第二回です。
ここからご覧になった方は、前回からお読みになることをお勧めします。
兵頭新児による二次創作、「ぼくのかんがえた『モテモテ王国』最終回」です。
いや、読みましたよ、『第三世界の長井』。
しかし正直難解すぎてよくわからん!
小ネタとかキャラクターの奇行という「笑いどころ」は『モテモテ王国』と同様に抑えているはずなのに、あの捉え難さは何なのか。例えば『モモ王』は小学生読者が読んでもかなり笑えたと思うけど、『長井』はそういう感じでもなし、コアな読者以外はどう対処してるのか……と言いつつ、女の子の可愛さは格段に上がっていて、それだけで客が呼べそうな辺り、やっぱり漫画はずるいですな。ラノベだとそうはいかん(仮に萌え絵師をつけたとしても、劇中で「機能を果たす」だけのキャラに読者が萌えるものかどうか……)。
さて、それでは。
* * *
「こんな……!?」
眼下の景色に、オンナスキーはただただ信じられない思いで息を飲んでいた。
――知佳さんに連れられ、オンナスキーとファーザー、そしてブタッキーは「軌道エレベータ」に乗って、あの塔を昇っていった。
そしてその窓から眼下を見下ろした時、オンナスキーの目に飛び込んできたのは、ひたすらに広がる荒廃した砂漠であった。
自分たちの乗っているこの「エレベータ」は、その砂漠の中にぽつんと生えている一本の巨木の幹の中を走っているようなものだ。そして、自分たちの住んでいた街は、この巨木の根っこのようなものだった。
――確かにぼくは町田を出たことがない。
しかしその外にもずっと街が続いているはずだ。
はずではあるが、そのことは知識としては持っていたが、しかし街を出た記憶は、考えると確かにぼくにはなかった。
「おい、見ろよ!?」
隣のファーザーの肩を叩くが――しかしファーザーはただ惚けたような顔をしているのみだ。
――仕方ない、コイツはナオンのこと以外は見事なくらい何も考えてないからな――。
オンナスキーは思うが、しかし。
一瞬、既視感に襲われる。
この街の様子、以前にどこかで見たような――そうだ、コイツが漫画に描いた「エレガントシティ」。
町田の姿は、まるで「エレガントシティ」だ。町境から先は、まるでカットしたケーキのように何もなく、後は砂漠となっているという、不可解な姿。
――まさか……コイツはこの町田の真の姿を知っていて?
いや、そんなバカな……。
思っていると、エレベータは停車した。
「着いたの?」
オンナスキーの問いに、知佳さんは首を横に振る。
「このまま当車両は宇宙ロケットに接続いたしまぁす。そして宇宙をさぁっと飛びまして――そして、モテモテ王国へようこそ、といった具合でございます」
少しおどけて、彼女は言った。
「ホールミータイ」
バルコニーの上から、眼下の大広間に集まる何百人もの女性へと、ファーザーが呼びかける。
「あのー、ここに忠良なる汝ら臣民に告ぐ。ジークナオーン!」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ファー様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
何百人もの女性たちの黄色い声が大広間にこだまする。
「ここがモテモテ王国……」
圧倒されるオンナスキー。
ファーザーから何度となく聞かされ、妄想だと信じきっていた「モテモテ王国」へと、今、彼は訪れていた。
「セーットアーップ!!」
ファーザーは広間に降り立つと、目隠しをしてナオンたちと鬼ごっこに興じ始める。
「わあ、ええやんけーええやんけー」
ファーザーを追って広間に降り立ったオンナスキーにもブタッキーにも、等しくナオンは群がってくる。
まさにここはナオンとぼくらだけの蜜あふるる約束の地。
神に約束されたきらめきラブ国家――。
しかしオンナスキーの心に、嬉しさは沸き上がっては来ない。
相変わらず、うるさそうにわずらわしそうにナオンを足蹴にしているブタッキーの気持ちが、今はわかる気がした。
「いかがかしら……?」
知佳さんが歩み寄ってくる。
「一体ここは……これはどういうわけなんです?」
オンナスキーに尋ねられ、知佳さんは答える。
「見た通り。男なら誰もが夢見た愛と徳による絶対王制の、大いなる千年王国――それがここ、モテモテ王国よ」
「そんなの、説明にも何にもなってないです! 町田の外には何故何もないんですか? そして何故、月にモテモテ王国があるんです!?」
――そう、ここは月面上であった。
あの軌道エレベータで人工衛星にまで到達した後、一同は宇宙船に乗り換え、月にまでやって来たのだ。
「いくら何でも信じられるもんか、今までずっとあの小さい町で暮らしてきて……それがいきなり月面基地って……!」
しかしオンナスキーの言葉に、知佳さんは大きく首を横に振る。
「そうかしら? ファーザーさんがどこから来たか、考えてみたこと、ある?」
はっとなるオンナスキー。
二人の出会いは、オンナスキーがナオンに声もかけられずしょげかえっていた時、ファーザーが墜落してきたことがきっかけだ。
ファーザー自身、「生き別れの息子を求めて」「大気圏突入」を敢行したのだと言っている。UFOの所持を匂わせたこともあった。
もちろんいつもの妄想だと決めつけて、オンナスキーはまともに取りあったことはなかったのだが、しかし……。
「それについては、わしから説明するんじゃよ、うなずきトリオひく二人君」
すっと、タイミングよく、ファーザーが現れる。
「お前……ナオンとの鬼ごっこは……?」
オンナスキーの問いかけを無視し、ファーザーは進み出てきた。
「DQNがモテる!」
【怒鬼癒縕(ドキュン)(DQNネーム)】
見ればファーザーはいかにもDQNといった風体に変装している。
「男としての野生のオーラをぷんぷんと漂わせるDQNこそがナオンの求める究極形態じゃよ?」
「それは……」
思わず言葉につまるオンナスキー。
確かに学校に行けば、いわゆるオタクに比べてそういったヤツがモテている。
もちろん、そういう連中よりも勉強していい大学に行き、いい会社に入ったヤツが最終的には勝ち組になる。そう信じて青春を謳歌しているDQNたちを横目で見て、ぼくは今まで生きてきた、はずだ。
もっとも、こう世の中の景気が悪くては、果たしてそうしたビジョンにどれだけ意味があるのか、わからなくなってきているが……。
思い悩むオンナスキーには構わず、ファーザーは続けた。
あらまし:20XX年。「ジェンダー大戦」後の、フェミニスト国家「にっぽん」。そこはナオンとわしだけの理想国家、蜜あふるる神との約束の地となるはずであった。
だが、ナオンたちの欲求は満たされなかった。彼女らはやはり、人生のパートナーとしての男を欲した。
自分たちが殲滅した「男」を今一度復活させ、理想的な状態へと育て上げよう――そう、ナオンにモテる男性「DQN」再生プロジェクトである。
ナオンはDQNと共に、今度こそ真の理想国家「神聖モテモテ王国」を築き上げるはずであった――。
「おい、まだその話続いてるのか――」
呆れるオンナスキーだが、しかし知佳さんは首を横に振った。
「彼の言ったことは、全部事実よ」
「え゛……?」
あまりのことに、オンナスキーの脳がフリーズする。
「ちょっと待って……じゃあ、その、ジェンダー大戦とかも……?」
知佳さんは頷く。
(声:三石琴乃)
「ジェンダー大戦により、地球は壊滅的打撃を受けた。男性と呼ばれる種はその時に、一度滅んでいるの。急進派のフェミニストが作り出した男性だけを殺す兵器、フェミリカイザーによってね――生き残った僅かな女性が、当時開発が進められていた月面都市へと移住した――それが、ここよ」
「ちょっと待って!」
泡を食って、オンナスキーが問いただす。
「滅んだって、そんなバカな! だってぼくの周りにはむしろファーザーとかトーマスとか、男ばかりが――いや、それだけじゃない! 近所には男子校だってあったし――!」
「彼らは人為的にY染色体を組み込んだ、『レプリカ』と呼ばれる、言わば人造男性。女たちは一度男を滅ぼして、その上でレプリカとして再生させた。でも、当初産み出されたレプリカはことごとくがどういうわけか『草食系男子』、『オタク』と呼ばれるような男性性に欠けた者たちばかりだったの」
思わず、うつむくオンナスキー。
いずれもクラスの女子たちが自分をからかって呼びつけた呼称だ。
「女たちは過去を辿り、女性が『ナオン』と呼ばれていた時代が、女性を『ナオン』と呼んでいた男子たちこそが、最も女性の欲求を満たしていたのだと結論した。
そしてそうした男性たち、いわゆるDQNたちの思考、行動パターンをロボットに組み込み、少年たちの父親役に仕立て上げることを立案したの。
【Dominatable Quondam Numbers】。
直訳すれば支配力を発揮する、過去の人々。
それが女たちの求めた、かつての理想の男性像。
それを求めてDQN再生プロジェクトは開始された。
少年たちに『アパートの一室』を与え、ロボットと共に住まわせることにしたのよ――」
「え゛……っっ!?」
再び、驚きに声をつまらせるオンナスキー。
まじまじと、ファーザーを見つめる。
と、またファーザーは惚けたような顔をしていた。
「コイツは……ロボット……?」
「えぇ、恋愛教育プログラム『Love Admiral(恋愛大将)』を搭載した、『LSM(恋愛シミュレーションマシーン)』。といっても有機体で作られた、構造としては人間に近しいものだけどね――。
LSMを父親にして少年を教育する計画、プロジェクト・ファーザーは一応の成功を見たの。あなたの側にもいるはずよ、女性にモテている男の子が――」
「え?」
考えるオンナスキー。
モテる男と言うと、一人しか思いつかない。
ふと見れば、ブタッキーが群がる女たちを煙たそうにあしらっている。
「あいつが……」
頷く知佳さん。
「わかるでしょ? 『イケメンに限る』というのは俗説。
真理は『ただしDQNに限る』なの――」
しかし、それだと説明のつかないことがある。
「でも、その理屈だと、ロボットを与えられたぼくもモテているはずでは?」
「そうね――いっちゃん、あなたにも本来は正常なLSMが与えられるはずだった。
でも、何らかのアクシデントで、あなたの前にはあのファーザーさんが現れた。試作型として作られ、失敗作として廃棄されていたあのファーザーさんが……」
つまり壊れたロボット?
ダメ少年の下に送り込まれてきた、未来の世界のダメロボットのように?
「じゃ……じゃあぼくは、ナオンの勝手な都合で育てられてきた存在だと?」
オンナスキーが激昂する。
「しかも……壊れた父親ロボットを宛がわれて、どう頑張ってもモテるはずもないムダな努力をさせられてきたと……!?」
「いっちゃん……あなたが薄々感じていたように、私たちも一時期、あなたとファーザーさんを引き離そうかとも考えた。でもね、思ったの……ファーザーさん、そして大王さんたちがあなたにとって必要な存在ではないかって。だから、私はプロジェクト上層部に進言した。あなたを、しばしファーザーさんや大王さんたちとの暮らしの中に置いてやりたいって……」
それは、以前にも彼女の口から発せられたセリフだ。
「ふむ。ナオンにモテない同士は、未知の力でひかれ合うというからにゃあ。お幸せに暮らすがいいぜー」
吐き捨てるファーザーに、オンナスキーが突っ込む。
「バカ、お前もその一人だ」
そして再び知佳さんへと向き直り、続けた。
「どうしてです!? いずれにせよぼくは勝手な意図で教育されてきた存在かも知れない。でも、それならばまだしも、壊れていないロボットに養育された方が――!!」
「確かに、そう考える人たちもいたわ――プロジェクト・ファーザーの上層部はそう考えて、あの人をアパートに送り込んだ……」
「あの人?」
「キャプテン・トーマスよ」
「え……!?」
「そう、トーマスさんこそ本来の機能を果たす、正常なLSM」
「バカな!!」
オンナスキーは嫌悪感を露にする
「あいつは平気で下着泥をやるようなやつで!! ナオンに対しても欲望をぶちまけてるだけのヤツで!! しかも……ヘビトカゲみたいな見るからにバカそうなヤツを子分にまでして……!!」
「そうね……でも、モテるってそういうことよ?」
「う……っ!!」
反論できないオンナスキー。
そもそもDQNプロジェクト自体がDQNを再生させる計画。
となれば、トーマスのようなヤツこそが理想の男性ということになるのかも知れない。
「でも、あいつはヘビトカゲを騙して金まで取って――」
「あは、優しいんだ、いっちゃんは……でもね、女から見た理想の男性って考えればどう? 女を強引に引っ張ってくれると同時に、他の男からは弱肉強食の世界で資産を奪い取り、それを女に還元してくれる――それが理想の男性だって思わない?」
知佳さんは、寂しげに微笑む。
「事実ね、かつての日本において長らく不況が続き、非婚化が問題になった時期があった……男性たちは草食化し、オタク化し、あまり女の子たちと遊んでくれなくなった……それはまるで、いっちゃんたちみたいに――」
「い……いや、ぼくは好きでコイツや大王たちとつるんでたわけじゃ……」
「そうかな? 『早くファーザーを回収してトーマスを深田一郎の部屋に送り込め』が上層部の意向だったのを、私が進言して試験期間を設けてもらったのね、トーマスさんとかかわった時、いっちゃんがどんな反応を示すかを。そして私の想像通り、いっちゃんはトーマスさんのことを好まなかった……」
「そりゃ……あんなヤツ、好きになれるもんか……!」
「でしょう? もし私がファーザーさんとトーマスさんのどちらを選ぶかと尋ねたら、きっといっちゃんはファーザーさんを選ぶ」
「……………」
「私は、その選択を尊重したかった……そして、きっとファーザーさんもいっちゃんのことが……」
「それは……!」
オンナスキーは、大きく首を振った。
確かに、今の知佳さんの言葉を受け容れれば、いろんなことに説明がつく。
ファーザーが何故かトーマスと度々意気投合していたこと。
そしてファーザーもロクなものではないとは言え、トーマスの容赦のなさよりマシだったのは、彼が「できそこないのロボット」だったからだ。
「ぼくは……コイツのことなんか、好きでも何でもないです。ただ、モテてみたかった……でも一人じゃナオンに声もかけられないし……友だちもいなかったし、だから……」
ふと、知佳さんが破顔する。
「そう、友だちみたいなものだったんだよね、いっちゃんにとって――」
「そんなことないです!!」
大きく首を振るオンナスキー。
――確かに知佳さんの言葉が正しければ、謎は全て解ける、気がした。
でも。
「最後にわからないことが残った」
オンナスキーは口を開く。
「ファーザーがレプリカの養育係だってことは、ということは……ぼくも……?」
知佳さんはふと目を伏せる。
「そんなバカな! どういうことです!?」
「いっちゃん……あなた、自分がいくつだかわかる?」
いきなり、彼女はそんなことを尋ねてきた。
「え? 十五歳ですよ?」
「じゃあ中学生? 高校生?」
「あ……? わ、わからない……」
ぼくは確かに学校へと行っている。
休みがちではあっても行っている。
そこには担任の先生も、クラスメートの女子も――しかし今のオンナスキーにとって、学園生活の記憶はかつての記憶同様に曖昧な、おぼろげなものと化していた。
あれは中学だったのか、高校だったのか……。
「わからなくて当然。正解を言うと、あなたの年齢は一歳で、中学生でも高校生でもないの」
「……って、いくら何でもそれはないですよ! 一歳でこんだけ成長してメガネかけてるなんて、あり得ない!」
「いっちゃん……あなたはね、科学者によって作られたの。そう、人工的に作られたレプリカなのよ……」
「そんな……」
あまりのことに、茫然となるオンナスキー。
しかし思い当ることもある。
以前ファーザーが「子供は科学者に作られている」と言っていたこと。
――ぼくは……何だか勝手な理屈で勝手に産み落とされて、たった一人、アパートに押し込められて、ナオンたちの望む男に育てられるため養育ロボットを宛がわれ――いや、そうじゃない。
まともな養育ロボットすら与えられず、壊れた機械を親代わりにされて今まで徒労を重ねてきたんだ――。
がっくりと、オンナスキーはその場に崩れ落ちた――。
- 2024/11/08(フェミ)女だけの(萌えのない)世界へようこそ
時々、女に幻想持ちすぎ、と男性を揶揄する意見を眼にしますが
「男を滅ぼして女だけのパラダイス」
この発想って女性に対する幻想の最たるものだと思うんですが……
所詮同じ人間なんだから、多少男性との差異はあっても暴力性も残虐性も
確実に持っているし、なかったとしたら人間とは言えないんじゃあ
この話題と直接関係なくて申し訳ないのですが……
昔読んだ小説に、こんな一文があったのを思い出しました。
「男たる者は老若美醜を問わず、全て女性を賛美し、跪き、充足させねばならぬ。
その志なくいたずらに女のより好みをする男は色道のクズである」
小説内では、何がしかの文献の引用だと語られていたように思います
コメントありがとうございます。
>「男を滅ぼして女だけのパラダイス」
> この発想って女性に対する幻想の最たるものだと思うんですが……
う~ん、そうですね、「小説」めいたものを書いておいて「その真意は云々」と書き並べるのは野暮の極みですが、ちょっとやってみます。
(そもそもこの「小説」を書いた目的自体が原作の「謎解き」であったのだから、こういうのもアリかと思います)
オンナスキーが「フェミニストは男殺しを目的とはしてないと思うが……」と言うように、女性も別に男性を殺そうとはしていないかと思います。
が、例えばですが痴漢冤罪などを見てみると、「何の罪もない男性が、女性がその女性性を発揮することで、いきなり殺されるに等しい、人生の破滅を味わう」ということが現実に起きているわけです。
これは別に痴漢冤罪に限らず、DV、セクハラなどの現場でも同じことが起こっています。
女性も、(仮に過激なフェミニストでも)男性をそこまで追い詰めたいと思っていた人は少数でしょう。
ただ、少なくとも今の社会はそのような「なりたち」になってしまっている。
しかし更に言うと「草食系男子」に女性たちが焦れているように、彼女らはまた一方で、「頼もしい、男らしい男」を求めてもいる。
それを戯画化して描くと、「ジェンダー大戦」での男性の殲滅、そしてその後での「DQN再生プロジェクト」というものに、どうしてもなってしまうわけです。
>>4 たぬき様
もしかすると名前で誤解なさっているかもしれませんが、ディプトリーjrは女性です。
また女は男と違って戦争をしない、自然破壊をしない、といった言説(というかありていに言ってデマ)は女性のフェミニストもわりに頻繁にしていたりします。
「女だけのユートピア」というのが妄想なのは確かですが、その妄想を真に受ける女性も、少なくともフェミニストの中には、多くいるのではと自分は思います。
なるほど、たぬきさんの言葉はaaさんに宛ててのものだったのか……。
あれだけジェンダーフリーというすばらしい思想を標榜するフェミニズムが女性は平和だと称するなんて不思議ですねえ……。
>兵頭さん
ややこしいことをしてすみませんでした
きちんと宛てたかたを書くべきでしたね
なるほど
先ほどググってみましたが女性だったわけですか
しかし
「女性だけならユートピアを作れるんだ幻想」
これは全てとは言いませんが女性がわりと普遍的に持っている幻想なのでは?
と疑いたくなる時があります
一例になるとは言えませんが、喪男喪女関係の論争で、
「喪女は無害。喪男はモテないのを女や社会のせいしているので危険」
という論調がよく見受けられます
※
作中で語られるDQNに関する話ですが
「女を強引に引っ張ってくれると同時に、他の男からは弱肉強食の世界で資産を奪い取り、
それを女に還元してくれる――それが理想の男性だって思わない?」
これの究極的な理想形って「北斗の拳」のシンですよね
会話内の条件を全て満たす上に暴力で他の男を従える権力者でもある
しかも美形で惚れた女性であるユリアに一途、彼女ために国を作ってしまうほど
強くて美形で金持ちで権力者
しかも自分には一途な純愛を抱いて、そのためには死も恐れない
さらにプラスすると悪い面をすべてひっかぶってくれる存在でもありますね
>これは全てとは言いませんが女性がわりと普遍的に持っている幻想なのでは?
それこそ「女性専用車両」的ですよね。
女だけでつるみたがる感じ。
それ自体は度を超えない限りは否定すべきとは思いませんが。
>「喪女は無害。喪男はモテないのを女や社会のせいしているので危険」
こうなると、本人がフェミニズムをかじっているかどうかを問わず、立派なフェミニストになってしまっていますね。
『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い』という喪女漫画に対して、はてなで「これは男が描いたのだ、女はこんなふうに人のせいにしない、絶対に許せない」とわめいていた御仁がいました。
おっしゃってることと言ってることが「完全に一致」していて、驚いちゃいましたw
>これの究極的な理想形って「北斗の拳」のシンですよね
ある意味、ファンタジー世界のヒーローもヒールも、そうした「女性にとっての理想の男性」という側面は大変に強い。
でも、「何故お姫様が必ずヒールにさらわれるか」というと、おっしゃる「悪い面をひっかぶる」という役割が、正義のヒーローにはできないからなんですね。
>兵頭新児さん
>たぬきさん
ジェイムズ・ディプトリーJrの経歴や、男性名で作品を発表していたころの評価を知っていれば、「ヒューストン、ヒューストン、聞こえるか」で言いたいことは共感できなくとも理解できると思いますが
女性ばかりのユートピアだなんて、少しも描かれてませんよ。男性がいなくなったことによって解決した問題と、男性がいなくなったことで新たに出てきた問題の両方を描いています。
作品をちゃんと読みもせず、勝手なことを書くのはどうかと思いますよ
作品やここに書かれたコメントを読む限りでは、
「あなたたちが女や子供を保護したというとき、敵となった相手は、おもに他の男性だったんじゃないの?」という小説の一説がまったく的を得ていないものだとはとても思えませんね
すくなくともティプトリーは男性を非難したり攻撃するような文章は書いていません。性差と社会的の構造に大しての主観を述べているだけです
ねねこさん>
コメントありがとうございます。
そうですか、正直ぼくも実際に本を読んでみるだけの熱意はないし、たぬきさんがまだここをご覧になっているかわからないし、本件についてはひとまず、おっしゃることを心に留めておきます。
ただ、
>「あなたたちが女や子供を保護したというとき、敵となった相手は、おもに他の男性だったんじゃないの?」という小説の一説がまったく的を得ていないものだとはとても思えませんね
ここはどういうことでしょう?
それがティプトリーの小説の一節と言うことでしょうか?
文脈がわからないので何とも言えませんが、典型的な「男は攻撃的でケシカラン」論に見てしまいますが。
また、その(当たっていない)ロジックを、「作品やここに書かれたコメント」を見て想起されたというのも今一わかりません。
それもまた典型的な「女性への批判はまかりならん、全て攻撃と見なす」論に見えてしまいますが。
ご返答いただきありがとうございます。
>本当にそういうジャンルが存在してるんですよ。もうアホかと。
ティプトリーはフェミニストSF作家としては有名ですので、
そのように軽々しくコケにするくらいですから、お詳しいのかと思いました。
彼女の作品の多くは短編ですが、それも読む気がないと…まあ自由だと思いますが
>「あなたたちが女や子供を保護したというとき、敵となった相手は、おもに他の男性だったんじゃないの?」
これは「ヒューストン、ヒューストン、聞こえるか」を読まなければ分からない引用です。
ですので興味がないのでしたら流してくださって結構です、兵頭さんのおっしゃるような含みはありませんので(むしろ作中では極論として描かれています)。
性別という分類で異性を批判するのは、一人ひとりの人間に対しては的外れな指摘でしかない。
そして相互の理解には役に立たないということを、コメントのやり取りを拝見してを感じたので。
(兵頭さんにとっては、このようなことは言われるまでもないことだとは思いますし、そのことについては批判したいわけではなくて、単にそう感じたというだけです。)
引用の台詞は単に一部歴史上の事実であり「社会はそのような「なりたち」になってしまっている」わけですが、それを聞いて『「男は攻撃的でケシカラン」論』というふうに受け取ってしまうたぬきさんや兵頭さんの反応を受けてそのことを再認識しました。
お返事ありがとうございます。
>これは「ヒューストン、ヒューストン、聞こえるか」を読まなければ分からない引用です。
読まなきゃわからない引用なんて意味ないじゃんw
また、小説中ではおっしゃる限り否定的な発言とされているように見えますが、それをぼくたちのコメントや記事を見て、少なくともあなたは肯定的に引用なさったように見えます。
(当たり前ですが小説中では否定される発言でも、それを肯定的に引用するという事態はいくらでもあり得ます)
>性別という分類で異性を批判するのは、一人ひとりの人間に対しては的外れな指摘でしかない。
おっしゃる通りです。
これは国際問題も同様で「韓国ムカつく」と「韓国人(は全員)ムカつく」とをごっちゃにしてはならない。
そうした過ちを犯した典型例がフェミニストであると言えます。
しかし国という総体、性別という総体に対する批判もまかりならんとするのはやはり間違っています。
>それを聞いて『「男は攻撃的でケシカラン」論』というふうに受け取ってしまうたぬきさんや兵頭さんの反応を受けてそのことを再認識しました。
そのような意図がなかった、というのであれば失礼しました。
でも現状ではあなたのおっしゃりたいことが今一掴めないので。