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株式会社ピースオブケイクは、インターネットマガジン「cakes」や、クリエイターの作品発表とそのマネタイズを支援するサイト「note」を提供していることでお馴染みのITベンチャーだ。270万部を超える大ベストセラー『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(通称『もしドラ』)の編集者を手がけた加藤貞顕さんが、2011年に立ち上げた。
今回、そのピースオブケイクが渋谷の道玄坂に引っ越したとのことで、新オフィスを取材させていただいた。あわせて、加藤さんが新しいオフィスにかけた思いや、部屋作りを通じた会社の経営方針などについても伺った。
ピースオブケイクを訪れると、まず目に飛び込んでくるのはグリーンに彩られた「本棚」である。
この本棚は、エレベーターホールとオフィスとを隔てるゆるい間仕切りになっており、双方から向こうを透かし見ることができる。
そのため、エントランスに圧迫感がなく、訪問者がリラックスしやすい。中の雰囲気が分かるし、小さな声でも呼びかけられるので、余計な緊張を強いられないのだ。
「エントランス」というのは、経営者によっては訪問者にあえて緊張を強いるよう、排他的な作りになっているところも少なくない。しかしピースオブケイクの場合は、加藤さんのフレンドリーな人柄を反映してか、非常に親しみやすくなっているのだ。
さらに、オフィスの中に入ると、ここでも特徴的なのは「間仕切りの薄さ」である。
ピースオブケイクの組織は、経営チーム、開発者チーム、編集チームと大きく分けて3つの部門に分かれているのだが、それぞれのチームはデスクが島を形成しているだけで、相互を隔てる壁はここにも存在しない。
これも、社員に余計な緊張を強いず、かつ交流を密にして、さまざまなコラボレーションを生まれやすくするための取り計らいだろう。
続いて、部屋の奥の大きな通りに面した日当たりの良い場所は、誰もが使えるコモンスペースとなっている。
ここは、会議に使うこともあるそうなのだが、たいていはお昼を食べたり、お茶をしたりといった、リラックススペースとしてとして活用しているのだという。
確かに、窓際のベンチに腰掛けながらお茶をいただくと、ホッと一息つくことができる。
それとは反対側のもう1つの奥まった場所には、経営者である加藤さんのデスクがある。
加藤さんのデスクをここにしたのは、『もしドラ』作者である岩崎夏海氏の「ヘヤカツ」を参考にしてのことだそうだ。
「ヘヤカツ」理論には、部屋の中の人が通る道――いわゆる「動線」は汚れにくい、という考え方がある。なぜなら、人は動線に余計なものがあると通れないので、自然と片付けるようになるからだ。
そのため、あえて動線を長くすると、部屋の中がよりきれいに片付く。特に、会社の顔ともいえる経営者の動線は、一番長く――つまりデスクを入り口から最も遠いところに置くが理想的なのだ。
その通り、加藤さんのデスクは入り口から最も遠いところにあったのだが、部屋は見事に片付けられていた。それに加え、動線を通る際に社員と会話することもよくあるそうで、自然とコミュニケーションが活発になったとのことだった。
もう一つ、このオフィスで目立っていたのはスタンディングデスクだ。
ここは、社員のみなさんがコーヒーブレイクを楽しんだり、あるいはちょっとした打合せなどにも使われたりしているのだという。
ITや編集の仕事だとどうしても座っていることが多いため、スタンディングデスクは気分転換を図るのに大きな効果を発揮するらしい。実際この日も開発部の方々が、外部の方のスカイプも交え、この場で打合せをしていた。
ピースオブケイクは、そういうオープンなオフィス空間に加え、閉じられた会議室が2つある。
1つは、10人以上が参加できる大きな部屋。
ここは、大通りに面しているということもあり、どちらかというと開かれた印象。
もう1つは、奥まった場所にある小さな部屋。
ここは、大きい会議室に比べると、どちらかというと閉じられた印象である。
そういう風に、2つの性質の異なった会議室を持つことで、会議の内容によって部屋を使い分けているのだ。
ヘヤカツの理論でいえば、人は部屋というものから大きな影響を受ける。そのため、会議の内容も自ずと部屋の雰囲気に左右される。大きな会議室ではよりオープンなコミュニケーションが促進されるし、小さな会議室ではより濃密なコミュニケーションが展開される。
こうしてみると、ピースオブケイクにはいくつもの「会議室」があることが分かる。
これは、経営者である加藤さんの「人と人とのつながりをだいじにする」という経営姿勢が現れたものだろう。
ピースオブケイクでは、会議をするといっても、単に形式的にものごとを進めるのではない。人と人とが交流する中で、思わぬ形のケミストリーが生まれ、それがコンテンツやアイデアにつながることを狙っているのだ。
そのため、各会議室には人々のインスパイを促すために、グリーンやテーブルなど、インテリアにも凝っているのである。
このように、ピースオブケイクは人々がよりクリエイティブになるための工夫があちこちに施されていた。
より詳しい内容は、ぜひこちらの動画からご覧ください!
岩崎夏海のヘヤカツオフィス探訪#01「株式会社ピースオブケイク」前編
岩崎夏海のヘヤカツオフィス探訪#01「株式会社ピースオブケイク」後編
「部屋を活かせば人生が変わる」
「部屋を活かせば頭が良くなる」
「50からの老いない部屋づくり」
今回、そのピースオブケイクが渋谷の道玄坂に引っ越したとのことで、新オフィスを取材させていただいた。あわせて、加藤さんが新しいオフィスにかけた思いや、部屋作りを通じた会社の経営方針などについても伺った。
ピースオブケイクを訪れると、まず目に飛び込んでくるのはグリーンに彩られた「本棚」である。
この本棚は、エレベーターホールとオフィスとを隔てるゆるい間仕切りになっており、双方から向こうを透かし見ることができる。
そのため、エントランスに圧迫感がなく、訪問者がリラックスしやすい。中の雰囲気が分かるし、小さな声でも呼びかけられるので、余計な緊張を強いられないのだ。
「エントランス」というのは、経営者によっては訪問者にあえて緊張を強いるよう、排他的な作りになっているところも少なくない。しかしピースオブケイクの場合は、加藤さんのフレンドリーな人柄を反映してか、非常に親しみやすくなっているのだ。
さらに、オフィスの中に入ると、ここでも特徴的なのは「間仕切りの薄さ」である。
ピースオブケイクの組織は、経営チーム、開発者チーム、編集チームと大きく分けて3つの部門に分かれているのだが、それぞれのチームはデスクが島を形成しているだけで、相互を隔てる壁はここにも存在しない。
これも、社員に余計な緊張を強いず、かつ交流を密にして、さまざまなコラボレーションを生まれやすくするための取り計らいだろう。
続いて、部屋の奥の大きな通りに面した日当たりの良い場所は、誰もが使えるコモンスペースとなっている。
ここは、会議に使うこともあるそうなのだが、たいていはお昼を食べたり、お茶をしたりといった、リラックススペースとしてとして活用しているのだという。
確かに、窓際のベンチに腰掛けながらお茶をいただくと、ホッと一息つくことができる。
それとは反対側のもう1つの奥まった場所には、経営者である加藤さんのデスクがある。
加藤さんのデスクをここにしたのは、『もしドラ』作者である岩崎夏海氏の「ヘヤカツ」を参考にしてのことだそうだ。
「ヘヤカツ」理論には、部屋の中の人が通る道――いわゆる「動線」は汚れにくい、という考え方がある。なぜなら、人は動線に余計なものがあると通れないので、自然と片付けるようになるからだ。
そのため、あえて動線を長くすると、部屋の中がよりきれいに片付く。特に、会社の顔ともいえる経営者の動線は、一番長く――つまりデスクを入り口から最も遠いところに置くが理想的なのだ。
その通り、加藤さんのデスクは入り口から最も遠いところにあったのだが、部屋は見事に片付けられていた。それに加え、動線を通る際に社員と会話することもよくあるそうで、自然とコミュニケーションが活発になったとのことだった。
もう一つ、このオフィスで目立っていたのはスタンディングデスクだ。
ここは、社員のみなさんがコーヒーブレイクを楽しんだり、あるいはちょっとした打合せなどにも使われたりしているのだという。
ITや編集の仕事だとどうしても座っていることが多いため、スタンディングデスクは気分転換を図るのに大きな効果を発揮するらしい。実際この日も開発部の方々が、外部の方のスカイプも交え、この場で打合せをしていた。
ピースオブケイクは、そういうオープンなオフィス空間に加え、閉じられた会議室が2つある。
1つは、10人以上が参加できる大きな部屋。
ここは、大通りに面しているということもあり、どちらかというと開かれた印象。
もう1つは、奥まった場所にある小さな部屋。
ここは、大きい会議室に比べると、どちらかというと閉じられた印象である。
そういう風に、2つの性質の異なった会議室を持つことで、会議の内容によって部屋を使い分けているのだ。
ヘヤカツの理論でいえば、人は部屋というものから大きな影響を受ける。そのため、会議の内容も自ずと部屋の雰囲気に左右される。大きな会議室ではよりオープンなコミュニケーションが促進されるし、小さな会議室ではより濃密なコミュニケーションが展開される。
こうしてみると、ピースオブケイクにはいくつもの「会議室」があることが分かる。
これは、経営者である加藤さんの「人と人とのつながりをだいじにする」という経営姿勢が現れたものだろう。
ピースオブケイクでは、会議をするといっても、単に形式的にものごとを進めるのではない。人と人とが交流する中で、思わぬ形のケミストリーが生まれ、それがコンテンツやアイデアにつながることを狙っているのだ。
そのため、各会議室には人々のインスパイを促すために、グリーンやテーブルなど、インテリアにも凝っているのである。
このように、ピースオブケイクは人々がよりクリエイティブになるための工夫があちこちに施されていた。
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岩崎夏海のヘヤカツオフィス探訪#01「株式会社ピースオブケイク」前編
岩崎夏海のヘヤカツオフィス探訪#01「株式会社ピースオブケイク」後編
「部屋を活かせば人生が変わる」
「部屋を活かせば頭が良くなる」
「50からの老いない部屋づくり」
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