先週に引き続いて、私が櫻井よしこ先生と「美しい日本の憲法を作る会」に依頼されて製作した「憲法改正DVD」についてのインタビュー記事をお送りします。
今週はその後編です。
百田尚樹「憲法改正DVD」についてのインタビュー、②
軍隊こそ抑止力
―― 三番目のテーマ、このままこの憲法でいったら日本は危ういということについて。
百田日本国憲法が作られて70年の間に世界は大きく変わりました。かつての敵アメリカは同盟国となりました。一方でここ10年、20年で日本を脅かす国が出てきた。中華人民共和国です。中国は領土的野心をあからさまにして、周辺諸国の島々を奪い、日本の尖閣、さらには琉球も取ると宣言しています。軍事費は毎年10パーセントの増強というからすさまじい。いま世界で一番やっかいなのはISと中国だと思います。もちろん北朝鮮の拉致もありますし、韓国も竹島を奪ったままです。
通常の国でさえ、相当な覚悟でもって対処しなければいけない国際環境なのに、日本は憲法という足枷をはめられてがんじがらめの状況にあります。このままでは、国民の生命、国土を守り通すことは到底できません。
――ところが、国民の中には、武力をもってしても国を守るという考え方自体、戦争につながる、戦争は絶対嫌だという情緒的な反応が根強く、正常な判断ができにくい状態があると思われます。こういう〟〝平和ボケ〟はどのように説得していったらいいのでしょうか。
百田 難しいですが、一つひとつ説得していくしかないですね。この映画では、この憲法を持っていることこそがより一層国民の命を脅かすものであるということを強く訴えています。この視点はぜひ深めていただきたいですね。
たしかに、20世紀以前は軍隊が他国を侵略するために使われた面も多かったでしょう。しかし21世紀の今日では、軍隊こそが戦争をしないための抑止力なのです。