今週も前週に引き続いて、2013年の「文藝春秋」に掲載された「月刊日記」の後半を紹介します。

たった二年前のことなのに、読み返して、ほとんど覚えていないことに驚きです。と同時に、毎日、やたらに飛び歩いているのだなあとあらためて思いました。今でも、週に一、二回は東京に出張していますし、多い時は四泊くらいしています。ちなみに来週は東京二泊、名古屋一泊、長野二泊の予定です。しかし、二年後にはすっかり忘れていることでしょう。

 

 

【百田尚樹の日記:201351日~17日】

 

●五月一日(水)

 来月からPHP研究所発行の「Voice」という月刊誌に連載を開始するクラシックエッセイの原稿を書く(四百字詰め十二枚)。実はこの連載、二月までKKベストセラーズの「一個人」で二年近く連載していたのだが、事情があって中止となっていたのを「Voice」で復活連載することになったものだ。毎月、ぼくの偏愛するクラシックの名曲を解説風に綴るエッセイだが、第一回はバッハの「ゴルトベルク変奏曲」。ただ、連載再開は嬉しいが、残念なのが枚数は増えて原稿料が減ったことだ。