結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2025年6月17日 Vol.690
はじめに
おはようございます。
「結城浩ニュースレター」がSubstackに引っ越しました!
「結城浩ニュースレター」は、私の活動をシンプルなリンク集形式で紹介する無料のニュースレターで、毎月一回配信しています。
◆結城浩ニュースレター
https://hyukinewsletter.substack.com/
この機会にご登録よろしくお願いします。
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AIにプログラムを書いてもらうClaude Codeの話。
先週一週間も怒濤のように過ぎていきました。Claude Codeで遊ぶの、楽しいですねえ。
さまざまなプロジェクトにどんどん活用しています。後ほど詳しくお話ししますけれど、生成AIは本当に活動の「後押し」をしてくれる感覚があります。
いつものように技術的な詳細にはそれほど深入りせず、AIと共同作業する観点でのお話ですので、プログラミングに興味がない人や、技術者以外の方でもAI活用のヒントになると思います。
そういえば、Anthropic社が公開している以下のドキュメントでも、多様なユーザがClaude Codeを利用しているユースケースが紹介されています。多様なユーザというのは開発者だけではなくセキュリティ担当、データ分析、マーケティング、プロダクトデザイナー、法務関係者などです。簡潔で読みやすい文書ですので、技術者ではなくても読むといいですよ。
◆Anthropicのチーム自身はClaude Codeをどのように使っているのか
https://www-cdn.anthropic.com/58284b19e702b49db9302d5b6f135ad8871e7658.pdf
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「数学セミナー」連載の話。
結城は日本評論社の月刊誌「数学セミナー」で「数学のココがわからない」という連載記事を書いています。数学を学び始めた人が誰しも引っかかることを毎月ピックアップしてご紹介。ほんのちょっとした「引っかかり」でも、数学を理解するときにはモヤモヤするものです。そのモヤモヤ、うまく解消したいですね。
最新2025年7月号では「関数のココがわからない」という記事を書きました。よろしければお読みください。以下のページには過去の号へのリンクもあります。
◆結城浩の「数学セミナー」連載記事
https://www.hyuki.com/susemi/
「数学セミナー」といえば、数学セミナー編集部による『数学とAIのこれまで(とこれから)』という増刊が出ていますのでご紹介。以下の三点について数学セミナーの過去記事が掲載され、その後日談という形で現在の視点が描かれているようです。
- 証明とコンピュータ
- 人工知能は数学者になれるのか
- 生成AIとこれからの数学
◆数学とAIのこれまで(とこれから)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0F4QR9RYM/?tag=hyuki-22
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週末から急激に暑くなってまるで夏みたいですけれど、天候の急激な変化で体調など崩さないようにしてくださいね。
想像以上に天候は気持ちに影響を与えるものです。どうも調子が出ないなというとき、結城はまず「天気のせいでは?」と疑うように心がけています。自分の能力だとか、運命だとか、そういう怪しいところに勝手に思いが行かないようにするのです!
それでは、今週の結城メルマガも、どうぞごゆっくりお読みください。
目次
- 「結城浩の談話室」を企画として振り返る
- 音声入力でメモをとるちょっとしたコツ
- Claude Codeと過ごした一週間を振り返る
- 結城浩のメモをClaude Codeに作ってもらう
- 音声入力による指示だけで音声入力アプリを作る実験
- 画像管理ツールimg.privateの高速化
- 生成AIは頼りになる併走者
「結城浩の談話室」を企画として振り返る
結城は、ビデオをオフにしたZoomを使い、参加者と二人で一時間自由に音声のみでおしゃべりする「談話室」というネット企画を毎週行っています。
2025年6月14日の談話室では、IT企業に勤めて二年目の25歳男性とお話ししました。
大学時代はいわゆる文系だったけれど、現在はSI業務を行っているとのこと。
日々の学びで何を大切にしているかについてお話をうかがったり、生成AIのことや、「他者」との関わりのこと、幸福観などについてもじっくりおしゃべりできました。
貴重な時間を感謝します!
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ところで、この「結城浩の談話室」は2023年5月に開始しておよそ丸二年となりました。
ほぼ毎週実施していますので、これまでに延べ人数で100人ほどの方とお話ししたことになります。
実施後に毎回参加者さんにお願いしているフィードバックアンケートを改めて読み返してみました。
二年という時間は経過しましたが、感想の内容が大きく変わっている様子は特に見られませんでした。どの時期の感想にも共通して、参加者さんの多くが「雰囲気が落ち着いていて安心できた」という印象を書いてくださっており、初回から現在に至るまで、雰囲気が一貫して保たれていることがわかりました。
「良かった点」として多くの方が挙げていたのは「一時間という長さ」「一対一で話せること」「カメラがオフであること」といった項目です。「談話室」という場を設計する際の結城の意図が、自然と参加者に伝わっていたことを実感してうれしくなりました。
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この「談話室」という企画を始めるときには、内容や形式についてかなり考えました。この企画を実施したときのようすを深く想像して「談話室」という名前を考え、ビデオをオフにする約束や、二人で一時間話すという制約を決めた覚えがあります。
もしかしたら、どのように考えたか以前のメルマガで書いたことがあったかもしれませんね。もう二年以上経っているということに驚いてしまいます。本当に、時間の流れは早いものです。
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もちろん「改善を希望する点」もいくつか見受けられましたが、どれも深刻なものではなさそうで、全体としては満足度の高い体験が共有されていたように思います。
「話しやすい」「リラックスできた」という表現も多数あり、安心して話せる場になっていたことが伝わってきます。
興味深いのは「一時間という長さ」に関しては「良かった点」と「改善を希望する点」の両方に登場していることです。それだけポイントとなる要素なのだと想像できます。とはいえ、参加者さんの文章を読むかぎりでは、肯定的な声のほうがはるかに多かったので、現在の形を大きく変える必要はなさそうだと感じています。
自由記述の中には、談話室そのものにとどまらず、「数学ガール」シリーズやメルマガ、執筆活動への感謝や、新たな企画の提案、信仰に関する言及なども含まれており、結城の活動全体に対する応援や期待を感じることができました。うれしいですね。
これからもこの「談話室」の企画は継続していこうと思っています。
◆結城浩の談話室
https://chatroom.hyuki.com/