残る重要な出来事が起こる。1889年のパリ万博で、エッフェル塔が作られるのだ。

この塔は、フランスの「技術力」をアピールする目的で作られたので、建築家ではなく技術者が席巻した。その技術者の名こそギュスターヴ・エッフェルである。

エッフェル塔はあくまでも「技術的な建築」なので、建築家が建てるものではなかった。この頃の建築家は、装飾がメインだった。というのも、建築の技術は石積みしかないので、装飾以外にすることがなかったからだ。

そんなふうに技術者が作ったエッフェル塔は、建った後に建築家から酷評を受ける。「こんな醜いものがパリに建ったとは芸術の都の名折れだ」と、いわゆる炎上状態になる。

ところが、それは主に建築家や旧来からの芸術家が言っていたことで、市民の反応はまるで違