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平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊
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平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊

2014-04-04 17:05
  • 13

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 まあ、決まりモンですので……。
 毎年公開されるヒーロー大集合映画、ついつい釣られて毎回観に行ってしまうが、毎回非道いモノだ、そしてその非道さはどうやらプロデューサーである白倉氏が勧善懲悪を嫌っていることに起因するらしい……といったことを、毎年書いてきました*。
 そうした今までの作に比べ、本作はかなりよかったかと思います。
 あちこちで言われていますが、これは恐らく、監督さんが交代した効果かと思われます。
 が、しかし、とは言え、かなり楽しんだ本作ではありますが、やはり根本が間違っている、という感が強い。監督はいいが、プロデューサーがそのままじゃな、といった印象を持ちました。
 今までの作品をプロデューサーの「マイナス10000点」の企画を監督がそのまま「マイナス10000点」の作として仕上げたとするならば、本作はプロデューサーの「マイナス10000点」の企画を監督が頑張って「マイナス1000点」の作にまで持ってきた、という感じでしょうか。

*「仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z
仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦
ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦


 さて、ここから作品評を始めたいところですが、その前に本作では公開前より「平成ライダーと昭和ライダーとの対決」が目玉として上げられていました。
「この種のVS物はタイトルだけがVSで実際には共闘する作品が大半だが、本作は違う」というのがプロデューサー・白倉氏の言です。実際には白倉氏は今までも飽きもせず正義の味方同士の同士討ちを延々延々とバカの一つ覚えで繰り返してきたのですが。
 しかし白倉氏は「本作こそをその決定打とする」といった発言をし、予告ムービーでは仮面ライダー1号、本郷猛が現役のライダー、鎧武に対して「お前たち平成ライダーなどを仮面ライダーとは認めぬ!」と一喝していました。
「今度こそ決定的な展開があるのでは」との予感と共に、この平成ライダーを否定する本郷は、穿った見方をすれば「平成ライダーを否定する昭和ライダーファン、ロートル特撮マニア」を揶揄して描いた存在のようにも見えました。
 映画の結末はファンの投票で決定するとアナウンスされ、昭和ライダーを勝たせたいか、平成ライダーを勝たせたいか、オフィシャルサイトで投票が行われました。映画の結末は二種用意し、投票で勝った方の勝利するラストを上映する、というわけです。
 投票は映画公開の直前まで昭和の圧倒的有利で進んでいました。それが公開日が近づくにつれ、平成ライダーの俳優さんが「平成に投票してくれ!」と呼びかける動画が追加され、極めて不自然な動きで平成票が伸び、そしてネットの投票自体は昭和の辛勝で終わったのですが……そこに劇場での票が加えられ(劇場で投じられた票も追加されること自体は当初からアナウンスはされていたのですが)結果的に平成が勝ったと発表され、劇場版では平成勝利のストーリーが上映されることに。
 真相は不明とは言え、正直、「東映側が票を操作していたのでは」と思わずにはおれない流れでした。

 さて、映画本編です。
 以下、ネタバレなどしますので、知りたくない方は読まれませんよう。
 前述した通りに、基本、それなりにいいストーリーが展開されました。
 が、昭和ライダーVS平成ライダーの対立という誰得な意味のわからないシークエンスが、いちいち盛り上がりに水を差します。それも昭和が一方的にケンカを売ってきて、平成が困惑という、何だかイヤ~な展開。
 クライマックス、1号が今回の敵であるバダンに言い放ちます。
お前たちを騙すため、対立していたフリをしていたのだ!!
 おい、お前、そのネタこれで何回目だ?
 何やかんやで(いきなり沸いて出てきた戦隊が)バダンを倒すのですが、その後、また1号が平成ライダーに戦いを挑みます。「今回の事件はお前たちの甘さが引き起こしたことだ」というのが1号の弁ですが、あんたが最初に平成側にちゃんと話をしていれば、戦う理由はなかったのではないだろうか。
 鎧武にライダーキックを放つ1号。しかしそこで鎧武は、自分が避けては花が散ってしまうと気づき、自らの身体を盾にキックを受けます。鎧武が花を守ったことを知った1号は「私の負けだ」と認めます。
 え~と、要するにですね、「花一輪を守ろうとする鎧武の心意気に負けた」ということらしいです。
 あれだけ「決着をつける決着をつける」と煽っておいて、何なんでしょう、それは。
 そもそもあれだけ売りにされていた藤岡弘の出番は冒頭で「平成ライダーなどライダーと認めん!」と一喝する部分、他はバダンを倒した後の昭和VS平成の部分だけです。時間にして5分あるのかなあ……。
 終始平成にケンカを売っている、イヤな言い方ですが「老害」的な描かれ方であると共に、「勝手な論理でケンカを売って勝手な論理で負けて去っていく」という自己完結ぶりは、これも穿った見方ですが「白倉の目から見た藤岡弘像」といった感じもまた、しないではありません。

「花を守るために犠牲になる」。
 それはそれでベタながら美しい話で、悪くはないと思います。
 そこへ持ってくるまでの過程が圧倒的に茶番ではあったのですが。
 が、ちょっと皆さん、疑問に思わないでしょうか。
 今回は平成が勝ちましたが、作り手の申告通りなら、昭和が勝つバージョンも撮影はされていたはずです。
 それは一体、いかなるモノだったのでしょうか。
「1号と鎧武のポジションが逆になるだけでは」と推測するファンもいました。
 しかしぼくは、それは違うと思います。
 繰り返す通り白倉は勧善懲悪を嫌っています。本作のインタビューに答え、(以下は記憶に頼って書きますが)「昭和ライダーは秩序を守るために個を殺す存在平成ライダーは個の権利を守る存在」といった発言をしていたのです。ニュアンスとしてはもう少し柔らかかったと思いますが、それでも昭和に対する悪意と憎悪が、少なくともぼくには感じられる発言をしていたのです。
 ならば、そんな昭和ライダーが花を守ろうとし、平成側が花を散らそうとするのはあり得ない話ではないでしょうか。
 白倉の中では平成こそが肯定されるべきとの結論が最初からあるのですから、昭和が肯定されるような描き方での「昭和勝利バージョン」は作りたがらないではないか、とぼくは思います。「正義」を否定する相対主義者はただ一人の例外もなく、自分の価値観が肯定されることが絶対なのだとの信念を頑として譲らないものですからな。
 以下はあくまでぼく個人の妄想です。
 恐らくですが、元から票は操作され、「平成の勝ち」は最初から決まっていたのではないでしょうか。
 そして、本作のDVD版、BD版には「劇場では明らかにならなかった昭和ライダー勝利バージョン」も収録される。しかしその内容は例えばですが「容赦なく花を散らし、鎧武を倒した1号が『甘ったれるな! その甘さが今回の事件を引き起こしたのだ!!』的発言をして勝利宣言をする」といったものなのではないでしょうか。
 最初から平成の勝利は約束されていた。が、オマケ映像として昭和の勝利を垣間見せ、「どうだ、昭和が勝たなくてよかったろう」と勝ち誇る。
 これこそが、最初から予定されていたことだったのではないでしょうか。
 昭和ライダーを悪者として描写し、地上から葬り去る。
 これこそが、「昭和が勝つか、平成が勝つか投票だ!」と煽ったことの、真の目的だったのではないでしょうか。

 最後に。
 上に挙げた画像は劇場で売られていたパンフレットです。
 このシリーズは通常のパンフに加え、ちょっとしたメイキング画像のDVDをつけた特別パンフを売る、というボロい商売をしているのですが、ぼくはまんまと高いDVD付きの方を買ってしまいました。
 が、そこにも藤岡弘の姿は一切なし。
 詐欺じゃん!!

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他3件のコメントを表示
userPhoto 兵頭新児(著者)

結局、藤岡弘の出番が少なすぎると言うことにつきますよね。
いえ、映画とは一人で作るものではありませんが、プロデューサーは一応、リーダーですし。
むろんだからといって何でもかんでも好き勝手にできるわけではないでしょうが、だからこそこちらもある種、荒探しのようなことをして、作り手の本意を探るわけです。
それ自体は、「評論」と言われるようなものは全てそうです。

ぼくも白倉氏について、詳しいことを存じ上げているわけではありません。
だから絶対だと断言する気はありませんが、彼自身が「勧善懲悪」にあまりいい印象を持っていないのは事実ではないでしょうか。

>自分に快くないコメントは全ておかしい人のせいかもしれませんが…。

快くないではなく、ある種の閾値を超えた、でしょうね。
恐らく普段は立派な社会人をやっていらっしゃる人でも、ネットでは閾値を超えて弾けてしまう方は、多いように思います。

No.4 128ヶ月前

>>2
掲示板に書かれた匿名の感想ではなくて、
ネットでライターとしての名前を出している方の意見だったので、
すごいなー、と。

こうした感想、インタビューでもツイッターのまとめでも何でもいいですが、
極端な部分だけ受け止める人がいたり、意図していない解釈で評価が広まったりしますからね。
それについてはちょっと考えたほうがいいかもしれません。

No.5 128ヶ月前
userPhoto 兵頭新児(著者)

意味が取りにくいんだけど、ぼくが「ネットの意見を真に受けている」と言いたいの?
ぼくの「ネットの意見を真に受ける」者がいるかも知れないから気をつけよう、というご意見?

No.6 128ヶ月前

僕は劇場版仮面ライダーは龍騎とファイズしか見たことが無く、こういったお祭り的な作品の下調べ(DVDを見てみるとか)せずに見に行きました。
「それはギャグで言っているのか」と思う場面も多々あり、お祭りモノとしてハードルを下げて見に行ったのですがそれを下回るがっかり感。
映画やアニメ等は監督などキャストを気にせず見ていたのですが、今後周りを軽くでも浚って多少の情報を得た上で見ようと思います。

余談ではありますが、終盤の巧が草加の事で葛藤して割り切るシーンで変身してすぐにブラスターフォームだったことが個人的に一番の消化不良点でした。
それはわざわざ変身してからブラスターになるのはテンポとか尺とかで問題あるんでしょうけど、我侭を言うと一連の流れが見たかったです。

No.7 128ヶ月前

あなたと同じで、この記事を書いてる人がダメだと思いながら反論します。俺かなり怒ってます(俺、そういう顔してるだろ?)
あなたは仮面ライダーを「作品」として見たわけであって、(尊敬すべきかどうかは別として)「お兄ちゃん」。もしくは(俺はそうは思いませんが)「ヒーロー」としては見ないんですね。あまつさえ本郷の気持ちをまるで理解しようとしない。昔の本郷なら平成ライダーに戦いを挑んだりしないと思いますよ。(一文字や風見だって昔はいい人間ではありませんでした)。
それなのにわざわざ戦いを挑んでくれた。これはある意味親心だったんでは?わざと悪役をかってでるのが本郷ですよ(昔は「俺は仮面ライダーみたいに立派な男じゃない」と子供に言ってましたし)。
あなたにとっての本郷が「老害」であろうと、俺にとっての本郷は「尊敬できるお兄ちゃん」ですからね・・・ゆとり世代ですがwww

No.8 128ヶ月前

あと結果のわからないものを勝手に確定させないでください

No.9 128ヶ月前

今回の意味不明ないちゃもん本郷も酷いが、
いつぞやの地球破壊しようとするギャバンも酷かったな

一ミリも期待しないで観に行ったけど、ところどころ良い所もあった

最後の茶番には呆れたが

No.10 128ヶ月前
userPhoto 兵頭新児(著者)

罠沢さん>

いやいや……『スーパーヒーロー大戦』に比べれば本作はかなりマシな方ですよ。
で、これらのプロデューサーが全部白倉氏となると……ねえ。

NARIOさん>

あの作品でギャバンが撃った「超次元砲」、「星野スペースカノン」のシステムの発展型ではないかと思ったり……。

No.11 128ヶ月前

死者への未練がどーたらとか昭和ライダーは冷徹過ぎるわ 心まで改造しちゃったんじゃないの?


No.12 125ヶ月前
userPhoto 兵頭新児(著者)

コメントありがとうございます。
しばらく気づけませんでした。
本当、スタッフが「昭和ライダーは血も涙もないヤツ」とでも言いたいとしか思えませんね。

ちなみにBRDの昭和ライダー勝利版を見ると、「鎧武がフォームチェンジか何かをする間、反撃せずに待ってやる一号」「その度量の広さを知り、鎧武が負けを認める」という展開でした。
ぼくの予想に比べればマシですが、何じゃそりゃ、という感じですね。

No.13 125ヶ月前
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