これからの世の中は「呪いの処方箋」が重要になるだろう（1,758字）

これからの世の中は「呪いの処方箋」が重要になるだろう

「呪い」というと、オカルトチックなものを想像する人も多いかと思うが、実際はもっと現実的で、もっと身近で、もっとカジュアルなものだ。今日はそのことについて書きたい。

日本人なら、呪いと聞くと丑三つ時にわら人形を五寸釘で刺すこと――を想像する人が多いのではないだろうか。あるいは、アフリカの呪術師が怪しげなまじないで誰かを呪い殺す――などという話もどこかで聞いたことがある。

そういう空想上の世界のことのように思えるが、実際には、誰でもよく使っていることなのだ。

例えば、部下を怒るとき、こういう言い方をする人がいる。

「おまえ、最近評判悪いよ」

これが呪いである。

どういうことかというと、その人の心に心理的な不安を植えつけるのである。

「おまえ、最近評判悪いよ」という言葉のミソは、誰だか分からない、しかも複数が、自分に対して悪意を抱いている、と